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【J2:第47節 岐阜 vs 愛媛】レポート:またしても顔を出した2つの問題。岐阜よ、問題解決への機運をさらに高めよ!(09.10.26)

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10月25日(日) 2009 J2リーグ戦 第47節
岐阜 3 - 3 愛媛 (12:33/長良川/7,816人)
得点者:17' 内村圭宏(愛媛)、44' 西川優大(岐阜)、55' ジョジマール(愛媛)、57' 佐藤洸一(岐阜)、63' 橋本卓(岐阜)、89' 内村圭宏(愛媛)
スカパー!再放送 Ch181 10/26(月)19:30〜(解説:大野聖吾、実況:加藤義久、リポーター:若山貴嗣)
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プレビューでも書いたように、この試合のポイントは、いかに相手の3トップと2シャドーに対して、バランスよくディフェンスをするかにあった。特に岐阜は田中秀人と吉本一謙の両センターバックが揃って出場停止のため、この試合は実に32試合ぶりに復帰した川島眞也と、菊池完のセンターバックコンビに。長く戦列を離れていた川島と、リーグでのセンターバック出場は39節の富山戦以来となる菊池とあって、どうしてもブランクによる連携面での不安を抱えていた。相手が前述したように、バルバリッチ監督が就任してから、頻繁にポジションチェンジを行う流動的な3トップ、繋ぎ役の永井俊太とセカンドストライカータイプの赤井秀一の2シャドーという、個性の違うアタッカー陣を駆使して攻撃を組み立ててくるだけに、マークの受け渡し、ギャップのケアなどは細心の注意を払わなければならなかった。
しかし、17分に浴びた先制弾は、完全に連携面のズレを突かれて許してしまった。中央で永井から左のジョジマールにボールが渡った瞬間、岐阜のDFラインのチャレンジ&カバーが明確にならず、食いつく選手、ステイする選手のポジションがバラバラになってしまった。センターバック、サイドバック、ボランチの間に大きなギャップが生まれた瞬間、ジョジマールからこのギャップに飛び込んだFW内村圭宏に絶妙なパスが通る。内村はそのまま縦に突破し、先制弾を叩き込んだ。

岐阜が抱える不安要素が最悪の形で顔を出してしまった。しかし、これで試合の流れは愛媛の下に転がるかと思われたが、この日の岐阜からは『勝ちたい』という気持ちがヒシヒシと伝わってきた。失点直後こそ、DFラインがばたついたが、徐々に落ち着きを取り戻すと、「前半の終盤から後半にかけては、徐々にボールがもらい辛くなった。最初は相手も食いついてきたけど、食いついて来なくなってきた」と内村が語ったように、人に付くディフェンスから、相手のフレキシブルな動きに惑わされず、しっかりとブロックを形成してゾーンで守る形に試合の中でシフトしたことで、ようやく岐阜にリズムが生まれるようになった。

前半ロスタイムにFKからFW西川優大がヘッドで同点ゴールを挙げると、後半立ち上がりから岐阜が攻勢に出る。前半とは打って変わって攻撃がトーンダウンした愛媛は、前半から露呈していたアタッカー陣とディフェンス陣のアンバランスが、より顕著に出るようになってしまった。
55分に右FKからジョジマールが勝ち越し弾を挙げるが、全体的には3シャドーにボールが入った瞬間に、最終ラインからのビルドアップがなく、3トップに連動して前に出た2シャドーの裏に広大なスペースが生まれてしまった。岐阜は後半からスピードがある右サイドバック冨成慎司がセンターバックのギャップと裏のスペースをケアすべく、中に絞ってプレーするようにポジションを修正。よりインターセプトされる場面が増えたことで、愛媛はその広大なスペースを岐阜に有効活用され、徐々に後手に回ってしまう。

岐阜は57分にカウンターからFW佐藤洸一がドリブルでペナルティエリア内に進入し、相手のファールを誘いPKを獲得。これを佐藤自身がきっちりと決めて再び同時に追いつくと、63分には中央のスペースにダイアゴナルで入ったMF嶋田正吾が西川へ繋ぐ。西川はフラットに並んだ相手の4バックのギャップを突いて、右サイドの裏に飛び出したMF橋本卓へスルーパスを送る。これを受けた橋本は見事な切り返しから、逆転ゴールを突き刺した。
この瞬間、7816人もの観衆が詰め掛けた岐阜メモリアルセンター長良川競技場は最高のボルテージに達した。『長良川劇場』の幕が開けたと誰もが思ったが、ここからはここ6試合の低迷振りを象徴するかのような試合展開に。

決定機を作り出すも決めきれず、突き放せないまま時間が続き、試合はロスタイムに突入。すると前回の福岡戦同様に、ゴール前に一瞬のエアポケットが生まれ、永井、DF関根永悟と繋いで、最後は内村に同点弾を浴びた。またしても掴みかけていた勝点を掴み損ねる結果を招いた。このゴールの瞬間、『長良川劇場』は力なく閉演を迎えた―。

「4点目を取れなかったことの方が問題視すべき」と試合後に松永英機監督が語ったが、もちろん追加点を奪えないことも問題だが、やはり試合終盤に失点が多く、2試合連続のロスタイム被弾は問題視しなければならない。今、直面する問題は今解決の糸口を見つけなければ、来季には繋がらない。残り試合は僅かになってきただけに、1試合1試合の持つ意味はより大きくなってくる。目先の目標だけではない、中・長期的なスパンで見ても、今は顕著に出ているこの2つの問題を少しでも修正することに注力しなければならない。
もちろん、今日の試合後の選手、監督のコメントを見ても、修正しようとする機運はあり、この試合でも結果は2つの問題が顔を出す形になったが、気持ちは感じられた。だからこそ、ここでもう一度強調しておかなければならない。勝負の分かれ目、勝負の女神を掴む瞬間を見逃さず、確実に仕留める。危険な時間帯をいなす余裕。力強さと柔軟性が今の岐阜には必要だ。

以上


2009.10.26 Reported by 安藤隆人
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