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【キリンチャレンジカップ2009 日本 vs トーゴ】レポート:大量5得点で日本代表が快勝。本大会に向け、着実な進歩を見せた一戦(09.10.15)

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10月14日(水) キリンチャレンジカップ2009
日本 5 - 0 トーゴ (19:30/宮城ス/32,852人)
得点者:5' 岡崎慎司(日本)、8' 岡崎慎司(日本)、11' 森本貴幸(日本)、65' 岡崎慎司(日本)、85' 本田圭佑(日本)

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狙い通りの形が出せた3連戦だった。岡田武史監督は香港戦からこのトーゴ戦までの3試合について「(オランダ遠征を経て)新しい段階に入ったこのチームの最初のシリーズ」と位置づけており、練習を通じて一つのテーマにこだわりを見せていた。

そもそも、先月のオランダ遠征で日本代表は「ビルドアップまでは攻撃に関しては十分、数的優位を作る事でやっていける」(岡田監督)との手ごたえを得ていたが、得点を決めきれないという問題が改めて浮き彫りとなっていた。ビルドアップはできるが、「ビルドアップまでのチーム」(岡田監督)と言われても仕方のない試合をしてしまったのである。そうした評価を覆すには点を奪うしかない。そしてその方法論の一つとして、まずは「ゴール前での迫力を出す」というテーマに取り組んだのである。もちろん最終的な終着点は決定力の向上という事になるのだろうが、その前段階として「0コンマ何秒の感じ方、早さにトライしてきた」(岡田監督)のだという。

選手たちにはミーティングでビデオが示されており、代表チーム内でゴール前での迫力の出し方についてイメージを共有する事はできているようである。ただ、そのイメージを説明するのは難しいようで、たとえば内田篤人(鹿島)は「ミーティングのビデオを見てもらえればわかりやすんですけどね。口では言えない感じ。感覚的なものです」と述べていた。何人かの選手にその件について聞いてみたが、単純化して言えば意外なタイミングでクロスを上げつつ、ペナルティーエリアの中に複数の選手が飛び込むというような事のようだ。
そして「おそらくこのイメージなのだろう」と思わせたのが、岡崎慎司(清水)のこの試合の3ゴールであろう。5分の先制点は、遠藤保仁(G大阪)からの左サイドからのクロスを森本貴幸(カターニャ)を経由してはいるものの点で合わせたもの。8分のゴールも中村憲剛(川崎F)からのクロスをニアで合わせた得点だった。65分の3点目は、長谷部誠(VfLヴォルフスブルグ)からのクロスをヘディングで決めている。いずれも岡崎らしさが出たゴールであり、岡崎のスタイルが岡田監督の考えるプレーと合致したという事も言えるのかもしれない。ただ、それにしても岡田監督から「代表にきてから1年余りでの彼の成長のスピードは驚きに値する」と絶賛されており、日本代表を背負って立つエースとしての実績を着々と積み重ねているといえよう。

今回の3連戦では新戦力の発掘という面でも成果を残している。その筆頭が11分に代表初ゴールを決めた森本である。アシストとなるパスを入れた長友佑都(F東京)は「森本ならキープできるし、反転できるので」と判断していたと言う。そして実際に相手DFを背負いながら反転し、そして落ち着いてゴールを奪うのである。その一連の動作には無駄がなかった。そんな森本について中村俊輔(RCDエスパニョール)は「こういう試合で半分出て1点取るのは、21歳だしすごい」と期待を込めていた。
石川直宏(F東京)についても85分に本田圭佑(VVVフェンロ)のゴールにつながるクロスを入れており、そういう点では岡田監督の期待に応えている。この場面はペナルティエリア内に複数の選手が飛び込んでおり、まさに迫力のある攻撃ができていた。そしてゴール前に詰めていた事で、本田にチャンスが巡ってきたのである。

当初予定されていた来日メンバーからは大幅に変更された形のトーゴ代表は、コンディションもコンビネーションもモチベーションも十分ではないように思われた。ただ、そんな相手に合わせることなく日本代表はやるべき事をやりとおした。たとえば中澤佑二(横浜FM)は「立ち上がりにポコポコと点が決まったので、スタジアムが余裕じゃないかという、勝って当たり前という中で、いかにモチベーションを保ってやるのか、守備で集中するのか、という事でやっていました」と試合を振り返っている。また田中 マルクス 闘莉王(浦和)も「相手は関係ない。自分たちのやる事をやるだけ」と相手によってモチベーションが左右される事がないという言葉を残していた。
彼ら日本代表の守備の要となる2選手の働きについては岡田監督も「中澤(横浜FM)、闘莉王(浦和)を含め、戻りが素晴らしかった」と言及しており、代表がやるべき基本的な働きを忠実にこなしたとの賞賛を忘れなかった。そして、それはつまり目先の相手云々ではなく、8ヵ月後のW杯本大会までにチームをどう進化させていくのか、という視点をチーム全体が持っているという事でもある。

南アで世界を驚かせるべく代表チーム内で選手たちに、取り組むべき課題を明示。それを練習で選手たちに落とし込み、最終的に試合で実践する。そうして具体化したイメージを、今度は各選手が所属チームに持ち帰り、意識して日々努力していくのである。そうしたステップについて「一人一人が世界とやるために一日一日やろうと。何をすべきかはわかっているので、それを目指してチャレンジしています」と今野泰幸(F東京)は話していた。
日本代表は1ヵ月後に南アフリカとアウェイで対戦する。そのときまでにどのような進歩が見られるのか。そして南アとの対戦を前に、今度はどんな要素が提示されるのだろうか。楽しみにしたい。

以上

2009.10.15 Reported by 江藤高志
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