10月10日（土）第89回天皇杯2回戦 草津 vs 佐川滋（13:00KICK OFF/群馬サ）
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☆天皇杯特集
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７日のナイトゲームで鳥栖と対戦した草津が、中２日の過酷なスケジュールで天皇杯を迎える。今大会初戦となる２回戦でJ２草津が対戦するのは、ＪＦＬシードで出場権を獲得した社会人最強クラブ「SAGAWA　SHIGA　FC」。第３クールに入りリーグ戦で結果を残し始めた草津が、ＪＦＬ盟主を聖地「群馬県立敷島公園サッカーラグビー場」で迎え撃つ。

SAGAWA　SHIGA　FCは佐川急便東京SCと佐川急便大阪SCが合併して07年に誕生した。07年は、05年に草津に在籍した御給匠、現岐阜の嶋田正吾、現水戸の堀健人らを擁してＪＦＬを制覇。同年の天皇杯４回戦では横浜F・マリノスと対戦し大健闘を見せた。08年はメンバー一新を図ったためにＪＦＬでは12位と結果を残すことができなかったが、チームが熟成した今季は28節現在で16勝７分５敗の勝点55で２位に勝点７差で首位を独走している。

SAGAWA　SHIGA　FCは、４−２−３−１のシステムをベースにポゼッション主体のゲームを展開。両サイドバックが高い位置を取り攻撃的なサッカーを追及している。攻撃では１トップ高橋延仁と２列目の中村元、宇佐美潤、大沢朋也が流動的に動いて31点を量産、チーム総得点52のうち約６割を前線の４人が叩き出す。中村は現在12ゴールでＪＦＬ得点ランク２位、元大宮の大沢は９ゴールで得点ランク７位につける。

切り込み役となるドリブラー大沢は「自分たちのサッカーがどれだけ通用するか楽しみ。草津は強いと聞いているので、チャレンジする気持ちを忘れずにプレーしたい」と対戦を待つ。佐川東京時代の04年に当時ＪＦＬだった草津と対戦した経験を持つベテラン山根伸泉は「Ｊ２草津がＪＦＬ時代からどう変わったか楽しみ。ＪＦＬの代表として良い試合を見せたいと思う」と話す。

対する草津はJ２リーグ戦の前節で鳥栖に敗れたものの、シーズン終盤に入り安定した戦いができるようになった。前節に引き続き今試合もボランチ松下裕樹が出場停止となるが、代役出場した藤井大輔のメドが立ったため不安は消えた。最近の草津は出場停止やケガ人が重なったがチャンスを得た有薗真吾、佐藤穣ら若手が次々と活躍、チームは劇的に活性化された。「競争が激しくなり、チームが良い方向に向かっている」（廣山望）。草津はリーグ戦での成長の成果を天皇杯へぶつける。

ゲームのポイントとなりそうなのは、草津のエース都倉賢対SAGAWA守備陣。強烈なフィジカルと決定力を併せ持つ都倉に対してSAGAWAがどのような策を選択するのか。草津は都倉が封じ込められると攻撃の威力が半減する傾向があるため、中盤の選手がゴールに絡めるかがカギとなる。SAGAWAの注目選手は、左足から高精度クロスを配給する左ＳＢ旗手真也。彼のセットプレーはSAGAWAの得点源の一つとなっているため、草津は警戒が必要だろう。

草津の首脳陣は９月26日に群馬県高崎市で開催されたＪＦＬアルテ高崎対SAGAWAのゲームをスカウティング、今ゲームに備えている。一方のSAGAWAはＪ２リーグ戦のビデオを見て草津対策を練っているはずだ。戦力的には草津が優位であることは確かだが、ＪＦＬの首位を走るSAGAWAは、「勝ち方」を知っているだけに簡単な試合にはならないだろう。Ｊ２中位の草津とＪＦＬ首位のSAGAWAとの一戦は、両リーグの力の差を測る意味でも興味深い一戦だ。ノックダウン方式のトーナメントだけに何が起こってもおかしくない。

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2009.10.09 Reported by 伊藤寿学