12月5日（土）J2 第51節 富山 vs 岡山（12:30KICK OFF/富山）
スカパー！生中継 Ch184 12:20〜（解説：安井孝志、実況：牧内直哉、リポーター：豊田麻衣）
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富山、岡山ともに初めてのＪ２リーグ戦を戦い抜いた。初ゴールと初勝利の感激、点を取れないもどかしさ、勝てないことへの苛立ち…、選手とサポーターは喜怒哀楽をともにして歴史を刻んだ。最終戦にはそれぞれに想いがあり、かけるものがある。目指すは勝利だ。

開幕から健闘を続けた富山は「Ｊ２レベルへの調和」という１年目の目標をほぼ達した。心残りは第３クールに入ってからの苦戦（２勝４分１０敗）で、４カ月、ホームで白星を挙げていない。今季の評価を揺るがぬものにするために勝利がほしい。
３日には、副島博志ヘッドコーチやDF小田切道治ら今季限りでチームを去る選手、スタッフが発表された。チームは一期一会のもの。集大成を披露したい。

すべての選手が初めてか、久しぶりのＪリーグだった。「組織で戦う」という明確な方針のもと、日々の練習のテーマは常に「判断とパスのスピードアップ」だった。副島ヘッドコーチの指示のもと、狭いエリアでショートパスをつなぐトレーニングを続けた。桜が咲き、蝉が鳴き、芝が枯れても、練習メニューと選手の取り組む姿勢は一貫していた。
そして、カラーコーンを１歩分だけ移動してコートを狭め、ディフェンス側の人数を増やし、難易度を上げていった。副島ヘッドコーチは選手の成長ぶりを実感している。そのうえで、「プロとして結果に反映させていかなければならない」と語った。

富山は連続８試合、岡山は同１０試合にわたり勝利がないが、ともに最終節の結果次第で順位を１つ上げる可能性を残す。富山は中位グループ入りの１２位、岡山は最下位脱出の１７位を目指す。
今季の対戦成績は１勝１敗。天皇杯２回戦でも対戦し、PK戦の末に富山が勝利した。富山の楚輪博監督は「岡山は一緒に昇格して切磋琢磨してきたライバル。最終戦に対戦することにも巡り合わせを感じる。『どちらが成長したのか』が試される。勝って決着をつけたい」と話した。

岡山にとっては我慢のシーズンだった。８試合連続無得点や８連敗など長いトンネルも経験した。その中での懸命な戦いは、サポーターとの絆を深めた。ホーム最終戦の前節は、昇格のかかる甲府に堂々と立ち向かい、観衆８５３２人を沸かせた。ホームゲームの平均入場者数は６１６２人で、Ｊ２リーグ戦でも７番目に多い。礎は築かれた。中国リーグ時代から指揮を執ってきた手塚聡監督のラストゲームを飾りたい。
１年前の１１月３０日、ＪＦＬ最終戦でも顔を合わせた両チーム。当時は、サポーター同士が「一緒にＪ２」と連呼してライバル物語はスタートした。同じように２００９年１２月５日が、スタジアムに集う選手、サポーターにとって特別な日になることを期待したい。

以上

2009.12.04 Reported by 赤壁逸朗