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【J2:第1節 愛媛 vs 岡山】レポート:新戦力が光った愛媛と岡山。PKで得た1点を守り抜き、90分間集中力を保ち続けた岡山がアウェイの開幕戦を制す。(10.03.08)

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3月7日(日) 2010 J2リーグ戦 第1節
愛媛 0 - 1 岡山 (16:04/ニンスタ/4,863人)
得点者:49' 西野晃平(岡山)
スカパー!再放送 Ch185 3/8(月)15:00〜(解説:大西貴、実況:堀本直克、リポーター:重橋秀香)
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開幕戦ならではの緊張感、そして雨を含んだピッチ。立ち上がりは愛媛、岡山の両チームとも、ゲームを組み立てるのに困難な状況だった。その中で最初に自分たちの形を作ったのは岡山。最前線の西野晃平や、時にサイドに流れてボールを受ける岸田裕樹を起点にしてチャンスを生み出す。今日のような環境なら、前線でしっかりボールを落ち着かせることで、試合の主導権を握ることが可能になる。その点で2人の存在は岡山にとって大きかった。さらにセットプレーからはDFの野本安啓、近藤徹志が高さを生かして愛媛のゴールを脅かし、試合を優位に進めた。

その一方で、なかなかゴール前にボールを運べなかった愛媛。つないで前に運ぼうとする意図は感じられたが、バルバリッチ監督も指摘した通り前線の運動量が少なく、足元につなごうとするパスに対しても岡山の守備は厳しく、愛媛の選手に対してプレスをかけ続けた。「集中と切り替えの速さで勝点3を取れた」と、岡山の影山雅永監督は勝利の要因を端的に表現したが、まさに岡山の攻撃から守備へと切り替える意識の高さが愛媛のパスサッカーを封じたともいえる。その中でも、特に際立っていた岡山の中央でのディフェンス。「守備のバランスがよかった」とボランチのキムテヨンは手ごたえを語ったが、福本尚純と2人でピッチ中央のスペースを消し、サイドを使わせても近藤や野本らと協力しながらゴール前でしっかりとクロスを跳ね返した。

対する愛媛は前半30分、ようやく狙う攻撃の形を見せ始める。FW石井謙伍とMF大山俊輔が右サイドで起点を作り、クロスを放り込んだ。中央にはFWジョジマールに加え、2列目から赤井秀一と杉浦恭平が飛び込み、前線の選手が連動した攻撃の形をみせはじめると、42分に作ったチャンスも右サイドから。サイドチェンジから、サイドバックの関根永悟がオーバーラップに成功した時点でマイナスには赤井、中央にはジョジマールと石井が飛び込んでいたが、関根のシュートは岡山の守備に跳ね返されてゴールは奪えなかった。

愛媛にとっては速いテンポでパスが回り始め、攻撃の形を作り出し始めていただけに痛かったのは後半開始早々の失点。一瞬、集中が途切れたスローインからPKを与え、決勝点を岡山に許してしまった。一方の岡山にとっては重圧がのしかかるオープニングゲームで貴重な先制点を奪い、理想的な展開に持ち込んだ。先制点を奪った後はカウンターも狙い、終盤の愛媛の猛攻も集中を切らすことなくしっかりと跳ね返した。西野や野本、GK真子秀徳らと今季加入した新戦力がセンターラインでキッチリと噛み合い、手にした勝利という点では次節のホーム開幕戦(3月13日 横浜FC戦)にもつながる勝点3だ。

反対に、愛媛にとっては消化不良の開幕戦に。71分の杉浦、82分に内田健太が放ったミドルシュートにニンジニアスタジアムは大きな歓声に包まれたものの、ともにゴールは割れず。無得点に終わり、2010シーズンは黒星スタートとなった。それでも、バルバリッチ監督は試合に出たDF小原章吾と杉浦、石井の新加入選手を評価。結果として敗れはしたが、個々の選手には光るプレーもあった。

あとは「まだまだ愛媛FCの力を出し切れていない」と、悔しさを噛み殺しながら語った杉浦の言葉通り、より長い時間、愛媛のサッカーを見せられればゴールも勝利も近づく。「選手は自分自身を信じ、強い気持ちで責任ある仕事をしなければならない」と以前バルバリッチ監督は語っていたが、開幕戦の敗戦で必要以上に落ちる必要はない。今季の愛媛に一番必要なのは、これを踏み台にして上積みを続けるたくましさ。シーズン前、「焦らなくてもいいので、やるべきことを立ち止まることなく続けることが必要」と語っていたバルバリッチ監督の言葉を思い返した。

以上

2010.03.08 Reported by 近藤義博
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