10月10日（土）第89回天皇杯2回戦 仙台 vs 金沢（13:00KICK OFF/ユアスタ）
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☆天皇杯特集
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今季はＪ１・Ｊ２ともに２回戦から登場となった天皇杯。仙台はユアテックスタジアム仙台で２回戦を、石川県代表のツエーゲン金沢と対戦する。

仙台の側として、この試合に対して特記できる部分は意外と少ない。何しろ中２日でリーグ戦を２試合戦ってきている状態であり、選手たちの疲労は決して無視できないレベル。台風のまっただ中で行われた８日のトレーニングでも、前日にリーグ戦を戦った多くの選手たちが、表に出てくることなくコンディション調整に終始していた状況だ。
その辺りの事情も多少なりとも考慮して、今回の金沢戦メンバーは決定されるだろう。
また、７日の横浜FC戦で通算４枚目の警告を受けたため、今季開幕からDFラインの中心として活躍を続けてきた渡辺広大が、次節の鳥栖戦で出場停止となった。この、今季初めてとなる「スタメンを勤めてきたセンターバックの不在」という課題に答えを見つけるべく、仙台はひょっとしたらDFラインで何かしら新しい策を打ってくるかもしれない。横浜FC戦後に手倉森誠監督は、渡辺不在への対応について「３バックも含めて…」と語っていただけに、注目が集まる。

ただ、あまりに「テスト色」を前面に出しすぎると、足下をすくわれる。まして今回対戦の金沢は、メンバーを見る限りなかなかと戦闘力を持っている。
リーグのレベル、さらに将来のＪ入りを目指すクラブの数など、様々な意味で、地域リーグの中で最も激戦区と言われる北信越フットボールリーグ。金沢は８クラブによるリーグ戦で３位に終わり、惜しくもリーグ制覇での地域リーグ決勝大会進出はならなかったものの、優勝争いには絡んだ。
これくらいの力を持っているのだから、天皇杯の石川県予選を勝ち抜くことに大きな問題はなく、さらに本戦１回戦で関西学院大学に、延長戦の末１−０で勝利。晴れてＪリーグクラブとの対戦権をつかんだ格好となった。
メンバー表には、Ｊリーグでもおなじみだった名前が並ぶ。まず注目はDF根本裕一。仙台サポーターとしては、Ｊ１最後の年となった２００３年の活躍が今も印象深い。プレースタイルは典型的な左利きのサイドプレーヤーで、ここからの攻撃参加が、格上に挑む上で貴重なアクセントとなることは間違いない。
さらに中盤の底にはビジュがいる。１９９９年から過ごした札幌での４年間を皮切りに、京都、鳥栖、甲府、水戸と、Ｊの５クラブを巡った、日本で息の長いプレーを見せるブラジル人は、日本での１１年目の舞台として、北信越フットボールリーグの金沢を選んだ。現在、金沢でキャプテンも務めている彼は今年で３５歳となったが、来日時に対戦チームに衝撃を与えた驚異的な身体能力での守りは、きっとまだ衰えていないはずだ。
他にも、新潟、広島で長くプレーしていたGK木寺浩一や、かつて大宮に在籍経験があり、仙台でのジャイアントキリングを経て、NACK５スタジアムへと変貌を遂げたかつてのホームスタジアムへの「帰宅」を果たしたいDF辻田真輝など、この試合に強い思いを持って臨んでくる選手は多い。ビジュの他に、１０番をつけるFWデニス、１８３センチと恵まれた体格を誇るFWクリゾンなど、ブラジル人を３人しっかり揃えているところも気になる。

将来のＪ入りを視野に入れている金沢にとって、今回の対戦は貴重な経験となるはずだが、そもそも、単なる経験で終わらせる気はさらさらないだろう。
だが仙台としても、もちろん敗れるわけにはいかない。
ちなみにＪ１の大宮は、２回戦で宮城県代表のソニー仙台FCと対戦する。ベガルタ仙台からしてみれば３回戦が、Ｊ１との腕試しとなるのか、まさかのNAKC５での「仙台ダービー」となるのかはまだ分からないが、ともかくそれは、２回戦を勝ち抜いてから考えることである。

以上