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【J2:第42節 岐阜 vs 甲府】レポート:甲府が見せたJ1昇格への意地。岐阜のサッカーを凌駕する迫力が、甲府に勝利をもたらす!!(09.09.28)

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9月27日(日) 2009 J2リーグ戦 第42節
岐阜 1 - 2 甲府 (19:04/長良川/6,657人)
得点者:48' 吉本一謙(岐阜)、79' 森田浩史(甲府)、83' 秋本倫孝(甲府)
スカパー!再放送 Ch185 9/29(火)20:00〜(解説:小島宏美、実況:加藤義久、リポーター:若山貴嗣)
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サプライズだった。甲府のスタメン表を見ると『片桐淳至』の名前が。甲府は2シャドーの一角として片桐をスタメン起用し、布陣も前節の仙台戦と同じ3-1-4-2の布陣で挑んできた。
注目は岐阜のトップ下の菅和範と、甲府のアンカー・林健太郎のマッチアップ。立ち上がりはこう着状態だったが、徐々に林の老獪なプレーに押されだし、甲府の積極的なアタックの前に押し込まれていく。しかし15分、岐阜が中盤でボールを奪い取ると、林も前がかりになっていたため、甲府のMFラインとDFラインの間に大きなギャップが生まれた。岐阜はすかさずそのスペースを突いて、5対3の数的優位のカウンターを仕掛けた。これはセンタリングミスでものに出来なかったが、これが甲府のシステムの弱点であり、付け入る隙が見えた瞬間であった。

ここからは反対に岐阜がペースを握り返す。ボールを奪ってから、西川優大と佐藤洸一の2トップがこのスペースに変化に富んだ動きで顔を出し続け、起点を作ったことで、守備面でも岐阜の前からのプレスがはまり出し、甲府は徐々にロングキックが多くなっていく。一方で岐阜も前線で起点を作りながらも、秋本倫孝、山本英臣、ダニエルの屈強な3バックを切り崩すことが出来ない。お互い決め手を欠く展開のまま、前半を0−0で折り返した。

そして後半開始早々の48分、岐阜は右CKを得ると、MF高木和正のキックをファーサイドでDF吉本一謙がダイレクトボレー。叩きつけられたボールは、大きくバウンドし、そのままGK荻晃太の精一杯に伸ばした手の先を通過し、ゴール右隅に吸い込まれた。吉本の移籍後初ゴールで岐阜が先制に成功する。

先制を許した甲府は、攻勢に出たいが、岐阜は菅が林に対し、縦に大きく揺さぶりを掛けると、高木と嶋田正吾の両サイドハーフも交互に中に絞って、菅の揺さぶりで出来たスペースをケア。甲府に付け入る隙を与えない。

しかし、時間が経過するにつれて、攻めるしかなくなっていく甲府・安間貴義監督は、68分に運動量が落ちた片桐と、FW金信泳に代え、MF國吉貴博とFW森田浩史を投入。攻撃にてこ入れし、徐々にその鋭い牙を剥いて岐阜に襲い掛かっていく。前線のFWマラニョンの個人技、石原克哉と大西容平の両ウィングバックの突破力、そして國吉のドリブルなど、アタッカー陣が個性を発揮し、持ち前の爆発的な攻撃力を駆使して岐阜に猛攻を仕掛ける。

すると、これまで機能していた岐阜の組織が一気に混乱に陥る。DFラインがズルズルと下がりだし、ボールを奪うポイントが下がると、1ボランチの橋本卓の周辺に出来たスペースを甲府に有効活用され、より押し込まれるという悪循環に陥る。ここが勝負のポイントだと踏んだ安間監督は、林に代えFW松橋優を投入。中盤の分厚さを残したまま、前線でマラニョンをフリーマンにし、松橋と森田でフォローアップさせる変則3トップにし、さらなる圧力を掛ける。

すると79分、猛攻から右CKを得ると、大西の蹴ったボールをファーサイドで森田が押し込んで同点に追いつく。さらに83分には、右からの崩しからマラニョンが放ったシュート。DFに阻まれるが、これで得た右CKから秋本が目の覚めるようなダイレクトボレーを叩き込んで、一気に試合をひっくり返した。

「ウチは後半勝負。残り15分までにいい形で来られれば、行けると思っていた」と安間監督が語ったように、終わってみれば、甲府が失点後は主導権を握り続けて逆転勝利を飾った。

甲府の圧倒的な迫力に飲み込まれる形となったが、前半は岐阜のペースであった。うまく相手をいなしながら、弱点を突く。形としては悪くはなかった。しかし後半は、「目指すところはゴール!ボールを奪ったら前を見ろ!」というシンプルかつ明快な檄を受けた甲府が、そのとおり明快なサッカーを見せたことで、事態は逆転した。最後の最後にJ1昇格という明確な目標を持つチームと、そうでないチームの差が出てしまった。

「悲観すべきではない結果」という松永英機監督通り、ポジティブに捉えるべき敗戦だけに、この日の甲府の姿勢を見て、上を目指すチームの底力というものを感じ、今後そういうときが来るであろう岐阜のチームの財産として、積み上げていってほしい。そう感じさせる一戦だった。

試合後、安間監督と今日の試合について細かい話をさせてもらったが、本当に筆者自身のサッカー感においても有意義なものだった。安間監督とサッカー談義をするのはやはり楽しかったし、ためになった。もともと筆者は甲府のサッカーには感銘を受けており、今の岐阜のサッカーも非常に感銘を受けているだけに、この試合は細かい部分でサッカーの面白さが詰まっていた。

以上

2009.09.28 Reported by 安藤隆人
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