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【J1:第28節 山形 vs 大分】レポート:大分は3試合連続のスコアレスドローながら、内容には着実な進歩。山形にとっては不完全燃焼の勝点1。(09.10.04)

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10月3日(土) 2009 J1リーグ戦 第28節
山形 0 - 0 大分 (14:03/NDスタ/8,011人)
スカパー!再放送 Ch183 10/6(火)01:00〜
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無闇にこじ開けようとして守備の網にかかりカウンターを受けていたのは前節。しかし、この試合の大分は違っていた。

「前半、シャドーの2人にサイドバックの裏を随分走られて、ボランチが引っ張り出されたというところで、ボランチに落ち着きがなくていい形ができなかった」(山形・小林伸二監督)。高松大樹が下りることで生じる山形ディフェンスラインのギャップを、シャドーの金崎夢生、東慶悟がときには縦に、ときにはダイアゴナルに突き、スペースを陥れる。ボランチが対応してバイタルが空いたところで、菊地直哉が強烈なミドルシュートを放ったのが11分だった。

大分の前3枚の動きは、山形のサイドの守備にも少なくない影響を及ぼしていた。「高橋大輔のところにミヤさん(宮沢克行)が行くのか、俺が行くのかというところで迷ってしまった部分がありました。東が俺の後ろにけっこう走って出てきていたし、ニシ(西河翔吾)のほうからもステイしろという声もかかっていたので、なかなか出れずに、それで大輔のところで持たれてしまったりということがありました」と話すのは、昨シーズンに大分でプレーしていた左サイドバックの小林亮。高橋がマークを外れドリブルでペナルティーエリアに進入してきた際には、小林がクロスを許さない的確な対応を見せたが、後半に入り、高橋をつかまえる方法がはっきりしない状況でのプレーが続いた。

その高橋は、守備に移ると常に宮沢克行の近くにポジションを取り、宮沢がサイドで起点になることを許さなかった。後半に宮沢が石川竜也に代わってもそれは一貫していた。むしろ、大分がつかまえづらかったのは、中へ入ってプレーする右サイドの宮崎光平。20分、持ち上がったレオナルドが縦にグラウンダーを送ると、宮崎が絡むと見せてスルー、走り込んでいた古橋達弥が敵陣深く起点をつくることに成功するなど、モビリティを活かし、可動範囲広くプレーした。その数分前には、長谷川悠の足元にボールを入れた古橋がそのまま縦に突破を図り、角度のない位置からシュート。しかし、日本代表招集が発表されたばかりのGK西川周作に止められ、ともにゴールを割れずに前半を終えた。

後半、両ウイングバックの位置がやや低く抑えられた大分に対し、山形はボールを回してサイドに起点をつくるまでは難なくできていたが、問題はそこから。55分には宮沢の左クロスから古橋のシュート、さらに長谷川の右クロスに宮崎がシュートという一連のチャンスが訪れたが、決めきることができず、その7分後には石川投入で打開しようとした意図とは逆の展開で、守備に追われる時間が続くことになる。

65分には金崎から東へのパスが通り、シュートまでたどり着く。さらに、高いポジションでプレーを始めたエジミウソンが、67分に縦パスを送り、金崎が胸トラップからシュートを放つ。68分には右の金崎から高松の足元に入り、落としたところを菊地がシュート。79分にも押し込んだ形から金崎がシュートを放ち、西河が体を張って止めている。

これだけのチャンスをつくりながら、大分が無得点に終わった要因はいくつか挙げられるが、山形のGK清水のセーブはそのもっとも大きなものだろう。ラインを突破する大分の選手と1対1の状況を迎えることも多かったが、「チャンスになった選手が少し余裕がなかったというか、テンパりながらプレーしていたので、こっちは冷静に対応できた」とシュートコースを的確に消した。終盤の87分にも、カウンターからの金崎のシュートをはじき返し、こぼれ球に反応したエジミウソンがシュート態勢に入るときには、体を投げ出してブロック。最大のピンチを脱した。

カウンターの打ち合いとなった最終盤、ロスタイムには小林の左クロスに古橋と途中出場のキムビョンスクが飛び込んだが、その間に入った藤田義明がスライディングで戻り、揺らされることのなかったゴールネットを最後まで守りきった。J1残留を懸けた直接対決はスコアレスドローに終わった。

「今日はすばらしい試合ができたし、それを日本中のみなさんに示すことができたと思っています」。試合後、ポポヴィッチ監督は自信に満ちた声で語った。降格だ、残留だと賑やかす側から見れば、現実を見ようとしない奇異な手法に映るかもしれないが、これが極限の厳しさに立ち向かうための、ポポヴィッチ監督なりの覚悟なのだろう。その成果は、3試合連続無失点、4試合連続で勝点獲得という結果によって証明されている。いよいよ降格決定もあり得るという次節は、13試合負けのない暫定首位・清水をホームに迎えるが、同じようなメンタリティで挑めるのか。サポーターも含め、大分の7年間が試される試合になる。

「勝点1取れてるので、前に進んでいる」と、小林監督は結果については一定の評価をしたが、千葉をねじ伏せて勝利した前節と比較すると、特にメンタリティの面で物足りなさがあったことは否めない。平たく言えば、やられたらやり返す意気込みが、伝わらなかった。攻撃に関しては、「後半見ていて、ちょっと固まってるというか、思いきりがなかったという感じがしなくもなかったなあと思います」「ボールは回っているんですけど、誰かが飛び出したり、予測して絡んでいくというのが少なくて、ボールだけ回って、最後はサイドからクロスからという形しか取れなかった」と小林監督が振り返れば、再三の好セーブでチームを救ったGK清水も「もうちょっとダイナミックに攻めきってほしかったなという気持ちは持っています」と不完全燃焼の感を抱いている。むしろ、失点していれば見えないリミッターが外れていたかもしれないが、それも過ぎたこと。どんな状態でも攻めきるだけの精度・技術を身につけるチャレンジを、今後も続けるのみだ。

以上

2009.10.04 Reported by 佐藤円
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