今年もJ's GOALでは、全クラブのキャンプ取材を実施します。
レポートに加えて、動画でトレーニングの様子や、選手の生の声をお届けする予定です。監督はもちろん、気になるあの新加入選手のインタビューなど、2月下旬までの間、取材をしていきますので、お楽しみに！
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●1月15日（金）水戸＠大洗

ここはハワイか、サイパンか。

いやいや、ここは茨城県が誇るグレートビーチ・大洗海岸である。
　幕末、水戸藩の人たちはここから外国船が往来している姿を見て、脅威を覚え、そして攘夷思想を抱いた。そこから明治維新という『日本の夜明け』が導かれることとなったのだ。

　「（資金的に）満足にキャンプが行えないなら、移動せずにみっちりやった方がいい」という木山隆之監督の考えのもと、水戸は昨年からキャンプを行わないこととなった。その代わり、水戸から約30分で行ける大洗海岸でのトレーニングを取り入れることとなり、今年も始動から2日目で砂浜トレーニングが行われた。『日本の夜明け』を導いた土地で、水戸は今年も新たな野望を抱いて第一歩を踏み出した。

　ただ、芝の上よりもはるかに負荷がかかる砂浜でのトレーニング。
昨年も選手たちにとってかなりつらかったらしく、「オフ期間中、砂浜トレーニングがあることを思い出すと、休んでいられなかった」と、前日にDF大和田真史は苦笑いをしていた。今年はどんなトレーニングになるのか。選手たちは戦々恐々の表情で海岸に姿を現した。

　この日のメニューは30分走とビーチサッカーバレー。30分走では新加入のMF村田翔と、MF森村昂太がトップを競い、並外れたスタミナを披露。今季2人が中盤で労を惜しまぬ動きを見せてくれることを予感させてくれた。
しかし、2人が走るコースを間違えてしまうというハプニングが発生。本来は行きは海から遠い方を走り、帰りは海の近くを走って帰ってくる予定だったところを、2人が帰りも海から遠い方を走ってきてしまい、それにつられた他の選手たちもそのコースで戻ってきてしまったのだ。
結局、メディア陣は海沿いを走る姿を写真でおさめることができず、海沿いで待機していた給水役の清水マネージャーも渋々引き上げることとなってしまった。

　30分走が終わると、すぐにサッカーバレーがスタート。足に乳酸がたまった状態ながらも選手たちは楽しげにプレー。あちこちから大きな笑い声が起きていた。そして、GK本間幸司組が見事優勝を飾り、木山監督から大洗名物の「海鮮丼」がおごってもらえる権利を獲得したのである。

　こうして1日目の大洗トレーニングは終了。昨年よりも楽なメニューだったため、選手たちは笑顔を見せながら帰っていったが、木山監督は「これはほんの序の口。これからかなり厳しく追い詰めていきますよ」と笑みを見せながら選手たちにとってこの上なく恐ろしい言葉を放っていた。

　ただ、昨年もこの海岸トレーニングで走り負けない体を作り、そして、第2クール終了時点で5位につけるなど飛躍を遂げたのである。『良薬口に苦し』ではないが、これからはじまる厳しいトレーニングが選手たちの血となり、骨となり、長いシーズンに役立つに違いない。

　大洗の真っ青な空に燦燦と輝くでっかい太陽が、水戸の選手たちを明るく照らしていた。

また新たな1年がはじまる。

以上

2010.1.15　Reported by　佐藤拓也　

★J’s GOALでは2010も全クラブキャンプ取材を実施します！

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