10月31日(土)第89回天皇杯3回戦 京都 vs 甲府(13:00KICK OFF/西京極)
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天皇杯3回戦、西京極ではJ1京都と、J1への昇格争いを演じるJ2甲府(47節終了時3位)が激突する。
甲府は、46節(10/21)の横浜FC戦(●0-1)で敗れてはいるが、それまで4連勝。敗戦後の47節(10/25)の鳥栖戦でも、同点にされ、なお、すがりつく相手に追加点を奪う粘り強さを見せており(○2-1)、昇格に向け確かな戦いができていると言えよう。
京都は、リーグ戦30節大分戦で李正秀が警告2枚で1試合の間に退場したため、天皇杯3回戦は出場停止となる。安藤淳も右足甲の回復がまだの状態。角田誠が戻ってくるためボランチ要因の心配はないが、布陣がどの様になるか、毎回のことだが、当日明らかになる。
京都と甲府との一戦、この試合のポイントを3つに絞り挙げてみてみたい。1つ目のポイントはフォーメーションだ。
甲府は3バックに1枚のアンカー(林健太郎)が基本形だ。これに対し京都は、攻撃でディエゴ、中山博貴の中盤でのつなぎで抜群の冴えを見せている。30節の大分戦でも前半に、シンプルにつないで中山からのダイレクトパスで柳沢敦のボレーシュートを引き出した。中盤の核・ディエゴは「中盤の選手のクオリティは高いし、それをゲームで生かそうとしている。距離感もいいし、最近は攻撃の選択肢が多くなっている。間違いなく今の戦いは自分に合っている」と自信を見せており。さらにFWの林丈統。大分戦で自身の武器であるスピードを生かし、裏を突いて得点を挙げた。加藤久監督は「林の抜けだす動きを警戒しラインを下げることもあるでしょう」と林の得点が相手に与える影響を示唆した。
この京都の攻撃を考えれば、甲府がどう守備陣形を合わせてくるのか気になるところ。47節の鳥栖戦では藤田健も守備的MFに据えた。今回はどう守備を敷くか、安間貴義監督の判断に注目したい。
2つ目のポイントは戦い方だ。京都、甲府共に守備から攻撃への切り替えの速さを武器にするチーム。甲府は、FWマラニョンにシンプルに放り込む攻撃も見せるが、基本は奪ってから早く攻める形をとる。FWの下に藤田と大西容平を置く布陣をみても相手陣内で強いプレッシャーをかけてミスを誘いショートカウンターを仕掛けてくることは分かる。
だが、京都もカウンターが主体のチーム。京都の場合はロングカウンター。自陣でマイボールにすると一気に加速。ワンタッチで1つつないでリズムを作ると、マークを外し加速したプレイヤーへ。その後を何人もの選手がゴール前になだれ込む、という形だ。
つまり、どの位置で守備をするか、がポイントとなる。高い位置から守備を行う甲府、前がかりの相手の出鼻を挫く京都。守備から攻撃への展開は見応えのあるものになるだろう。
3つ目のポイントは、やはりメンタル。「トーナメントだから必ず決着する訳です。どんな形であろうとかならず勝敗が出る。例え2点差以上つけても、それは次の試合には全く関係ない。つまり、どんな格好であろうとも次のラウンドに進むことが一番重要なんです」と加藤監督はトーナメント戦の要訣を話した。
京都はリーグ戦ここまで連勝のないチームだ。天皇杯で元日決勝を迎えようと思えば、この試合含めトーナメントで4連勝しなければならない。可能なのか? という問いに加藤監督が答えたものだ。
甲府も、昇格争いで消耗している部分は少なくないだろう。しかし、まず目の前の試合に対し「どんな格好であろうとも次のラウンドに進む」という気持ちしかないはずだ。PK戦まで用意されている天皇杯ならではの気持ちのぶつかり合いはリーグとは違った緊張感がある。これこそが天皇杯の醍醐味だろう。
真剣勝負の一発勝負。ここではどんなことでも起こり得ます。J1だから、J2だからという雑念を持たずに両者の熱い戦いを観に、西京極へ是非足をお運びください。
京都にとっては天皇杯最後の西京極。選手たちの「日本一」への強い気持ちをホームで観られるのはこれが最後。是非是非、熱い声援をお願いします。
以上
2009.10.30 Reported by 武田賢宗
J’s GOALニュース
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