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【東アジアサッカー選手権2010 SAMURAI BLUE(日本代表) vs 中国代表】プレビュー:ベネズエラ戦で出た課題を修正し、連動性を高めた戦いができるか。新しい組み合わせを試す中、初タイトルに向け結果がほしい試合(10.02.05)

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2月6日(土)東アジアサッカー選手権2010 SAMURAI BLUE(日本代表) vs 中国代表(19:15KICK OFF/味スタ)
TV放送:フジテレビ系で19:00〜生中継
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無得点に終わったベネズエラ戦を厳しく批判する向きもあるようだが、遠藤保仁(G大阪)は試合前も試合後も、一貫して同じことを述べていた。すなわち試合勘が戻っていないという事である。「1ヶ月半から中には2ヶ月くらい試合をしていない人もいる」と遠藤は語る。もちろん、その一言で全てが許されるわけではないとは思うが、日本代表はチームを立ち上げたばかり。ワールドカップ本大会が開催される大事な年の始めに十分に休養するのは当然だ。トップフォームに持ち込むのは6月でいい。

紅白戦を行った4日の練習後、改めてベネズエラ戦について問われた岡田武史監督は「組み合わせもあるし、シーズン最初はそうなるし、仕方ないと思っている。通常6週間かけてチームをつくるのが普通。それを短期間で作っていますからね。選手はそれを良くわかっていると思う」と動きの悪かった選手たちを擁護していた。小笠原満男(鹿島)という古くて新しいピースを加えた日本代表は、彼を消化するまでに時間が必要である。ただ、だからといって手放しで擁護するわけでもなく「結果的に(攻撃が)中、中になってしまう。コンセプトがおろそかになっていた」と反省点を指摘していた。

おろそかになってしまったコンセプトに対し、岡田監督は自分たちでその問題を解決してほしかったようである。ただ、結果的に両サイドバックを高く上げるよう指示を出したり大久保嘉人(神戸)を「強制的にサイドに張らせた」りする事で、打開せざるを得なかった。采配によるそうしたフォーメーションの変更について岡田監督は「(特定の選手に強制してサイドを使うのではなく)それは中盤の選手が使えばいいので、意識の問題です」と話しており、本来はピッチ上で解決すべき問題であるとの認識を示している。そうしたベネズエラ戦での課題をどこまで修正できるのかが東アジアサッカー選手権の初戦となる中国戦では試されることとなる。

岡田監督の話によると、この中国戦で日本代表は若干の先発メンバーの入れ替えが行われるようである。これは独断となるが原因不明の嘔吐感が消えているという内田篤人(鹿島)や、ケガによってベネズエラ戦の出場を見合わせた玉田圭司(名古屋)といった選手の先発の可能性や、中盤の構成の変更などが予想されている。

新しい組み合わせによる試合が予想される中、ベネズエラ戦の課題を編集したVTRを見た中村憲剛(川崎F)は「前後左右に大きな動きをしたい。運動量を出したい」と話している。つまりスペースを作る動きが少なかったと反省しているのである。すなわち「ベネズエラ戦ではボールを持っている選手に対する動き出しが少なかった。もっと大きな動きをしないと。自分にしても足元、足元だけではなく、広くやりたい」と課題を述べていた。いわゆる人とボールとが連動するサッカーが必要であるとの認識である。そしてその視線の先には昨年のオランダ戦の前半がある。「オランダ戦のイメージはある。それはやりたいですね。あの戦いはできているんで」と語る。もしかしたらこの中国戦で、あの華麗にボールが動きまわったオランダ戦の前半が再現されるかもしれないし、実現してほしい。そしてその上で、得点できれば言う事はない。

東アジアサッカー選手権での日本代表は過去の3回の大会で3回連続準優勝といまだにタイトルを取れていない。シーズン冒頭の、未だにコンディションの上がりきれていない段階での大会に難しさはあるだろう。ただ、確実に勝てるといい切れないサッカーの中にも、どうしても勝たねばならない試合がある。この東アジアサッカー選手権という大会は、そうした戦いの一つなのだろうと思う。そういう意味でこの中国戦は勝って勢いを付けたい試合である。

対戦する中国は、4バックのシステムを採用しており、1トップにはガオ・リンという長身選手を配する事が予想されている。ガオ・リンは北京オリンピックに向けて継続的に強化されてきた選手の1人であり、国際経験も豊富。警戒が必要だ。今回の中国代表は、そのガオ・リンを中心に20代前半の選手を多くそろえており、若いメンバー構成となっているのも特徴であろう。その一方で、ガオ・リンとのコンビネーションでチャンスメイクしてきたハオ・ジュンミンがドイツ1部のシャルケ04へと移籍しており今回の代表メンバーからは外れている。中盤のレギュラー格の選手を欠く中国はどのような戦いに出てくるのだろうか。日本としては、相手のボールにプレスをかけ、より高い位置でボールを奪いたい。そんな日本に対し、中国が中盤を作れるのかが試合を見る上でのポイントになるだろう。中国がロングボールを多用するような状況になれば日本の守備が効果を発揮していると言えるが、相手に蹴らせたボールを着実にマイボールにしなければならないのは言うまでもない。短期決戦となる東アジアサッカー選手権においては、初戦の持つ意味が大きい。繰り返しになるが、しっかりと勝点3を手にしたい試合である。

なお、これは余談だがシャルケ04へと移籍したハオ・ジュンミンは天津の一員として昨季のAFCチャンピオンズリーグにエントリーしており、川崎F戦にも出場している。川崎Fの選手からもそのテクニックについて評価されていた選手なだけに中国代表の一員として見たかった選手だった。とはいえ、アジアから旅立ちシャルケ04のホームページ上で「105年のシャルケの歴史の中で初めての中国人選手だ」と紹介されたハオ・ジュンミンにはアジア人選手の1人として、現地で結果を残してほしいと思う。

以上

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■東アジアサッカー選手権2010 決勝大会/東アジア女子サッカー選手権2010 決勝大会
2月6日(土)味の素スタジアム
15:30 なでしこジャパン vs 中国女子代表
19:15 SAMURAI BLUE vs 中国代表

2月7日(日)国立競技場
16:30 韓国女子代表 vs チャイニーズ・タイペイ女子代表
19:15 韓国代表 vs 香港代表

2月10日(水)味の素スタジアム
16:30 中国女子代表 vs 韓国女子代表
19:15 中国代表 vs 韓国代表

2月11日(木・祝)国立競技場
15:15 なでしこジャパン vs チャイニーズ・タイペイ女子代表
19:15 SAMURAI BLUE vs 香港代表

2月13日(土)味の素スタジアム
12:30 チャイニーズ・タイペイ女子代表 vs 中国女子代表
15:10 なでしこジャパン vs 韓国女子代表

2月14日(日)国立競技場
16:30 香港代表 vs 中国代表
19:15 SAMURAI BLUE vs 韓国代表

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2010.02.05 Reported by 江藤高志
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