スカパー!生中継 Ch181 16:20〜(解説:外池大亮/菅野将晃、実況:吉岡秀樹、リポーター:難波紀伝/児玉美保)
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★スカパー!×ELGOLAZO×J's GOAL J2シーズン表彰2009★
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■リーグ戦上位クラブ 直近3節の試合結果と次節対戦相手
第46節 | 第47節 | 第48節 | 第49節 | 第50節 | |
甲府 | ●0-1 横浜FC | ○2-1 鳥栖 | ●1-2 福岡 | 湘南 | 岡山 |
湘南 | ○1-0 鳥栖 | ●0-1 熊本 | △2-2 東京V | 甲府 | 草津 |
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☆甲府側プレビューはこちら
前節の結果をもって、両者は勝点91で並んだ。得失点差わずか1で、湘南が3位、甲府が4位につけている。残り3試合、今節の直接対決は、言わずもがなの大一番である。
「先制点はひとつのポイントです」そう語るのは、日ごろから先制ゴールを自身に課している中村祐也だ。
「ただ、点を取ったあとも大事です。チームとしての課題でもある。1点では追いつかれると思えばもう1点取りにいく。そういう気持ちと姿勢が大切です」
甲府を平塚に迎えた第2クールの対戦で、中村は先制ゴールを決めている。湘南はさらにアジエルがコーナーキックから追加点を挙げ、相手の追撃も振り切って勝利した。逆に第1クールの小瀬では、湘南がカウンターを交えた甲府のサイド攻撃にしっかりと対応するも、ふたりの退場者を出し、終盤のコーナーキックによる一発に沈んでいる。
週末に向け、臼井幸平もまた中村と同様に語った。
「相手を突き放すつもりでやらなければいけない。受け身にならず、チャレンジし続ける。それは僕らが今季ずっとやってきたことです。どんどん点を取りにいき、シュートを何本外そうが諦めずにやり続ける。いままでどおりに闘って、いままでどおり勝てればいい」
一方の甲府は、DFラインを支えてきたダニエルと山本英臣が出場停止となる。他方、前に目を向けると、つねにDFの裏を狙っているマラニョンや金信泳がいる。第2クールの対戦でも、大西容平を加えた3トップがDFの裏を徹底的に狙ってきた戦いぶりが記憶に新しい。彼らの動きは偶発的にボールがこぼれただけでも決定機まで持ち込みそうな脅威を感じさせ、そしてつねに裏を狙っている以上、それはもはや偶発ではなくなる。すなわち、湘南に寸分の隙も許されない。
最終ラインを支えるジャーンは言う。
「甲府には素晴らしいFWが揃っている。彼らに仕事をするスペースを与えないことですね。もちろんセットプレーも攻守に渡って重要になる。自分たちのできるかぎりのプレーをしなければならないし、そのための準備を我々はしてきました。強い気持ちでピッチに入ります」
ところで、大一番だ、大一番だと周りで騒いでいたら、たしなめるように指揮官が語ったものである。
「これで決まるわけじゃない。俺にとっては小一番だな」
実際、「どちらが昇格に一歩近づけるかという大事な試合。相手のサポーターが多いと燃えます」と村松大輔が口にしたように、あるいは中村が、「こんな高揚感は初めて。でも僕は、気持ちが高まれば高まるほどいいんです」と話したように、個々の表情やチーム全体から浮かぶのは、張り詰めた切迫感ではなく、程よいテンションである。たかぶる気持ちは当然あろう。しかし、彼ら自身はつねと変わらない。
指揮官は、涼しい顔でさらに言葉を続ける。
「小瀬には独特の雰囲気があるが、そのなかでしっかりと地に足を据え、徹底して自分たちのサッカーができるかどうか。90分、平常心をもって、トレーニングでやってきたことを出す。ベストを尽くして闘うのみだ」
否が応でもたかぶる一番であることは言うまでもない。そのうえで、残り3試合にして昇格争いの真っ只中にいる者にしか味わえない空気を、興奮と緊張、武者震いを、小瀬の大アウェイ感をも、存分に楽しみたい。
以上
2009.11.20 Reported by 隈元大吾