11月21日（土） 2009 J1リーグ戦 第32節
神戸 2 - 2 横浜FM　（17:04／ホムスタ／11,553人）
得点者：4' 渡邉千真（横浜FM）、15' 狩野健太（横浜FM）、28' 茂木弘人（神戸）、51' 大久保嘉人（神戸）
スカパー！再放送 Ch185 11/23（月）05:00〜（解説：山野孝義、実況：寺西裕一、リポーター：林智美）
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残留争いの最中、『神戸vs横浜FM』戦より3時間早くキックオフを迎えた『新潟ｖｓ柏』の一戦で、柏が勝利し、勝点を33に伸ばしていたことを踏まえても、この一戦がいかに大事なものであるかは、神戸選手の誰もが理解していたはずだ。いや、試合後の選手のコメントを聞く限り、間違いないだろう。
だが試合は、そうした思いとは裏腹に、神戸にとっては、ここ最近の試合でも一番といっていいほどの、悪い立ち上がりになる。アウェイといえども、立ち上がりからしっかりとプレスをかける中で攻勢に出た横浜FMに対し、神戸は前線からのプレッシャーもかからず、１対1でも簡単に競り負け、ゴール前でも横浜FMの攻撃のキーマンたちを次々にフリーにしてしまう。となれば、立ち上がりの4分に、横浜FMの右サイドバック、MF田中裕介のクロスに頭であわせたFW渡邉千真に、J1リーグにおけるルーキーのゴール記録を更新する先制弾を叩き込まれたのも、15分にMF狩野健太に追加点を奪われたのも、自らが招いた失点と言っても過言ではないだろう。代表戦から戻ったばかりのMF金南一、FW大久保嘉人がベンチスタートになったことで、代わってピッチに立った選手にとっては自らをアピールするチャンスだったはずだが、残念ながらその気迫は感じられなかった。

その状況に手を打とうと、早々に三浦俊也監督が動き、27分にはFW岸田裕樹に代えて、MF金を投入。人の配置を少し変えて、反撃に出る。すると28分。MF宮本恒靖が中盤でボールを奪うとすかさず前線のスペースへ。そのボールに合わせて走り込んだFW茂木弘人が落ち着いて決めて1-2。
MF金がボランチに入り、攻守にボールが収まるようになったことで、全体が落ち着きを取り戻した神戸は徐々に、ペースを掴んでいく。対する横浜FMも、立ち上がりに比べるとやや押し込まれる時間も増えたものの、あくまで前がかりの戦いを続ける中で好機をうかがう。42分にはFW渡邉のスルーパスにうまく合わせたMF狩野がゴール前でフリーになるビッグチャンスを迎えるが、神戸GK榎本達也が好セーブ。結局、前半は1-2で折り返す。

1点を追いかける神戸は後半、スタートからMF田中英雄に代えてFW大久保を投入。2トップの一角にFW大久保を据え、前半は2トップに入っていたFW吉田孝行を右の攻撃的MFに下げて反撃を開始。開始早々、左サイドのDF松岡亮輔のクロスに合わせたFW茂木のヘッドは枠をとらえられなかったが、前半とは一転、集中した立ち上がりをみせた神戸がペースを握る。

試合を振り出しに戻す同点弾は51分。DF宮本から縦に出たボールをMF茂木が受け、中央のスペースへ。走り込んだFW大久保が右足で、7試合ぶりとなるゴールを叩き込み2-2。ホームサポーターの前で喜びを爆発させたFW大久保に、スタジアム全体が大いに盛り上がりをみせる。対する横浜FMも、好機こそなかなか見出せないものの「前へ」の意識が感じられる中、攻守に連動しながら神戸ゴールを目指すが、なかなかフィニッシュを打ち切れない。何とか状況を打破しようと選手の顔ぶれを代えても、大きな変化はみられず。神戸守備陣の堅守もあって、なかなかフィニッシュを打たせてもらえないまま時間が過ぎていく。
結果、神戸が同点に追いついてからは、一進一退の攻防が続いたものの、両者ともに『3点目』を奪えないまま、3分のロスタイムに突入。そのロスタイムには、神戸はFW茂木が、横浜FMはFW渡邉がゴール前でチャンスを迎えるが、放ったシュートはともに大きくバーを越えてゴールにはならず。2-2のまま、試合終了を告げるホイッスルがスタジアムに鳴り響いた。

以上

2009.11.22 Reported by 高村美砂