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【キリンチャレンジカップ2010 SAMURAI BLUE(日本代表) vs ベネズエラ代表】レポート:状況を判断できなかった日本代表はベネズエラ代表を相手に得点できず、課題を残す。その一方で、小笠原の可能性を発見できた事は収穫となる。(10.02.03)

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2月2日(火) キリンチャレンジカップ2010
SAMURAI BLUE(日本代表) 0 - 0 ベネズエラ代表 (19:10/九石ド/27,009人)
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東アジアサッカー選手権2010決勝大会メンバー

無得点に終わった試合を受け、遠藤保仁(G大阪)がベネズエラの守備について「相手のサイドバックが全く攻撃に関与してこなくて、ダイアモンド気味の(中盤で)、3ボランチ気味でバランスを崩さずにやっていた」と振り返る。意図していたのかは分からないが、ベネズエラはまずは守備を重視していたのである。南米での厳しい戦いを経験してきたベネズエラにとって、この日本戦はアウェイでの戦いをシミュレートする絶好の機会だったのかもしれない。もちろん、代表デビュー戦となった17歳のフェルナンド・アリスティギエタをFWとして起用した事も攻撃に手数をかけられなかった一因になるだろうし、さらには「カルロス・マルドナルドや、カルロス・ロンドンなどが呼べなかった」(セサル・ファリアス監督)事により、攻撃面で迫力を出せなかったという事情もあるだろう。

先発メンバーの関係で攻撃に出られないのだから守備を重視したのだと、結果だけを見ればそうした戦いをベネズエラが意図的にやっていたとの推測も可能だ。そしてそれは違う見方をすれば、ベネズエラが状況に応じた戦いをしていた、という事も言える。もし仮にベネズエラが意図をもってそうした戦いをしていたのであれば、状況に応じた戦いができなかったSAMURAI BLUE(日本代表)にとってベネズエラ代表は一枚上手だったという事が言えるだろう。そしてだからこそ、相手がどう出てこようと、それに対応しつつ得点を奪って欲しかった。そもそも岡田武史監督は監督会見で「今まではベーシックなことをやってきた。これは大学でいうと必須科目だと。これはみんなが取らなくてはいけないがそれだけをダメで、これからは選択科目も取らなくてはいけない」と述べ、つまりは「試合の中での各人の応用力というものをここから成熟させたい」と選手に告げていた。ところが、試合前のそんな岡田監督の宣言にもかかわらず、日本の選手たちは応用力を発揮する事ができなかった。

このレポートの冒頭で書いた通り、ベネズエラは3ボランチ気味の布陣を取っていた。そしてそれはつまり、ピッチ中央のスペースを埋める一方で、両サイドにスペースが生まれがちになるという事をも意味している。この日の日本代表の先発のピッチに立った中盤の4選手は4選手とも中でプレーするタイプの選手であり、ボールはピッチ中央へと集まりがちになる。そしてそのベネズエラの中盤には3枚のボランチが控えていた。

状況を判断し、自分たちから変化する事を待ち続けた岡田監督は、結局しびれを切らし「中盤が中に入りすぎるならサイドバックを高い位置にもっていってはどうか」と選手に伝える。そしてそれによって前半の終盤に両サイドバックが高い位置を取り、CBの2枚が横に広がって稲本潤一(川崎F)が中央のスペースに落ちるという布陣を形成する事となった。

そしてこの対応については2つの視点からの評価が可能であろう。一つは、中央の守備が固い相手との対戦においては、両サイドバックが高い位置をとってもOKなんだという事を実戦の場で認識したという点。そしてもう一つは、ベンチからの指示がなければ日本代表はなかなか動けない現状があるという点である。

06年のワールドカップドイツ大会の反省の中に、選手たちがピッチ上で自律的に状況を判断し、試合に対応できなければならないというものがある。いわゆるコンセプトが浸透してきた中、岡田監督はそうした試合中の自律的な対応を求め、結果的に選手たちはこの試合のピッチ上でそれを発揮することができなかった。まだ応用力を問い始めた段階ではあるが、その点は少々残念だった。

ただその一方で、選手個々のプレーに関しては前向きな評価が可能な選手が出ている。例えば、新戦力の小笠原満男(鹿島)のプレーには及第点が与えられよう。フィジカルの強さを生かしたボールキープ能力をベースとし、適切にパスを振り分けて試合を組み立てた点。そして強烈な枠内シュートを2本放った点など、09年シーズンのJリーグMVPの実績に恥ないプレーを見せていた。

その一方で、体調不良の内田篤人(鹿島)に代わり、先発のピッチに立った徳永悠平(F東京)は、ポジショニングの悪さや攻撃で思うような力を発揮できておらず、不満の残る内容となった。平山相太(F東京)に関しても岡田監督は「正直期待以上のプレーをしてくれました」と賞賛していたが、放ったシュートは1本のみで、流れを変えるほどのインパクトを与える事ができなかった。平山はイエメン戦での衝撃的な活躍を乗り越える事は全くできなかった。

ベネズエラが彼らの持ちうる力を最大限に発揮して守備的な戦いを貫き、アウェイで勝点1(引き分け)を手にした一方、応用力が試された試合で日本代表は岡田監督の指示を待たねばならなかった。世界のベスト4に入るには、基本的な戦いのレベルアップとともに、自律的に状況判断し、戦術を変化させて行く応用力が必要であると、そんな事を改めて感じさせられた一戦だった。

世界のベスト4に入るために到達すべき場所は現時点では遥か彼方にある。しかし、そこまでの距離が遠いという事を感覚的にでもつかめたという点で、この試合には意味があったと言える。そしてこのベネズエラ戦であぶり出された問題点を修正するための格好の舞台が、すぐに待っている。日本代表はここでメンバーを23人に絞り、東アジア選手権の戦いへと突入する。

以上

2010.02.03 Reported by 江藤高志
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