9月27日（日）J2 第42節 岐阜 vs 甲府（19:00KICK OFF/長良川）
スカパー！生中継 Ch183 18:50〜（解説：小島宏美、実況：加藤義久、リポーター：若山貴嗣）
勝敗予想ゲーム | 皆の投稿で作るスタジアム情報
----------
前節はアウェーで栃木を相手に1−2の敗戦。相手の固いブロックディフェンスの前に手を焼く結果となった。しかし、今回の相手は攻撃力ある甲府。栃木とはまた違うチームで、むしろ岐阜としては組みやすいチームかもしれない。なぜなら、確かに甲府は壮絶なJ1昇格争いをしているチームだが、今の岐阜は上位チームに対しても自分たちのサッカーを貫ける強さを持っている。両サイドが流動的に動いて、トップ下の菅和範、ムービングFWの佐藤洸一と西川優大の2トップが絡む攻撃を見せる岐阜にとっては、前掛かりで仕掛けてくる相手のほうが、付け入る隙が生まれやすい。当然リスクはあるが、それ以上にチャンスは多くなるだろう。

それだけにポイントとなるのが決定力だ。いかにチャンスをものにする力で相手を上回るか。ここが勝負を分けるだろう。前節、甲府は仙台との大一番において、出場停止で欠くDF杉山新の穴を埋めるべく、4バックではなく、3バックの【3-1-4-2】のシステムで挑んできた。
結果は1−1のドローだったが、岐阜にとって脅威な点、チャンスな点の両面がくっきりと見られた。まず一番岐阜にとってラッキーなのは、この試合も杉山が出場できない点にある。彼のアグレッシブで献身的で、かつ精度の高いプレーは、岐阜のサイドバックのお手本になっているほど。右サイドバックの冨成慎司は、「常に参考している」と、そのプレーの質の高さに舌を巻く。西川も「あの選手はすごい。あんなに積極的に飛び出してくるサイドバックは非常に厄介」と語っており、岐阜にとって脅威の存在だった。
彼がいないことで、仙台戦に引き続き、3バックで臨む可能性は十分にある。仙台戦を見る限り、やはりサイドのスペースへの応対に難を残す。サイドバックの吉田豊を一枚上げて、大西容平と共にウィングバックにした。だが、吉田の裏のスペースを仙台に狙われていた。岐阜もここをうまく突けるか。高い位置で起点を作って、菅と両サイドハーフの流動性を生かして、切り崩していきたいところだ。

そしてこの試合でもっとも注目なのが西川だ。第一クールの対戦では出場しておらず、第二クールの対戦では9分しか出ていない。彼がいかに前線で幅広く動いて、前述したように高い位置で起点を作ることが出来るか。この試合で甲府に苦手イメージを植えつけたいところだ。
逆に警戒すべきは、MF石原克哉と藤田健だろう。特に石原は左サイドから効果的な仕掛けを何度も見せ、チャンスメーク。岐阜はワンボランチを敷くだけに、彼らに自由にプレーをさせてしまうのは、非常にリスキーだ。そのため、両サイドハーフがいかにして攻守のバランスを見ながら、MF橋本卓と連携を取れるか。理想としては、前々節の水戸戦のように橋本と両サイドハーフ、サイドバックがうまく連携を取ることだが、それだとラインが下がって、甲府の思うつぼだけに、多少のリスクは覚悟の上で前に出た方が得策か。

いずれにせよ、先制点が大きなウェイトを占めてくるだろう。西川の爆発に期待が高まるばかりだ。今季途中に甲府に移籍した片桐淳至が遠征メンバーに入るかは気になるところだが、岐阜は自らのサッカーに専念してほしい。そうすることが『長良川劇場』を公開出来る唯一のシナリオだからだ。

以上

2009.09.26 Reported by 安藤隆人