11月14日（土）第89回天皇杯4回戦 鳥栖 vs Ｇ大阪（13:00KICK OFF/広島ビ）
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☆天皇杯特集
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『カップウィナー』
美しい響きを持つ称号である。
この称号を得ることができるのは、Ｊリーグヤマザキナビスコカップと天皇杯全日本サッカー選手権（以下 天皇杯）の２つしかない。天皇杯でこの称号を得たチームは、その年のアジアサッカー連盟（ＡＦＣ）が主催する、クラブチームによるサッカーの国際大会であるＡＦＣチャンピオンズリーグ（略称ＡＣＬ）に参加する資格を得る。さらに同大会に優勝したクラブには、同年度の１２月に開催されるＦＩＦＡクラブワールドカップへの出場権が与えられる。勝利を得るだけでなく、栄誉も得ることができる大会なのである。日本国内のサッカーチームがこの称号を求めて、力の限りを出し切って戦ってきた。この称号を得る権利を有しているのは、３回戦が終了して１６チームとなった。そして、４回戦８試合で半分の８チームに絞られる。１４日には広島ビッグアーチで、鳥栖対Ｇ大阪のＪリーグクラブ同士の戦いが行われる。

鳥栖は、３年連続でＪ１のクラブを破っている。２００７年には、４回戦で新潟を３−２の逆転で勝利した。５回戦でＦ東京に敗れはしたものの前半９分に先制点をあげてＪ１クラブを慌てさせた。２００８年には、４回戦で大分を２−０で、５回戦では神戸を５−２と力でねじ伏せ、準々決勝まで駒を進めた。この準々決勝は、鳥栖のホームグランド・ベストアメニティスタジアムで横浜FM相手に行われ、２３分に先制し多くのサポーターとサッカーファンを熱狂させた。そして、今年も３回戦で広島相手に、一度は逆転されながらも終了間際のロスタイムに決勝点をあげて４回戦に勝ち残っている。３年連続でＪ１クラブを破り、トーナメント戦の面白さを見せてくれた鳥栖。鳥栖のサッカーがＪ１のクラブ相手でも十分に通用することを証明してくれた。

対するＧ大阪は、第８８回天皇杯の優勝チームである。天皇杯を制しただけでなく、前述したＡＣＬでも優勝し、アジア地域最強クラブチームの栄誉を得たチームである。第８６回大会では、決勝で終了間際の失点で０−１と敗れて準優勝の悔し涙を味わっている。天皇杯では、必ず上位に名を連ね強豪チームとしての地位を確立しているチームである。そして、第８９回でも優勝を目指して順当に勝ち進んできている。今年は、２回戦と３回戦では大学生チーム相手だったので、４回戦で初めてＪリーグのチームと対戦することになる。

どちらも、栄えある称号を目指して戦うので、白熱した試合になることは間違いない。しかし、両チームとも中盤に不安な要素を抱えてもいる。鳥栖は、ホベルトがＪリーグディビジョン２第４８節 対徳島戦での退場による出場停止処分の消化のため出場できない。Ｇ大阪も１１月１４日の国際親善試合（対南アフリカ戦）のため遠藤保仁が代表に招集されチームを離れている。どちらも、中盤の要として攻守に渡って活躍していただけに不安は隠せない。残ったボランチ、高地系治（鳥栖）と橋本英郎（Ｇ大阪）の出来と代わりに入った選手の機能具合で試合の流れは大きく左右されるであろう。どちらのチームもリーグ戦では得点力で守備を補っている観がある。強力なＦＷと得点に至るまでの形をハッキリと持ったチーム同士なので、早く流れを掴んだ方が優位に試合を進めるに違いない。鳥栖はハーフナーマイク、Ｇ大阪はペドロ・ジュニオールとルーカスの両ＦＷにできるだけ多くボールを集めたい。負ければ終わってしまうトーナメント戦でもあり、難しい試合になるほど、先制点の持つ意味の重みは増してくるのだから・・・。

『カップウィナー』
なんと、美しい響きを持つ称号だろう。
敗者は、この称号を名乗ることはできない。名乗ることができるのは、勝者のみだけである。
サッカーに関わったものなら誰もが一度は憧れ、それを目指し戦ったことがあるだろう。
そして、その栄冠を掴むのはほんの一握りの者にだけに限られる。
しかし、その称号は１年間しか名乗ることができない。
だからこそ、価値があり誰もが目指すものである。
サッカーを愛し、サッカーに真面目に向き合い、サッカーを楽しむものだけが真の『カップウィナー』になれるのである。
サッカーの魅力は尽きることがない。

以上

2009.11.13 Reported by サカクラゲン