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【J2:第46節 水戸 vs 熊本】レポート:水戸、8年ぶりの8連敗。好調時を彷彿させたが、決定力を欠く。守備力向上が著しい熊本が完封で6試合ぶりの勝利。(09.10.22)

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10月21日(水) 2009 J2リーグ戦 第46節
水戸 0 - 1 熊本 (19:04/笠松/1,408人)
得点者:67' 宮崎大志郎(熊本)
スカパー!再放送 Ch185 10/22(木)19:00〜(解説:川本治、実況:田中雄介、リポーター:佐藤愛美)
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今節熊本に0−1で敗れ、8年ぶりのリーグ戦8連敗、天皇杯を含むと公式戦9連敗を喫した水戸。だが、「勝てるチャンスはたくさんあった」と木山隆之監督が振り返るように、これまでの敗戦とは明らかに違う内容を水戸は見せた。

序盤から激しいプレスの応酬となった。互いに全体をコンパクトに保ち、前線から激しいプレスをかける。両チームともに中盤でのボール奪取からショートカウンターを繰り出し、互角の展開で試合は進んだ。だが、時間とともにペースは水戸に転がっていった。運動量や球際の強さで勝った水戸が中盤を支配。ショートパスをつないで局面を打開しようとする熊本に対して水戸はDFにまで激しくプレスをかけて自由を与えず、ミスを誘発。ボールを奪ってからすばやく荒田智之にボールを入れ、熊本ゴールを襲った。「開幕時のサッカーを取り戻そうと、前を向いていこうというモチベーションが高かった」という本間幸司の言葉が示すように、時間とともに第1クールの好調だった時期を彷彿させる怒涛のプレッシングサッカーで熊本を圧倒していくこととなった。

そこで輝きを放ったのが今季初先発の堀健人だ。昨年末にアキレス腱を断裂し、長期離脱を余儀なくされた堀。今年の夏前に練習に合流したものの、なかなか調子が上がらず、苦悩の日々を過ごした。この試合に向けても「正直、けがする前よりもコンディションが上がらず悩んでいた」という。だが、それでも堀は必死にピッチを駆け回り、持ち味のスピードを生かした突破からチャンスを作り出していった。また、守備でも球際で体を張ったディフェンスを見せ、チームにこれまで欠けていた躍動感を与えた。27分にはサイドチェンジのボールを受けた堀がヘッドで荒田につなぎ、GKと1対1の局面を作り、52分には中盤で体を張ってボールを奪った堀がカウンターから決定的な局面を作り、さらに62分には中央突破した堀が放ったシュートのこぼれ球を高崎寛之がシュート。いずれも熊本DFの体を張った対応とGKの好セーブに遭い、ゴールには至らなかったが、堀を中心に再三熊本ゴールを襲う展開を作っていった。水戸にとって間違いなく「勝てる流れだった」(本間)。

しかし、「点を取れないと勝てない」と木山監督が振り返るように、チャンスを逃し続けたことによって自らを苦しめることとなった。67分に熊本の西弘則が放ったミドルシュートのこぼれ球を宮崎大志郎に押し込まれ、後半熊本に与えた唯一のチャンスをゴールに結び付けられてしまう。喉から手が出るほど欲しかった先制点を奪われ、焦りの色が出始めた水戸。ゴールから2分後に熊本に退場者が出て、数的優位に立つものの、それがさらに焦りを助長することとなってしまった。それまで何度もサイドを崩してからチャンスを作っていたが、なんとかゴールをこじ開けようと「高崎目掛けて蹴るだけになってしまった」(堀)。1人少ない熊本は3バックにして、水戸のロングボール攻撃に対応。終了間際に荒田、そして本間がゴール前の混戦からシュートを放つものの、ゴールならず。水戸が苦悩から解き放たれることはなかった。

熊本にとっては貴重な勝点3と言えるだろう。6試合ぶりの勝利ということだけでなく、天皇杯2回戦横浜FC戦では試合終了直前にゴールを許して勝利を逃しているだけに「同じことを繰り返してはいけない」(福王忠世)と確認して試合に入った。終盤、数的不利になりながらもしのぎきったのは収穫と言えるだろう。また、「今ウチがやっているスライドやプレースバックのところが非常に機能していた」と北野誠監督が言うように、水戸の攻撃に苦しみながらも組織的な守備で対応。リーグ最多失点の守備が改善されていることを証明してみせた。特に「戦術的にも精神的にも中心」(北野監督)である石井俊也を欠きながらも若い選手がバランスを取りながら戦ってもぎとった勝点3だけに大きな価値がある。「失点が減った分、点が取れていない」(福王)という課題もあるが、これまで培った攻撃力と現在培っている守備力が融合できれば、飛躍を遂げるに違いない。残り6試合(1試合延期のため)でどこまで進化を遂げるか楽しみだ。

笠松運動公園陸上競技場での今季ラストゲームを白星で飾れなかった水戸。しかし、決して悲観する内容でなかったことは確かだ。決定機を生かせず、終盤に焦って自滅してしまい、「メンタル的に未熟」(本間)なところを露呈してしまったが、「勝てるチャンスが十分あったということはいいプレーが出ていたということ」と木山監督が語るように、選手たちが見せたパフォーマンスは今後に十分可能性を感じさせるものであった。昇格という大きな目標が断たれた今、結果はもちろん重要だが、それ以上に内容を重視する必要がある。逆に結果が出ているときにそれをないがしろにしてきたからこそ、この状況を招いてしまっているのではないだろうか。水戸は立ち直るきっかけをこの90分でつかんだに違いない。「これ以上の戦いをベースにして、結果が出るまで上積みしていきたい。もっと強い気持ちで、もっとタフに戦いたい」と菊岡拓朗は鋭い視線で語った。今季も残り5戦となったが、水戸の戦いは今年で完結するわけではない。今後数年、もっともっと強くなる基盤を今築かなければならない。この試合がその第一歩となったことを信じたい。

これで8連敗となってしまったが、今いる場所は決して泥沼ではない。しっかり一歩一歩踏みしめながら水戸は歩き始めている。

以上

2009.10.22 Reported by 佐藤拓也
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