10月18日（日）J1 第29節 千葉 vs 京都（16:00KICK OFF/フクアリ）
スカパー！生中継 Ch363 16:00〜（解説：金田喜稔、実況：佐藤文康、リポーター：石川葉子）
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１０月１２日の第８９回天皇杯２回戦で、ＪＦＬのＨｏｎｄａ　ＦＣに３−０（得点者はＦＷ巻誠一郎、ＤＦ和田拓三、ＦＷ新居辰基）の勝利を収めた千葉。攻守両面に課題が残るものの、江尻篤彦監督の初勝利、４年ぶりの天皇杯初戦突破という結果を出したことは、Ｊ１リーグ戦の低迷で自信を失いかけていたチームにとって非常に大きい。ＭＦアレックスが負傷欠場中であるのに加え、ＤＦ青木良太、ＦＷ深井正樹も負傷欠場という状況下とあればなおさらだ。

また、彼が得点すれば千葉サポーターがひときわ大きく沸く巻が、８月１日のＪ１リーグ戦第２０節以来の得点をあげたことも好材料といえる。これまで決定機を逃して悔しがってきた巻が、得点をきっかけに好調時の逞しいプレーに戻ると心強い。

Ｊ１リーグ戦での千葉は第１６節大分戦以来勝利がなく、第２８節終了時でＪ１に残留できる１５位の山形との勝点差は８という非常に厳しい立場だ。天皇杯２回戦の試合後にＭＦ下村東美が語ったように、昨季同様に劇的な大逆転Ｊ１残留を果たすには「次のホームゲーム（今節）に勝たないことには始まらない」状況だ。今節は攻撃で効果的なアクセントになるＭＦ谷澤達也が累積警告で出場停止というのは痛いが、Ｊ１リーグ戦第28節浦和戦（１−３の敗戦で、千葉の得点者は深井）の前半、天皇杯２回戦のようにサイドチェンジを交えた大きな展開で京都を揺さぶり、京都守備陣の隙を突いて得点を狙いたい。

京都は１０月１０日の天皇杯２回戦で、関東サッカーリーグのヴェルフェたかはら那須（Ｖ那須）に４−０（得点者はＦＷ林丈統、ＦＷ柳沢敦、ＭＦ宮吉拓実、ＦＷディエゴ）の完勝。Ｊ１リーグ戦は３試合勝利なし（第26節磐田戦は０−３、第27節大宮戦は１−３で京都の得点者は柳沢、第28節神戸戦は１−１で京都の得点者は柳沢＝ＰＫ）だったが、Ｖ那須戦の勝利で悪い流れを断ち切った。

現在、ＭＦ渡邉大剛が負傷で長期戦線離脱中に加え、第26節でＭＦ佐藤勇人があごを骨折したため負傷欠場が続いている。今節はディエゴが出場停止明けだが、右サイドバックのＤＦ増嶋竜也、センターバックのＤＦ李正秀が累積警告で出場停止。だが、天皇杯２回戦では増嶋と李を起用せず無失点に抑えたのは大きい。好調な柳沢を中心に千葉ＤＦの背後を狙う攻めで先制点を奪い、主導権を握りたい。

千葉は京都に先制されて追いかける展開になると、「勝たなければならない」という気持ちから焦りが出て自滅してしまう可能性がある。守備の意識は高くてもゴール前に引くことなく、チャンスとなったら一気に攻め上がってシュートに持ち込むことが必要だ。攻撃時にミスでボールを奪われ、失点につながりかねないピンチを招くことは絶対に避けたい。

千葉の今季の京都戦の結果は、Ｊ１リーグ戦第１２節は１−２（得点者は千葉が巻、京都がＦＷパウリーニョ＝２点）の敗戦だが、両チームとも決勝トーナメント進出がなくなっていたにもかかわらずフクダ電子アリーナ（フクアリ）に１０，２０８人の観客が集まったヤマザキナビスコカップ予選リーグ第６節は２−１（得点者は千葉が巻、深井、京都がＤＦ角田誠）の勝利。Ｊ１残留争いも残り６試合までくるとデータ云々ではない極限の戦いだが、千葉はＪ１リーグ戦の京都戦のホームゲームは７勝２敗（フクアリ開催は２勝）のデータがある。「一つひとつ勝っていくだけ」（巻）という一戦必勝体勢の底力を見せてほしい。

以上

2009.10.17 Reported by 赤沼圭子