スカパー！生中継 Ch363 14:00〜（解説：金田喜稔、実況：清水大輔、リポーター：新井麻希）
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横浜Ｆ・マリノスは、先週の湘南ベルマーレ戦に続く、川崎フロンターレとの『神奈川ダービー・第２戦』に挑む。
横浜FMにとって川崎Ｆは、因縁の相手と言えるだろう。昨シーズン、ヤマザキナビスコカップと天皇杯を含めると５度も顔を合わせ、１勝３敗１分と負け越している。しかも、ヤマザキナビスコカップは準決勝、天皇杯は４回戦で戦い、「要所要所でやられた」（狩野健太）。さらにヤマザキナビスコカップ準決勝の第２戦では、GK飯倉大樹がジュニーニョを倒して退場するアクシデントも。飯倉は「もうその借りを返すという気持ちはない。あくまでも全34試合の中の１試合」と平静を装っていたが、あの屈辱の記憶が完全に消えることはないはず。今回の川崎Ｆ戦は、「リベンジマッチ」の様相が強くなりそうだ。
16日の横浜FMの練習に足を運ぶと、雰囲気は明るく、活気にあふれていた。それは３−０で快勝した湘南戦の影響が大きい。中村俊輔という希代のファンタジスタが加わり、攻撃の幅が広がった。セットプレーという武器もできた。前節、中村のCKから得点を決めた栗原勇蔵は、「俊さんが『楽しむサッカー』を思い出させてくれた」と言う。このムードを壊さないためにも、今節が大事になる。
対する川崎Ｆは２連勝を飾っているものの、ケガ人が多いのが心配の種。ACLに参戦しており、連戦の負担があるのかもしれない。前節の名古屋グランパス戦では、ジュニーニョ、中村憲剛らを欠く。試合中には菊地光将が太ももと足首を痛め、稲本潤一が内転筋痛で途中交代してしまう。16日の練習は、わずか15人で実施することに。その練習中にも井川祐輔が足首を痛めて離脱し、「野戦病院」と化している。
だが、横浜FMは「相手は選手層が厚い。昨年の天皇杯で対戦した時には、（途中出場の）矢島選手に決勝点を決められた。主力がいなくても侮れない」（小椋祥平）と警戒を緩めず。また、川崎Ｆには頼りになるストライカー、鄭大世がいる。名古屋戦では２得点を決め、抜群の決定力を見せつけた。川崎Ｆのキーマンに鄭大世の名前を挙げる横浜FMの選手も多く、彼の出来が勝敗の明暗を分けるに違いない。
今回の試合に特別な想いをもって臨むのは、川崎Ｆの小宮山尊信だ。昨季まではトリコロールのユニフォームを着てプレー。今季は川崎Ｆに移籍し、敵として初めて日産スタジアムのピッチに立ち、元同僚と戦う。横浜FMの手の内を知り尽くしているだけに、どんなプレーを仕掛けるのかに要注目を。
一方、横浜FMで期待できるのは好調の山瀬功治。今季は「ドリブルで行ける場面では行くようにしている」（山瀬）という強気なプレーが光る。また、川崎Ｆ戦では過去のリーグ戦で計４得点を記録しており、相性がいい。今季初得点をここで奪いたいところだ。
そして、中村（横浜FM）と稲本（川崎Ｆ）のマッチアップも楽しみ。稲本は負傷中だが復帰が濃厚なだけに、実現する可能性が高い。欧州帰りの日本代表同士が真剣勝負でぶつかり合うのである。これを見ずに、この一戦は語れない。
以上
2010.03.19 Reported by 小林智明（インサイド）
