今年もJ's GOALでは、全クラブのキャンプ取材を実施します。
レポートに加えて、動画でトレーニングの様子や、選手の生の声をお届けする予定です。監督はもちろん、気になるあの新加入選手のインタビューなど、2月下旬までの間、取材をしていきますので、お楽しみに！

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第２次キャンプ地、雲仙に入って４日目。そして明日には島原がまだすリーグで今シーズン初めてのゲームが控えている。ゲームは明日１日で２試合。ほとんどの選手が90分間出場することになるが、ここまでの疲労度を考慮し、この日予定されていた午後のトレーニングはキャンセルされた。
練習時間は短縮されたが、密度は保たれていた。アジリティを高めるトレーニングや守備のトレーニングをこなした後、最後はフルコートを使った15分×２本の10対10ゲーム。「コンパクトにできているけど、アタッキングエリアの工夫が見られなかった」（小林伸二監督）こともあり、ゴールはなし。それでも、全体に球離れが早く、いったん加速したボールがテンポよく回り続けるシーンもあった。ピッチ状態がいいことを差し引いても、昨年以上にパスの精度は上がっている。明日はそのパスを途切れさせないだけの運動量を確保するのが最低条件だ。

守備のメニューは雲仙キャンプに入ってから導入された。この日行われたのはゴール前の１対１。開始前には選手を集め、小林監督がトレーニングの目的や動き方などをホワイトボードを使って説明するいつもの光景があった。しかし、実際に始まると小林監督はじっと見つめたまま、途中でプレーを止めることはなかった。頻繁にプレーを止め、その選手の問題点を指摘したりどういった方法があるのかを細かく伝授することで、周囲で聞いている選手全員の共通認識づくりをするのが常だった小林監督には珍しいことだが、もちろん狙いがある。
「黙って見てると、その人が考えることを表現するじゃないですか。どういうことをするのかをじっと見て、一度やらせておいてから具体的な指導をしたほうがいいかなと。今まで選手は自分のイメージでトレーニングしてきたけど、今度は現実のものとして、良かったら質を上げる、悪かったら矯正していくという作業が入ってくる。今は（指導するのを）我慢をしているところです（笑）」
その現実への第一歩が、明日のゲームになる。２０１０年のモンテディオ山形が、そして選手ひとりひとりが初めて出会う「現実」がどんなものか。どんなものでもいいだろう。それは“今後の指針”という財産になるだけのこと。

帰り支度を整え、宿が用意した送迎バスまで真っ先に引き上げてきたのは、いつものように清水健太。「こんなうれしいことはないですよ」と厳しいトレーニングから解放される午後の休暇を歓迎する。「練習がきつ過ぎるんじゃないですか？」とわざとボリュームを上げたのは、すぐ前を歩いている石野智顕ＧＫコーチの耳に届けようという魂胆だ。その石野コーチは清水をチラッと振り返っただけ。向き直ると、自分の頭に人差し指でツノを２本つくりながら、自身のトレーニングのためウエイト器具のある小屋に消えていった。

以上

★J's GOALでは2010年も全クラブキャンプ取材を実施します！

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2010.02.10 Reported by 佐藤円