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【AFCチャンピオンズリーグ2010 川崎F vs 北京】レポート:川崎Fは積雪のピッチコンディションに適応できないまま、攻撃の形を作れず。運にも見放され、北京を相手に完敗を喫す。(10.03.10)

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3月9日(火) AFCチャンピオンズリーグ2010
川崎F 1 - 3 北京 (18:59/等々力/6,606人)
得点者:37' ジョエル・グリフィス(北京)、40' 菊地光将(川崎F)、65' ワン・チャンチン(北京)、86' ワン・チャンチン(北京)
ホームゲームチケット情報
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まるで試合時間に合わせるかのように勢いを増す雪は、いつしかピッチを白く多い隠していた。季節外れの大雪の中、タフな試合が始まった。

いつも通り、4−3−3のシステムで試合をスタートさせた川崎Fは、丁寧にパスを繋ぎ北京の穴を探す。一方、4−4−2の北京は前評判通りに比較的高い位置からプレスを仕掛け、川崎Fの連携を分断しようとした。

勝手が違うピッチコンディションに手こずる中、川崎Fのファーストシュートは11分まで待たなければならなかった。稲本潤一の縦方向へのドリブル突破が相手を引き付けてヒールパス。これを受けた田坂祐介がシュート気味の縦パスを出す。エリア内にいた黒津勝が反応し、シュートでプレーを終えた。稲本の前線への推進力が生きた場面ではあったが、時間の経過とともにドリブルはその有効性を失っていく。もちろん降り積もる雪の影響である。

レナチーニョというドリブラーを擁する川崎Fが雪の影響を受ける中、北京は早々にこのピッチコンディションに順応する。無理をせず守備を固め、川崎Fの攻撃を受け止め始める。そんな中、前半15分には右サイドからボールを持ち込み、前戦の長身ブラジル人ストライカーのオットーへとアーリークロス。つなぐ事にこだわらず、早めに前線に入れる事を意識していたようだった。

足場の悪い中、いつものプレーにこだわり軌道修正できなかった川崎Fに対し、北京は彼らのパスサッカーに早めに見切りをつけている。その差はどこに出ていたのか。

ACLの取材のため、北京近郊をカバーするローカル放送局、と言っても北京近郊の人口は公称1300万人。実際は2000万人を超えていると言うが、である北京電視台(BTV)で、天天体育(デイリースポーツという意味)という番組のレポーターを務めていた王さんという方が前日練習の場でこんな事を口にしていた。

「北京の選手たちは芝が素晴らしいと感激しています」

日本では当たり前にある青々とした芝の上で北京の選手たちは練習を続けていた。

王さんの言葉を裏付けるように、ホン・ユアンシュオ監督は前日会見で「ピッチについては似ているところはありますが、日本とは比べ物になりません(日本の方がいい)」と述べている。王さんの話では北京のホームスタジアムはこの時期は芝が枯れているとのことで(AFCのHPに掲載された2月23日付の北京の試合記事に添えられた写真を見る限り確かに枯れている)、つまり彼らは日常的にピッチコンディションの悪い環境で試合を経験しているのである。要するに、彼らは悪条件に慣れていたのである。

冬にシーズンを行う欧州の経験が長い稲本ですら「ここまでの雪はないですね。ドイツやトルコでも雪は降ったことはありますが、ここまでではなかったです」と話すピッチコンディションの中、川崎Fは不運な形で先制点を失ってしまう。

前半37分。ルーズボールの競り合いのこぼれ球が川崎F陣内へ。稲本は「普段はボールは止まらないと思います」というボールは、雪の抵抗もあって北京のジョエル・グリフィスの足元へピタリと収まり、これが先制点となる。

攻めつづけながらも有効な形を作れなかった川崎Fは、失点直後の40分にCKから菊地光将が押し込み同点に追いつく。しかし後半に入っても、ピッチコンディションに順応できない川崎Fは攻撃を組み立てる事ができなかった。「後半の立ち上がりはなんとなくやっているところがあったように思う」と振り返った稲本は、この言葉以外にも「集中力の欠如」というキーワードをコメントの端々にちりばめて、警鐘を鳴らしていた。

62分のFKの場面でレナチーニョがポストを叩くシュートを放ち、点を仰いだ直後の65分。おそらくは北京の後半最初のビッグチャンスが点につながる。オットーがペナルティエリアでキープすると、他の選手達はボールウォッチャーに。オットーはエリア内に走り込んだワン・チャンチンにパスを落とし、ワンがシュート。これがサイドネットを揺らした。
勝ち越しを許した川崎Fは70分にレナチーニョに代えて矢島卓郎を投入し、鄭大世との2トップへとフォーメーションを変更。しかし「後半は微妙に風下だった事もありますが、相手のラインを超えるボールが出てこなかった」と矢島が悔やむように、川崎Fは彼らのストロングポイントを有効に使うことができなかった。

同点、そして逆転ゴールを狙い続けた川崎Fは、後半86分にゴールキックをファン・ボーウェンが頭で流し、シンプルにワン・チャンチンへ。GKと1対1になったワンがこの日2点目となるループシュートを決め、試合を決定付けた。

雪が降り積もり、風下になった後半の川崎Fのシュートはわずかに1本。ロングボールを蹴ろうにも足場が悪く距離が稼げない、という状況に適応できないまま北京を相手に完敗を喫する事となった。

川崎FはこれでACLは2連敗で最下位へ。アウェイでメルボルンを下した城南が北京とともに勝ち点を6へと伸ばしており、川崎Fはグループリーグ突破に向けて厳しい状況に追い込まれている。

これまでの試合の中でも、試合展開に応じて戦いを代える事が求められてきた川崎Fは、思わぬ気象条件にも適応できなかった。チームの形は作れているのだが、試合の流れを読み、ゲームをコントロールするという課題は依然解決出来ていないままである。

以上

2010.03.10 Reported by 江藤高志
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