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【J1:第28節 神戸 vs 京都】京都側レポート:高い守備意識を見せ、1ポイントながら勝点を積み重ねた京都。今後の課題は「一瞬の隙」の克服となる。(09.10.04)

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10月3日(土) 2009 J1リーグ戦 第28節
神戸 1 - 1 京都 (16:04/ホムスタ/11,127人)
得点者:44' 柳沢敦(京都)、64' 北本久仁衛(神戸)
スカパー!再放送 Ch186 10/5(月)05:00〜(解説:山野孝義、実況:寺西裕一、プレーヤー解説:和多田充寿、リポーター:林智美)
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「守備の粘り、堅さを取り戻そうと言っていた」と試合後、加藤久監督は今節の狙いを明かしたが、その言葉通り京都の堅守が帰って来たというゲームだった。

林丈統と金成勇のFWに右に柳沢敦、左に安藤淳、ボランチにシジクレイ、角田誠といった布陣の京都。対する神戸はFWに吉田孝行、左サイドにボッティが入った。
大久保嘉人という強力FWが居る中で京都は、DF・水本裕貴を中心にしっかりラインを上げて保ち、相手にチャレンジするディフェンスを見せた。角田、シジクレイが積極的に前のスペースを消しに入りコンパクトな守備で神戸の攻撃を跳ね返した。
しかし、大久保、吉田に対し数的優位を作ろうと右サイドの増嶋竜也が中へ絞ると、ボッティのケアに柳沢が注意を払わねばならず、すると神戸に左サイドバックの内山俊彦というボールの避難所を作らせることになり、京都は高い位置でボールを奪うことができない状態になる。
22分、28分と左サイドからクロスを入れられ頭で狙われる場面もあったが、京都も23分に右からクロスを入れ安藤が頭で合わせるなどチャンスを作る。

守る京都だったが、柳沢が相手の一瞬の隙を突く。43分、高く上がったボールを神戸DFが頭でバックパスしたボールを柳沢が反応。これをエリア内で倒されPKを獲得。柳沢自身が決めて、44分、京都が先制する。

後半、金に代えて中山博貴をトップ下に投入。神戸に開始早々にクロスから、そして57分には抜けだされる形でボッティにシュートを放たれるも、61分に速攻から林のクロスに柳沢が、わずか触れず、というシーンを作り京都も攻撃姿勢を見せる。

だが、64分、李正秀がハイボールをクリアする際に、李正秀の頭が相手FWの後頭部とぶつかってしまい、左サイドでファールの裁定が下り、かつ、李正秀が治療のため一旦退場となる。このFKで、ボッティの入れたボールに対し、北本久仁衛にゴールポスト左の位置に飛び込まれ右足ボレーでシュートを打たれると、これが逆の右のサイドネットを揺らし、京都が一瞬の隙を突かれ同点にされてしまう。

その後も主導権を握られた京都。74分には右クロスからボッティに合わせられるが、これを水谷雄一がスーパーセーブで防ぐというシーンもあった。しかし、京都も増嶋が積極的に上がり、75分にエリア内まで持ち込み中山へ送るなど攻撃意欲を見せた。
終盤には安藤、角田、中山の中盤3枚に、水本、シジクレイ、李正秀の3枚のセンターという布陣で攻守のバランスをとりながら気迫あるプレーを見せた京都。だが結局、1-1のままタイムアップ。勝点1を分け合う結果となった。

試合後、チームはサポーターから大きな拍手で迎えられた。
「やらなきゃいけないという気持ちをみんな持っていた」(中谷勇介)。その気持ちがプレーになって表れていた試合だった。「京都は守備がしっかりしている時は調子がいいし、そういうのが特徴だと思う」(増嶋竜也)。選手も感じる通り、堅い守備がリズムを作っていた。

だが、評価はできない。あの失点、勝ちを逃したという思いがあるからだ。
加藤監督の会見にあった「李正秀が故障で外に出ていた瞬間のFKをつかれ失点したが、あそこは李が外に出ているのは選手も分かっていたと思うのでしっかり守り切って欲しかった。失点シーンはもったいなかったと思う」という言葉に今、京都の守備が抱える大きな課題がある。
シジクレイは試合前「集中力が欠けて失点している。それ以外に理由はない」と話していた。そして、指揮官の言う「もったいない失点」というのは、根本は同じはず。89分50秒の集中もほんの一瞬の隙でやられてしまう。守備の堅さ、全体的な試合の運び方、全員の意識の高さは十分伝わった。だが、勝利するためには「一試合通じて一瞬の隙もなかった」という強さが求められるということを、改めて、今節の試合が教えてくれたのではないだろうか。
今後、千葉、大分と試合が続く。実力差を考えれば、「崩される」よりも「一瞬の隙」を嫌悪すべきだろう。
これが達成できて京都の「堅守」や「先制したら絶対に勝てる」という自信も蘇るのではないだろうか。今後の戦いに期待したい。

以上

2009.10.04 Reported by 武田賢宗
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