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【J2:第1節 徳島 vs 草津】レポート:目指す攻撃的スタイルを確かに披露。徳島、草津の粘りを退けて内容ある白星発進。(10.03.07)

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3月6日(土) 2010 J2リーグ戦 第1節
徳島 1 - 0 草津 (14:06/鳴門大塚/4,351人)
得点者:21' 柿谷曜一朗(徳島)
スカパー!再放送 Ch184 3/7(日)22:30〜(解説:田渕龍二、実況:小玉晋平、リポーター:分林里佳)
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幾つか気になった部分はある。が、まだ初戦を終えたばかり。課題とまで呼んでクローズアップする必要はないだろう。しかもこの一戦で見せた徳島の戦いを思い返せば、それらを取り上げたマッチレポートにしようとは全く思わない。ここで何より伝えたいのはやはり、徳島が目指す攻撃的スタイルへと確実にシフトしてきていることだ。
そして今日、徳島はその実践により果たしたかった内容ある白星発進も現実のものとした。

さすがに立ち上がりは大事なシーズン初戦という意識が過剰に働いたに違いない。選手たちのプレーには至る所に硬さが見受けられた。それによってチームとしての連係は発揮出来ず、徳島は開幕へ向けて準備してきたことをほとんど出せていなかったと言えよう。しかし16分、柿谷曜一朗のワンプレーが状況を一変させる。若くして積み上げた豊富な国際経験と生まれ持っての天賦の才がその必要性を嗅ぎ取ったのだろうか、ゴールまでまだ距離のある、しかもタッチライン際の難しい位置からも右足を強振し積極性に満ちたミドルシュートを放ったのだ。実はこれがこのゲームにおける、いや今季におけるチームのファーストシュート。
するとそれは魔法のように周囲の硬さを一瞬で消し去り、一気にチームにあるべき姿を取り戻させた。その時を境に個々には動きの積極さと足下の落ち着きが生まれ、また組織全体としてのボール回しも安定。右の平島崇、左の輪湖直樹も参加して今季の武器とする幅のある果敢な展開を披露し始めたのである。そして徳島はその3分後に決勝点となる得点を奪ったのだが、そのゴールへのプロセスとなった攻撃も平島が絡んだまさにそれで、チームは今季目指し追求している理想に近いイメージのゴールを開幕戦でいきなり挙げたと言えよう。
また付け加えるなら、ネットを揺らしたのがチームに息を吹き込んだ柿谷自身であったのも偶然でない繋がりを感じずにはいられない。やるべきことへの強い意志と意欲、その実行こそが結果に結び付くことを彼が身をもって証明したと言っていいのではないだろうか。

さらに自分たちのサッカーの流れを掴みスコア上のリードも得た徳島は迎えた後半も攻撃の手を緩めない。ゲームの中でどんどん身体のキレを増していくFW津田知宏を中心に仕掛けるスピード豊かな速攻と、青山隼、濱田武のボランチ陣がボールを左右へ散らして組み立てる遅攻を効果的に使い分け、幾度となく草津ゴールへと迫った。フィニッシュ精度が僅かに足りず追加点には至らなかったのは残念であったが、チームが目指す攻撃的スタイルを存分に感じさせてくれたのは間違いない。

と、ここで徳島に忘れてはならないもうひとつ。キャプテン三木隆司を中心とした粘り強い守備についてだ。その三木とぺ スンジンは相変わらず安定した守りを継続していたし、両サイドの平島と輪湖も相手ボールになれば素早く深い位置へ帰陣。両ボランチとも連係を取りながらサイドのスペースを有効には使わせなかった。その上開幕スタメンを勝ち取ったGK日野優も終了間際に訪れた絶体絶命のピンチ(PK)にビッグセーブでチームを救ったことからしても、守備陣は今季再び充実の働きを見せてくれそうだ。

さてそのような徳島に対して敗れた草津だが、後半20分過ぎからはセカンドボールを奪い勝ってたびたびいいシーンも作りかけた。特に途中投入された期待のブラジル人FWラフィーニャは鋭いドリブルと強力なシュート力を発揮し、副島博志監督も「交代選手によってゲームの流れを動かすことが出来た」と語った通り劣勢にあった戦況を大いに変えていったと言える。ただ、それまでのチームにはなかなか活性が出ず、ボールの動かし方も本来突きたいバイタルを遠巻きにして回すような状態。中央へは全くと言っていいほど入り込めなかったのが現実と認めざるを得ない。それだけに次節(vs愛媛)までには攻撃の形をもう一度チェックし、チームとしてのやり方を整えておきたいところだろう。

こうしていよいよ2010年の戦いの火ぶたは切って落とされた。長く熱いシーズンがついに始まったのだ。 最後にこの開幕戦でこそ明暗を分けた徳島と草津だが、J昇格同期という縁を共有する同士だけに両者の今季での成功を祈って開幕戦レポートを締めさせていただく。

以上

2010.03.07 Reported by 松下英樹
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