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【J2:第3節 岐阜 vs 甲府】レポート:片桐淳至の古巣への強烈な一発で、より鮮明に突きつけられた岐阜の課題。(10.03.21)

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3月20日(土) 2010 J2リーグ戦 第3節
岐阜 0 - 1 甲府 (16:04/長良川/4,528人)
得点者:84' 片桐淳至(甲府)
スカパー!再放送 Ch181 3/22(月)07:30〜(解説:川添孝一、実況:松井秀、リポーター:桑原麻美)
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大分戦と同じ布陣で臨んだ岐阜と、同じく前節の水戸戦と同じ布陣で挑んだ甲府。
前半はお互いが決め手のない状態で、こう着状態が続いた。20分を過ぎると、徐々に甲府がペースを握りだす。4-1-2-3の布陣を敷く甲府は保坂一成、藤田健、石原克哉の逆三角形を形成する中盤の3人が機能し、中盤でのポゼッションで上回り、リズムを作り出す。3人の高い個人技を生かした変化のある動きで、岐阜の守備陣を翻弄し、3トップにチャンスボールを供給するが、3トップの出来がいまいちで、思うようにフィニッシュの形を作れない。特にマラニョンの出来が悪く、簡単にボールロストしたり、シュートミスをするシーンが多々見られた。

一方の岐阜は甲府の攻勢の前に、DFラインが下がり、カウンターを仕掛けても、ボールを奪う位置が低いため、アタッキングエリアに入ったときには、相手の守備陣系が整っている状態になってしまい、効果的なカウンターにはならなかった。結果的に甲府が好機を逸してくれたことが幸いし、前半は0-0で折り返した。

後半、前半同様に甲府が岐阜を押し込むが、最初の決定機も3トップの動きが悪く、岐阜の体を張った守備もあり、決め手を欠く状態が続いたため、54分に内田一夫監督が先に動く。ワンボランチでアンカーの役割をしていた保坂に代え、FW金信泳を投入。186cmという高さのある金を3トップの真ん中に置き、3トップの真ん中にいたパウリーニョをトップ下に下げ、ボランチを藤田と石原のダブルボランチにした4-2-1-3にシフトチェンジ。
「金選手が入ってきてから、マーク的に難しくなった」とDF吉本一謙が語ったように、金が深い位置でターゲットになったり、サイドに流れたりと、前線で変化のある動きを見せたことで、マークがずれ、岐阜の守備にほころびが見え始めた。
それに対し、倉田安治監督は57分にFW佐藤洸一に代えて、怪我から復帰したFW朴基棟を投入すると、61分にボランチの田中秀人に代え、MF西川優大を投入。システムも4-1-3-2にシフトチェンジ。「こっちも打ち合いを望んだ」と倉田監督は攻撃が活性化し始めた甲府に対し、真っ向から攻撃でぶつかり合う選択をした。

そのとおり、ここから試合は打ち合いの様相を呈していく。岐阜は前線を5枚と厚くしたため、徐々に中盤が間延び。前半とは逆の理由で間延びし、攻撃を仕掛けたときにスムーズにパスがつながらない。それでも54分に朴基棟がGKと1対1となるビッグチャンスを迎えたが、これはGK荻晃太の壁に阻まれた。
甲府はより中盤にスペースが出来たことで、シュートまで至る回数が圧倒的に増えていった。DFダニエルのヘッドがポストに当たったり、交代出場のFW松橋優のヘッドがバーに当たったりと、徐々にゴールのにおいが出てきた。

そして84分、ついに甲府が岐阜のゴールをこじ開ける。右サイドでボールを受けた朴のライナー性のセンタリングに反応したのは交代出場のFW片桐淳至。「GKとDFの間のスペースは岐阜の弱点。古巣だから弱点をよく知っている分、それが有利となった」と片桐が語ったように、人数はいるのに一瞬棒立ちになってしまった岐阜の隙を見逃さず、「朴に足元に俺にくれとジェスチャーをしました。ばっちりアイコンタクトが出来た」と、見事な飛込みで、決勝ゴールを突き刺した。
「全体的に人数はいるのにプレスが甘く、ギャップがたくさんあった」(片桐)。結果的には昨年途中まで岐阜のエースだった男に、躍動できる場所を提供してしまった形で、この試合は決した。甲府がついに内山新体制になって初勝利を手にした。

全体的に振り返ると、双方に課題が残ったのは事実。甲府は前線の3トップの機能していなさが気になる。中盤はJ2屈指の力を持つだけに、3トップの安定は大きな課題となる。
一方、岐阜を見てみると、前半守備に関しては及第点の出来だったと言っていい。前述したように相手の3トップのプレーの精度が低かったことにも助けられたが、中盤でポゼッションされながらも、必ず誰かがチェックに入り、フリーにはさせなかった。しかし、攻め合いとなったときに、攻撃面での一人ひとりの距離が遠いという前半から出ていた課題が消えないまま、薄くなった守備を突かれてしまった。そして片桐が指摘したように、昨年から続くGKとDFラインとの連携という課題も顔を出してしまった。
打ち合いを挑んだ倉田監督の判断は理解できるし、今は試行錯誤のときが続くことは覚悟しており、うまくいかない部分があるのは理解できる。ただ、チームとしての相互理解と言う部分ではズレがある部分は否めず、そこは早急に大枠だけでも形を整えなければならない。時間がかかるのはミクロな部分であって、大枠の部分。記者会見で倉田監督が、「我々が抱えている一番の問題は、新しい取り組みに対して、心から納得していない選手がいることですね。これはチームを作るのによくあることで、前のやり方だったらという部分はあります。私は4-4-2で相手の力を出させないで、もっとスムーズにパスをまわして、安定した勝ち方が出来るチームを作りたい。でも、そこのところに行く段階で、納得していないプレーヤーがいるので、そこは話し合いが必要になってくると思います」と話したように、方向性という大枠の部分での全体的な相互理解が出来きっていないだけに、よりここは早急な修正が必要になってくるだろう。全体的にいい意味の開き直りが必要となってくるかもしれない。
やっているサッカーの方向性は悪くないのだから、もったいないと感じるのは筆者だけだろうか。

以上

2010.03.21 Reported by 安藤隆人
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