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【AFCチャンピオンズリーグ アルイテハド vs 名古屋】レポート:アウェイゴール2つを奪うも 敵地でまさかの6失点…。名古屋の決勝進出に黄信号が点る。(09.10.22)

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10月22日(木) AFCチャンピオンズリーグ
アルイテハド 6 - 2 名古屋 (01:50/ジェッダ/18,265人)
得点者:15' ケネディ(名古屋)、26' ハディド(アルイテハド)、34' 中村直志(名古屋)、66' ヌール(アルイテハド)、77' ヌール(アルイテハド)、84' ルチアーノ(アルイテハド)、90+1' ヌール(アルイテハド)、90+3' シェルミッティ(アルイテハド)
■準決勝第2戦:10/28(水)19:00KICK OFF @瑞穂陸
名古屋vsアルイテハド
11/7開催、ACL決勝@国立のチケット情報
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爆竹が鳴り響く観客席に、前日練習の後に刈り込まれたピッチ、そして夜になっても一向に収まることのない暑さと湿気。敵地サウジアラビアに乗り込んだ名古屋を待っていたのは、痛烈なアウェイの洗礼だった。気温は19:50のキックオフ時間を過ぎても30度を下回ることはなく、湿度も肌にまとわりつくような不快さを保ち続けた。18,000人を超えるアルイテハドサポーターを収容したスタンドでは、爆竹のみならず発煙筒も焚かれている。これまで名古屋が戦ってきたAFCチャンピオンズリーグのどの試合にもなかった『完全アウェイ』の雰囲気の中で、ACL準決勝第1戦の火ぶたは切って落とされた。

欠場者続出の名古屋は予想通りに竹内彬がDFライン中央に入り、2トップにケネディとブルザノビッチを組ませてきた。また、10月8日の日本代表戦で負った肋骨骨折から驚異的な回復を見せた玉田圭司がベンチ入り。局面を打開する切り札としてサブに名を連ねた。ボランチの位置には中村直志と吉村圭司を並べ、守備に重きを置いた中盤を構成。現状でのベストメンバーで、アウェイでのアドバンテージ獲得に挑む。

対するアルイテハドは出場停止のベテランセンターバック・タカル(背番号4)の代役に、24歳のアル・シャムラニ(背番号6)を起用。それ以外のメンバーはこちらもベストといえる面子を揃えてきた。システムは変則的な4−3−3。ハディド(背番号12)、ハリリ(背番号14)、アボシュゲイル(背番号8)で構成する中盤の前に、エースのサウジアラビア代表ヌール(背番号18)とチュニジア代表シェルミッティ(背番号27)が2トップのような形で並び、右サイドにモロッコ代表アブシュルアーヌ(背番号11)が張り出すいびつな3トップを形成。左サイドを大きく空ける独特の布陣で、ホームでの大一番に臨んできた。

試合開始から目立ったのはアルイテハドの個人能力の高さだ。開始3分で縦のフィードに抜け出したのはシェルミッティ。これはGK広野耕一が何とか抑えたが、Jリーグでは体感できないスピードには脅威が感じられた。そのほかの選手も軒並み身体能力が高く、DFの対応が試されると思った矢先、結果的に試合の流れを決めた痛恨のプレーが生まれてしまう。前半6分、ペナルティエリア中央へのスルーパスに反応したシェルミッティを竹内が後ろから倒すと、主審は迷わずレッドカードを提示。名古屋は残りのほぼ90分を10人で戦わざるをえなくなり、開始早々にゲームプランの変更を余儀なくされた。

ここで光ったのがストイコビッチ監督の対応だ。すぐさま阿部翔平をセンターバックに、小川佳純を左サイドバックにコンバート。ブルザノビッチとマギヌンをやや中央よりに、中村の位置を上がり目にし、中盤をダイヤモンド型のような形にした。さらにはその後、中村を右サイドに置き、ブルザノビッチをボランチの位置に下げるよう指示。相手が空けている左サイドに田中隼磨と中村という運動量豊富な選手をぶつけることで、守りながら攻撃にも迫力を加えることに成功した。その効果はてきめんで、ポジションチェンジ完了直後の15分、ブルザノビッチがボールキープから右サイドにスルーパスを送ると、走りこんだ田中がクロス。これをケネディが頭で叩き込み先制点をゲットする。26分には同点に追いつかれたが、34分にはまたもケネディのフリックオンから「ポジションが変わったので、裏を狙う意識でいた」という言葉通りに中村が抜け出し、DFとの競り合いを制して粘り強く2点目を奪った。これに勇気付けられた守備陣も体を張った守備で呼応。相手のミスにも助けられ、前半は2−1とリードした状態で折り返した。

しかし、やはり1人少ない状態で90分間はもたなかった。守りを固めて安全に試合を進めようにも、1人少ないことでパスがうまく回らない。後半からはセンターバックに佐藤将也を入れ、阿部をサイドバックに戻してバランスを修正したが、代表クラスを多く揃える相手の個人能力の前に後手を踏み続けた。65分にヌールのゴールで同点とされると、77分にもヌール、84分には広野が献上したPKを後半から出場のレグイサモン(背番号15)が決めて2−4。さらにはロスタイムにも2点を追加され、終わってみれば2−6の大敗。名古屋も三都主アレサンドロと玉田を投入して巻き返しを図ったが、守備の連続で消耗したチームにはもう、反撃に転じる力は残っていなかった。

これで名古屋が決勝に進むために必要な第2戦のスコアは、4点差以上の勝利となった。アルイテハドのDF陣は玉田も言うように整備されてはいない。10人で2得点できたことはその何よりの証明で、11人で戦えるホームでの4得点は決して非現実的なことではないだろう。だが、4点を取るためには、ある程度守備を犠牲にしなければならなくなる。その時に6失点を喰らった強力な攻撃陣をどのように抑えこむのか。帰国して中2日でリーグ戦を戦い、さらに中2日で臨む第2戦は体力的にも厳しい戦いとなる。
「このまますんなり上には行かせない。意地でも勝ちたい」
吉田麻也の言葉が頼もしい。いま、必要なのは技術や体力、戦術ではなくこの気持ちである。決勝進出への条件は非常に厳しくなってしまったが、いまこそ監督の信条でありチームスローガンである「Never give up for the win」の精神を見せる時だ。

以上

2009.10.22 Reported by 今井雄一朗
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