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【J2日記】水戸:可能性を決めつけてはいけない(10.03.25)

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左サイドを颯爽と駆け上がる森賢一選手のプレーに注目!

「俺って見る目あるぜ〜」と悦に入ることが、ごくごくたまにある。
最初にそう思ったのは07年のシーズン前。横浜FCの取材をしていた時、当時背番号10をつけていた内田智也選手(現大宮)の足が速くなっていることに気がついた。なんだかフォームも変わったような気がしたので、練習後、本人に質問をぶつけてみた。すると、内田は「わかりました?」とちょっとうれしげな表情を見せた。
話を聞くと、シーズンオフの間に鳥取のとあるトレーニングセンターに行き、走り方を改造したのだという。ちなみにそのトレーニングセンターは以前イチロー選手(シアトル・マリナーズ)もランニングフォームを変えるために通ったという、知る人ぞ知るその筋の権威。内田はそこで変身を遂げたのであった。ただ、あまり気づいてくれる人がいなかったようで、私に気づいてもらえたことが結構うれしかったらしく、別れ際に「さすがですね」と言葉をかけてくれた。その言葉は、今でも記者としての私の誇りである。

そして昨日、水戸の練習取材の際、あることに気付いた。森賢一の足が速くなっているような気がしたのだ。もしかしたら、勘違いかもしれない。でも、聞くは一時の恥ということで、本人に問いかけてみた。すると、内田の時と同じ反応が返ってきた。ニヤリと笑みを見せた後に「わかりました?」と返してきたのだ。
もともとボランチが本職だが、昨年から左サイドバックにコンバートされることとなった森は持久力には自信があるものの、決して足は速い方ではなかった。それはサイドバックとして致命傷ということで、「どうしたら足が速くなるのかを考えた」という。「せめて遅い足を平均値にしよう」ということで、毎日練習後にはラダー(地面に置くハシゴのようなもの)を使ってステップの改良を行い、筋トレもそれまで以上に行うようになった。それだけではなく、短距離を走る時はいつも吉原宏太の横を走り、速く走るコツを盗もうと吉原の走りを研究し、吉原からもアドバイスをもらうなどして、懸命に研究し続けた。何を変えたのか具体的なことは「企業秘密」とのことだが、徐々に足が速くなっていく実感を得るようになっていったそうだ。「自分にできることを最大限に考えたら、自然とそうやっていた」と森は力を込めて語った。

そんな森は先日、母校の中学に行き、後輩たちにこう伝えてきたという。
「自分の可能性を自分で決めつけてはいけない」
まさにその言葉を体現しているだけに、説得力に満ち溢れている。中学生たちの胸に響いたに違いない。
「もっと速くなりたい」と目を輝かせる森。その思いがある限り、進化し続けることだろう。今まで以上に左サイドを颯爽と駆け上がる森の姿が見られるはずだ。森の可能性は無限に広がり続けている。
私も、足が速くなったのをわかっただけで悦に入っている場合ではない。森の言葉から、そう思い知らされた。森の速さに追いつく目を持たねば、だ。

以上

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2010.03.25 Reported by 佐藤拓也
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