今年もJ's GOALでは、全クラブのキャンプ取材を実施します。
レポートに加えて、動画でトレーニングの様子や、選手の生の声をお届けする予定です。監督はもちろん、気になるあの新加入選手のインタビューなど、2月下旬までの間、取材をしていきますので、お楽しみに！
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今日は、広島の宮崎キャンプが始まって初めての休日。「選手たちの頑張りがこの休みを勝ち取った」とペトロヴィッチ監督が語るように、18日のキャンプイン以降の紫の戦士たちは、全力を尽くして毎日の二部練習に立ち向かった。

シーズンオフで身体を休めた後、戦う身体に戻すためにはまず、有酸素系のトレーニングから入って心肺機能を高める必要がある。だが広島の場合、その有酸素系の練習メニューはキャンプではほとんどない。11日のチーム始動以来、ほとんどはボールを使ったトレーニングが中心。宮崎キャンプに入ってからは、無酸素系のダッシュがメインとなるインターバル走のトレーニングが一度だけで、あとは常にボールを動かすメニューだ。

実は広島の選手たちには、それぞれ個別に練習メニューが渡されており、オフシーズンはそのメニューをこなさなければならないのが約束事。キャンプの練習も、全員がオフに準備してきたことを前提として、始動日からいきなり実戦的なトレーニングが行われる。もちろん、そのゲーム形式の練習にも「有酸素的」「無酸素的」なフィジカルメニューの要素も入ってはいるが、いずれにしてもオフの間にしっかりと準備していなければ、ついていくことすら難しい。

川崎Ｆから移籍してきた山岸智も「広島の練習はハードですね」と苦笑い。ただ、彼はさすがに経験のある選手だ。激しい練習にしっかりと耐えぬき、現時点で右サイドのポジションを確保、21日に行われた浦和との練習試合でもトップチームの一員として出場した。
当初はコンビネーションがなかなか合わなかったものの、ハーフタイムに森崎和幸と話をしたことでプレーを修正。ＧＫとの１対１など、決定的な場面を何度か演出し、初めての対外試合でまずまずの結果を残した。

この日、素晴らしい反応スピードでエジミウソンのシュートをはじき出した西川周作（大分から移籍）と共にペトロヴィッチ監督の新戦力への評価は高い。さらに天皇杯の決勝に出場した関係で18日まで休養を与えられていた山崎雅人（Ｇ大阪より移籍）も21日の午前練習から合流。紅白戦でさっそく1ゴールを決めるなど、その能力の一端をかいま見せ、「素晴らしい選手たちが広島に来てくれた」と指揮官は相好を崩した。

ただ、不安要素も、もちろんある。昨年の怪我の影響でストヤノフと森脇良太は未だにチーム練習に合流できず、別メニュー調整が続いている。膝の手術を行った青山敏弘は開幕には間に合わないし、ミキッチもインフルエンザのために出遅れてしまった。昨年末、オーバートレーニング症候群からの復帰劇をとげた森崎浩司も、最終節で傷めた膝の故障のため、まだまだ万全ではない。西川周作にしても、佐藤寿人と共に日本代表として東アジア選手権に参戦する可能性が濃厚で、広島独特のコンビネーション構築のための時間が少ない。

2月24日に迎えるAFCチャンピオンズリーグの開幕戦に照準を合わせ、キャンプのスケジュールを前倒しした広島。27日まで続く宮崎ではボール感覚やコンビプレーの確認などに焦点をあて、「自分たちのサッカーを身体が思い出すこと」（森崎和）を重視。本格的な戦術的トレーニングは、1月30日に出発するトルコキャンプでの欧州強豪クラブとの激突の中で行っていく予定だ。別メニュー組もトルコでは合流する可能性が大で、そうなればチーム内に激しいポジション争いが勃発する。それによって生まれるエネルギーこそ、広島が昨季以上に躍進する原動力となるだろう。

以上

★J’s GOALでは2010も全クラブキャンプ取材を実施します！

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■2010シーズンの幕開け！FUJI XEROX SUPER CUP 2010
2月27日（土）13：35／国立
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2010.01.22 Reported by 中野和也