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【AFCチャンピオンズリーグ 名古屋 vs 川崎F】川崎F側レポート:またしても準々決勝の壁は破れず。狂った歯車の組み直しが喫緊の課題に。(09.10.01)

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9月30日(水) AFCチャンピオンズリーグ
名古屋 3 - 1 川崎F (19:00/瑞穂陸/8,798人)
得点者:27' 小川佳純(名古屋)、35' 吉田麻也(名古屋)、38' 鄭大世(川崎F)、88' ケネディ(名古屋)
11/7(土)ACL決勝@国立のチケット情報!
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☆名古屋側レポートはこちら

思えば、ここ数試合の川崎Fは、少々雑な戦いを続けていたような気がする。どことなく浮わついていて安定感を欠き、単純なミスからの失点を繰り返していた。

たとえばホームでのACL準々決勝第1戦の名古屋の先制ゴールがそうだった。簡単にクロスを上げさせ、警戒していた選手(ケネディ)に決められる。決勝にまで勝ち上がったヤマザキナビスコカップの戦いや、過去のACLの戦いからアウェイゴールの怖さを肌身で感じていたはずなのに、簡単にそれを与えてしまっていた。

簡単に点を失うという事に関しては、この試合がまさにそうだった。ベンチから試合を見ていた田坂祐介は「入り方がぼやけていたように見えました」と表現。川崎Fがなんとなく形を作れていたのは、名古屋が1本目のシュートを放った前半の17分頃まで。そこから名古屋の攻勢が長く続く事となった。
引き分けでも勝ちぬけが決まる川崎Fからすれば、やられているならやられているなりに守りきれればよかった。しかし27分に失ったゴールの場面では、小川佳純に広大なスペースを与え、豪快なミドルシュートを決められてしまう。誰が悪いという事ではないのだが、動きの質が川崎Fと名古屋とでは違っていたように感じた。「ぼやけた」入り方が、試合を通して川崎Fに影を落としていた。

名古屋にアウェイゴールがあるため、0-1のまま試合が終わると川崎Fは敗退してしまう。つまりすでに追い込まれた状況にあるにもかかわらず、さらに35分に2失点目。すばらしいボールを蹴られると対応は難しい、という言い訳が出来るという点で、セットプレーだったのがせめてもの救いだが、それにしても不用意な失点である事に変わりはなかった。
思うように見せ場を作れなかった川崎Fに、試合の流れを変えるチャンスがなかったわけではない。2失点目を喫した直後の前半38分に鄭大世がゴール。2試合の合計がここで一致し、完全にイーブンの状況となる。

アウェイゴールルールがある以上、お互いに様子を見ながらの戦いになるのだろうと予測した後半は、立ち上がりにこそ川崎Fにチャンスがあったが、結局のところ名古屋の一方的な展開となる。鄭大世はそんな後半について「後半になると足が止まってきて、そこからやられ始めました」と振り返りつつ「気持ちで負けていたつもりはないですが、気持ちと体力は別物でした」と肩を落とした。

サイド攻撃をベースとしていた名古屋の攻撃をケアすべく、川崎Fは80分にレナチーニョに代えて黒津勝を投入する。しかし、88分に左サイドを破られ、最後はケネディに3点目を奪われて力尽きた。

どうにもいいところがなかった、という試合だった。ここ数年の川崎Fには見られない試合内容だったが、ここ数試合に限って言えば、同じような展開の試合が続いていたともいえる内容だった。これが3つのタイトルを同時進行で戦う事の難しさ、なのだと言えばそうなのだろう。ただ、そう言われないような準備を続けていたのも事実である。準備をし、それがある程度結果を出してきていただけに、この大一番でその成果を出せなかったのが残念だった。

07年の悔しさを払拭するために、この試合があった。勝って、準決勝に行く事が、成長の証だった。しかし、できなかった。悔しさを押し殺しながら「今、話したとしても全て言い訳になる。この敗戦は事実ですし、何がどうというか、ここで(もう)1点取れないで負けたということ」と話す中村憲剛の言葉が全てなのだろう。言い訳はできない。川崎Fは負けた。準決勝へと進出しアジアの頂点に立つという夢は、来季以降へと持ち越される事となった。

以上


2009.10.01 Reported by 江藤高志
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