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【J2:第46節 仙台 vs 草津】レポート:盤石の内容で「混乱の水曜日」を乗り切った仙台が完勝。FW2人の得点で、草津を寄せ付けず(09.10.22)

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10月21日(水) 2009 J2リーグ戦 第46節
仙台 2 - 0 草津 (19:05/ユアスタ/11,009人)
得点者:12' 平瀬智行(仙台)、66' 中島裕希(仙台)
スカパー!再放送 Ch185 10/22(木)16:00〜(解説:鈴木武一、実況:松尾武、リポーター:村林いづみ)
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直接対決で分けた鳥栖と仙台以外の上位陣が全て勝利した前節のように、ここまでは上位陣が他を睨みながら勝点を落とさずに戦い続ける日々が続いた。しかし今節、ついにその均衡が大きく崩れた。湘南が劇的に勝利する一方、平塚で退けられた鳥栖は致命的な後退。C大阪は徳島の堅守を崩せないままにスコアレスドロー、そして甲府はホームで横浜FCに敗れるという波乱を演じてしまった。
そんな混乱の水曜日で、仙台は生き抜いた。いや、そんな大げさな表現が似合わないほどに、仙台の勝利はほぼ完璧な内容。シュート数は仙台20に草津は7、与えた決定機の数はもちろんさらに少ない。波乱という悪魔が入り込む余地をどこにも作らず、安定した戦いで勝点3を、そしてホーム戦10連勝を手にした。

ここ数節同様、仙台はなんら変わったことを試みることもなく、基本のフォーメーションを崩さないままカウンターを狙う。
すると12分、まさに狙い通りの先制点が。後方からのロングボールが、サーレスを経由して正面の平瀬智行へ。彼と競ったDFのクリアが左の梁勇基へ渡ってから、動きは一瞬にして速度が上がった。梁はダイレクトで、裏へ良いタイミングで動き出したペナルティーアークの関口訓充へパスを通すと、受けた関口もまた、ダイレクトでのヒールパスをペナルティーエリア内左へ流す。そこに走り込んだのは、起点であった平瀬。彼がゴール左側からファーサイドへ冷静に蹴り込んだシュートが先制弾となった。
もともと、守り方は心得ている仙台。前節、リードが5分と持たなかったことの反省もあり、その後は盤石の一言だった。
もし、ポジションチェンジの多さが攻撃の質の高さを表す一つの指標になるのだとすれば、この日の草津はその頻度で仙台を凌駕しており、熊林親吾と廣山望の両サイドハーフが左右を頻繁に入れ替えたり、2トップも位置取りを巧みに変えて、何とか仙台の守備にほころびを生みだそうと奮闘していた。だが中盤も整列を維持したまま下がり、ブロックを組み続けた仙台の守備はその努力を無力化し、たとえボールを持たれても全く崩れなかった。
その上で仙台は、前に出ざるを得ない草津の状況も逆手にとって、さらにカウンターの切れ味を高めた。効果的だったのは、センターバックなど低い位置の選手からでも通すことができた、前線のFW足元めがけての低く強いクサビのパス。ボールを前から奪おうとする草津の選手を切り裂き、一気に草津ゴール近くにもたらされるボールは、仙台の攻めを一気に加速させた。
さらにそうしてボールが収まった草津のバイタルエリアに、仙台は梁、関口の両サイドハーフが飛び込んでいく。先制点の形そのままに、仙台は終始流れを得続けたのだった。

このような流れだから、仙台は2点目さえ奪えれば、ほぼ勝利は固かったのだが、それは人選も含め、望むべき最高の形でもたらされた。この直前のプレーで、スルーパスを受けてゴール前まで迫りながら、切り返しから時間をかけ過ぎてシュートチャンスをふいにしてしまった中島裕希。しかしその直後、再び仙台が草津ゴール前に送ったボールをDFがクリアしようとしたところに中島がチェック、自らボールを取り返すと、今度は迷うことがなかった。右45度から少し中に切れ込み、ペナルティーエリアのライン上から左足で思い切ってシュート、守るGK常澤聡のニア、ゴール右の狭い方を抜いてゴールとなった。

その後残り20分辺りから、ようやく草津も攻めがフィニッシュへと結び付きだすのだが、有能なフィニッシャーである都倉賢がほぼ完璧に抑えられた(ゴール前では仕事できるようなボールに恵まれず、中盤に降りてポストプレーを試みようにも、連動した素早い寄せを続けた仙台の守備にボールを奪われ続けた)とあってはやはり厳しい。その都倉の落としから、シュートコースの開いたゴール正面に躍り出た三澤慶一のシュートが、おそらくこの日の草津で一番の決定機だったと思われるが、ゴール上部を襲った一発も林卓人がワンハンドで掻き出す。これで勝負ありだった。

「過信しない程度に、自信を持っていい」。手倉森誠監督の言葉の通り、この内容を強い心で継続できれば、J2終盤にありがちな大崩れや大失速の危険はいくらか小さくなるに違いない。
甲府が今節敗れたこと、そしてその甲府は3位に浮上した湘南との直接対決を控えている(11/21@小瀬)こともあり、優勝という目標は置いておき、仙台が昇格をひとまず確定できる推測勝点は若干下がった位置にうっすらと見えてきた。細かすぎる条件が並んでいるために具体的な数字を挙げるのはやめておくが、その勝点は、今の内容を続けられれば手が届くはずのものである。

さて最後に。この試合で先制点を決めた平瀬が、前半途中に負傷退場。本人曰く「左ヒザが『パキッ』と音がした」ということで、あくまで精密検査待ちではあるが、手倉森監督は会見で、おそらく今季は厳しいだろうとの見方を示している。その悪い予感が当たるのだとしたら、本当に悲しい。昨年のJ1・J2入れ替え戦終了後「監督の胴上げができなかったことが悔しい」と語っていた平瀬。それが目前に迫っているというのに、運命は残酷だ。
だが、平瀬と交代して入った中島が点を取ったように、思いはチームの皆がくみ取っている。最短での昇格決定は翌々節の水戸戦(11/8@Ksスタ)となるが、幸いなことにここからは、天皇杯の影響などでリーグ戦の間隔が空く。仮にプレーは不可能でも、胴上げに参加できるくらいの回復ならば大丈夫ではないか。
「ヒラさん」に、願っていたセレモニーの舞台を。新たな「目的」を胸に、仙台は残りシーズンの戦いに臨んでいく。

以上

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※編集部注 10/22にクラブよりリリースがありました。
平瀬智行選手のけがについて
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