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【第89回天皇杯2回戦 清水 vs 佐川印】レポート:原の2点に絡む活躍で清水が貫禄勝ち。リーグ戦につなげるという意味では、どちらも収穫の多いゲームに。(09.10.12)

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10月11日(日) 第89回天皇杯2回戦
清水 2 - 0 佐川印 (13:00/アウスタ/5,341人)
得点者:46' 原 一樹(清水)、82' マルコス・パウロ(清水)
天皇杯特集
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 やはり力の差は歴然としてあった。それを承知のうえで、どちらも自分たちのサッカーがどれだけできるかという同じテーマで臨んだ試合。波乱はとくになかったが、どちらにとっても収穫はしっかりと得られたゲームだった。

 清水のスタメンは、日本代表で抜けた3人と枝村匠馬が外れた他は、ここまでのリーグ戦の流れと同じ。リーグ戦で2週間のインターバルがある中、その間にひとつ試合をしておいたほうがベテラン陣もコンディションを保ちやすいという判断により、メンバーを大きく変えることはなかった。対する佐川印刷は、エースでJFL得点ランク・トップの塩沢勝吾がケガで欠場。そこはチームにとってひとつ残念なところだった。
 試合展開は、立ち上がりから清水がボールを支配。佐川印刷も、自分たちの持ち味である前線からのプレスをかけていくが、それ以上に清水のボール回しが上回り、相手を慌てさせてミスを誘うまでには至らなかった。ただ、前からのプレスがかからなくても、守備陣は自陣でしっかりと踏ん張り、清水になかなか決定機を与えない。
 清水としては、ハイボールの競り合いではヨンセンがほとんど勝っており、個の力の差もあったため、ヨンセンにハイボールを入れて、そのセカンドボールに多くの選手が飛び込むという攻撃を徹底させていれば、それだけでチャンスは作れる可能性は高かった。しかし、あえてそれはせずに、パスを回してサイドから崩すという形にこだわった。
 もちろん、そうしたサイド攻撃からもチャンスの糸口は十分に作っていたが、ラストパスやシュートの精度、あるいは迫力を欠いて、なかなかゴールが決まらない。フィニッシュの場面では、この1本を絶対に決めるんだという緊迫感にやや欠けたという印象も否めなかった。

 そうして前半は0-0のまま折り返し、清水のほうは攻撃のギアを一段上げることを意識しながら入った後半1分、佐川印刷のミスをついたカウンターから原一樹が左サイドを抜け出し、ドリブルで長い距離を持ち上がる。原はそのままペナルティエリアに入って、DFとの1対1から縦に仕掛けて、左の角度のないところから左足シュート。これで見事にニアサイドを抜いて、ようやく清水が先制点を奪った。
 ケガからの完全復活を目指す原は、長谷川監督にとっても、この試合でもっとも点を決めてほしかった選手。その原が個の力を生かして決めたことが、清水にとってはこの試合最大の収穫だった。
 ただ、その後も清水がチャンスを作りながら、最後の仕上げが少し雑になって追加点を奪えないという展開が続く。だが、佐川印刷が試合をあきらめずに攻めに出た終盤、37分のカウンターでヨンセンのポストプレーから原がうまく裏に抜け出し、そのままシュート。ここはGK大石和夫が止めたが、そのこぼれ球に途中出場のマルコス・パウロが詰めて押しこみ、試合は決まった。
 佐川印刷としては、堅守を誇る清水から1点でも奪えれば大きな自信になるところだったが、清水のミスをついて2、3度惜しいチャンスを作った中で、それを決めきることはできなかった。

 清水の圧勝を期待した人や、佐川印刷の大健闘に期待した人には、物足りない試合内容だったかもしれない。しかし、「今までやってきたことを変えてはいけないゲームだったし、少しでもスキを見せることができない中で、選手たちは90分間きちっと戦ってくれた」(長谷川監督)という意味では、清水の選手たちは一定水準以上の仕事を見せた。久しぶりの出場機会を得た平岡康裕、木島悠も精一杯自らをアピールし、パウロは今季初ゴールに大喜びしてチームを盛り上げた。
 佐川印刷のほうも、J1首位の強さを実感し、通用するところと通用しないところを確認できたことが、監督や選手のコメントからもうかがえる。1週間後のリーグ戦に良い形でつなげる、あるいは準備するという意味では、どちらにとっても非常に意味のあるゲームになったことは間違いなさそうだ。

以上

2009.10.12 Reported by 前島芳雄
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