「水戸市で試合をやってないから応援できないよな」
私が水戸の取材を始めた当時、タクシーの運転手さんから聞いた言葉だ。
ホームスタジアムとして使用してきた笠松運動公園陸上競技場は水戸市ではなく、茨城県那珂市にある。これまで水戸市内にJリーグの基準を満たすスタジアムがなかったため、水戸という名を背負いながらも水戸市外でホームゲームを開催せざるを得なかったのだ。
しかし、やっと水戸市内にJリーグ基準を満たすスタジアムが誕生した。ケーズデンキスタジアム水戸だ。水戸市立競技場(市陸)の老朽化に伴い改築され、生まれ変わった同スタジアムがいよいよ今月8日仙台戦でサッカーにおける幕開けを迎える。水戸に携わるすべての人が心待ちにしていた瞬間がついに訪れるのだ。
チケットの売り上げは好調で、「9千人はかたいですね」とクラブ関係者が言うように、これまでの最多入場者数の9,482人を上回ることは確実。当日券も販売しない予定ということで、水戸クラブ史上はじめて満員のスタジアムで行われることとなりそうとのこと。これまで観客動員に泣かされてきた水戸だけに、そんなスタジアムの情景を思い浮かべるだけで感慨深い思いにさせられる。
写真は06年10月に撮影した改築前の市陸である。さびれた階段、汚れた椅子、狭いロッカールーム。かつて年間数試合はこの会場を使っていたが、ロッカールームが狭すぎて、ロッカーを出して並べてロッカールームを作っていたのを見て衝撃を受けた覚えがある。06年にこのスタジアムで試合をした元日本代表選手が「こういう環境でもう2度と試合をしないためにも昇格をしなければならない」と話していたのが思い出される。そんなスタジアムが、どんな変貌を遂げているのか楽しみでしょうがない。
実はまだケーズデンキスタジアム水戸を生で見たことがない。何度も見に行こうと思ったが、足を止めた。やっぱり試合当日まで驚き取っておこうと思ったのだ。仙台戦当日、ウキウキしながら会場に行き、スタジアムを見るなり『あんぐり』したいと思っている。
「いろんな人がこの試合を盛り上げようとしてくれている。その思いに応えたい」と木山隆之監督はこの一戦に向け、熱い思いを語った。仙台も昇格をかけた大一番だが、水戸にとっても新スタジアムのオープニングマッチという大一番。「絶対に勝たないといけない」と話す荒田智之をはじめ、選手たちの士気もすこぶる高い。激戦は必至だ。新スタジアムの船出にふさわしい熱く激しい攻防が繰り広げられるに違いない。
以上
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2009.11.05 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】水戸:いよいよ新スタジアム、オープン!(09.11.05)
(C)佐藤拓也
改築前の水戸市立競技場(市陸)
(C)佐藤拓也
(C)佐藤拓也
改装前のスタジアム内部は老朽化が目立っていた
(C)佐藤拓也
狭かったロッカールーム。ケーズデンキスタジアム水戸ではどんなふうに変わっているだろうか
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