スカパー!生中継 Ch179 16:50〜(解説:佐藤慶明、実況:川崎祐一、リポーター:守口香織)
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★スカパー!×ELGOLAZO×J's GOAL J2シーズン表彰2009★
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■リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第47節 | 第48節 | 第49節 | 第50節 | 第51節 | |
甲府 | ○2-1 鳥栖 | ●1-2 福岡 | ●2-3 湘南 | 岡山 | 熊本 |
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Jリーグ元年の岡山にとって、開幕戦でぶつかった甲府は、とりわけ印象深い。今年3月8日、バスから桃太郎スタジアムへと降り立った甲府の選手は、まず、やたらとかっこよかった。「これがJの風格か」と、圧倒されたのは筆者だけではなかったはずだ。しかしゲームとしては、前半ロスタイムに退場者を出した岡山が、甲府の攻撃を凌いでスコアレスドローとする気合いを見せた。そして第2クール。8月16日、小瀬で行なわれた第34節は、西野晃平、青木孝太のゴールで岡山が無失点の勝利。この時、甲府は3位、岡山は16位だった。そして、今節である。
いうまでもなく現在の甲府は、J1昇格を懸けて闘っているチームだ。前節、3位湘南との直接対決では、2点先制されながら追いついたが、後半ロスタイムの失点で敗けを喫した。甲府が昇格に向けて邁進した第45節までの4連勝と、それ以降の足踏み(横浜FCに負け、鳥栖に勝ち、福岡に負けている)を考えると、いったんゼロの気持ちになるという意味で、湘南に敗れたことは「荒療治だった」と後日思えるかもしれない。
「昇格が懸かっているチームと最後のホーム戦でやれるのは楽しみです」と言うのは、保坂一成。昨季まで甲府に在籍していた彼は、「出来るだけサイドに出して、そこから守備にはめていきたい。相手は中盤の人数が多く、前節は健太郎(林)君が起点になっていたので、そこを抑えながら、一番最初のディフェンダーとして限定していきたい」と話す。
甲府の今節の出場停止選手は、秋本倫孝、山本英臣、吉田豊。守備の要を欠く甲府に対する、サイドの攻撃について尋ねると、「どっちかっていうとサイドの守備ですね」と小林優希は答えた。「ビルドアップの足元が巧いので、いかにサイドに追い込むか。サイドハーフ、サイドバックの攻防で先手が取れれば、いい流れで進められる」。甲府の選手個々の技術の高さは絶対的だが、つないでくる分、プレスは掛けやすい。
とはいえ、「甲府はカウンターでも点を取り、長いボールも結構使ってくる。スピード、パワー、高さのある金信泳も脅威だが、カウンターを喰らって、マラニョンがゴールに向かってドリブルしてくる回数が多くなると苦しくなる。攻める時間帯のリスクマネージメントも重要」と岡山の指揮官は意識づける。
その手塚聡監督の勇退が発表されたのは11月24日のことだった。07年、ファジアーノ岡山の監督に就任し、わずか3年で地域リーグからJFL、J2へとチームを導いた手塚監督に対して、「いいゲームをするのは僕らの意地です。いっぱい迷惑をかけたから最後ぐらい、監督の思い通りのゲームをしたい」。こう話す小林優の言葉が、選手全員の気持ちだ。
岡山も甲府も、気持ちはゼロ地点へと戻っていく。甲府は、この試合を弾みにして昇格を決めるのか。岡山はゲーム終了後の手塚監督退任セレモニーを、どんな気持ちで行うのか。すがすがしい風の吹くステージが今整って、両チームの選手を待ち受けている。
以上
2009.11.27 Reported by 尾原千明