9月26日(土)J2 第42節 鳥栖 vs 東京V(13:00KICK OFF/ベアスタ)
スカパー!生中継 Ch183 12:50〜(解説:乾眞寛、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
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追われる者よりも、追う者の方が強い。よく聞く言葉である。ゴールした時点で、追いついているのか、追い抜いているのかは分からないが、間違いなく、この言葉が今の鳥栖には当てはまっている。第2クールを18チーム中で最高位の戦績で終えた鳥栖。第3クールに勝点54、6位で突入した。そして、第41節を終了して、勝点を70とし、5位に順位を上げた。この間に得た勝点は16、得失点は+7だった。この数値は、首位を走るC大阪と同じ、2位の仙台(勝点14・+5)、3位湘南(勝点12・+2)、4位甲府(勝点12・+2)よりも上回っている。まだ、勝点差は大きいが、追われる者にとっては驚異的な存在であることに間違いはないだろう。
注目すべきは、第3クールに入って得た勝点の内容である。第3クール初戦となった第35節札幌戦(札幌ド)では、先制されたが一度は勝ち越し、逆転されたが終了間際に追いついて得た勝点1だった。第36節栃木戦(栃木グ)では、PKで先制し、終了間際に突き放して得た勝点3だった。以降、先制し、追いつかれても勝ち越した第37節横浜FC戦(ベアスタ)、先制されても後半に3点を奪って逆転勝ちした第38節福岡戦(ベアスタ)と記憶に残る勝利を収めている。第40節からは今季未勝利の相手の3連戦と続く中を、第41節富山戦(ベアスタ)を1−0で辛勝し、前節水戸戦(笠松)を後半に寄り切って勝負を決めた。この7戦(5勝1分1敗)を決して楽勝で乗り切ってはいない。むしろ、全員の力を結集し、必死に戦っている。「あと一歩、あと1m、あと1cm。これが鳥栖の頑張りや」と岸野靖之監督は、ここに来ての快進撃を選手たちの頑張りと評している。それが、追う者の強みにつながっていることは、間違いない。そして、今節の東京V戦へとつながっている。
しかし、今季の東京V戦は、本当に苦戦している。今季未勝利であるだけでなく、鳥栖らしいサッカーをできずに終了している。第8節の味スタでは、開始9秒で東京Vが10人になったが、0−2で敗れてしまった。ほぼ90分間を10人相手に攻め続けたが、守備を崩せずカウンター2本を受けて、勝点3を逃してしまった。第34節のベアスタでは、前半のシュートを0本に抑えられ、最後まで見せ場を作れず0−0で勝点2を逃してしまった。上位との直接対決までは、勝点3を積み上げていくしか鳥栖の生き残る道はない。目の前の一戦に、全員の力を結集し、必死に戦っていくしかないのである。
ボランチにホベルトが入り、中盤での守備力と展開力が増した。高橋義希が前線に飛び出す機会も増した。高地系治が左サイドDFに回ることで、攻撃のオプションも増えた。途中出場のトジンは、相変わらずバイタルエリアで強いところを見せている。攻撃に関しては、間違いなくパワーを持っている。あとは、先制点を奪うだけである。守備でも、渡邉将基が身体を張ってボールをはじき返している。磯崎敬太もケガから復帰して、守備でのオプションが増えた。そして、攻守に渡りあらゆる状況にでも対応できる山田卓也がチームを支えている。今節も、鳥栖らしく『攻撃的な守備』と『無失点で乗り切り、先制点で勝つ』サッカーができれば、今の勢いを持ってすれば今季の東京V戦初勝利を納めることができるだろう。
とはいえ、東京Vも意地あれば、勝利を重ねないといけないチーム事情も抱えている。ほぼ不動のメンバーで戦い方を一貫しているのが強みであり、センターバック土屋征夫、富澤清太郎、MFレアンドロ、FW大黒将志とセンターラインが固定できている。前節C大阪戦でもMF河野広貴の若き力で先制し、途中出場で永里源気や飯尾一慶ら個性的なパワーを持った選手が力を与えている。49分からの4分間で3失点した課題は残るが、総失点数は鳥栖とさほど変わらない。(鳥栖45失点、東京V49失点)
となると、今節のターニングポイントは先制点と追加点となるだろう。勢いを増してきた鳥栖に対して、個の力が勝る東京Vの好ゲームが期待できそうだ。9月が終わろうかとしているのに、いまだ鳥栖は日中30度を越す暑さである。この暑さに鳥栖の終盤での追い上げが拍車をかけている。今節も熱くなりそうだ。
もう一つ、熱さを加えている要因がある。今節は、『どこまでも行こう!ブリヂストンオータムフェスタ「ブリヂストンデー」』と銘打って、様々なイベントが予定されている。昨季のブリヂストンデーでは、2万人強を動員し、クラブレコードを更新した。これだけの環境と状況が整ったら、負けるわけには行かないだろうし、無様な試合は見せられない。選手にプレッシャーをかける気は毛頭ないが、我々が黙って試合を待つこともできないのは事実。選手・スタッフには申し訳ないが、勝手に盛り上がらせていただくことをお許しいただきたい。今節もさらに熱くなりそうだ。
試合を見る我々は勝手なものだ。
勝てば内容を求め、順位を気にする。上位との差と残り試合を見ながら、あれこれ勝手に作戦と展開の持論を述べる。
応援しているチームの勝ちを求めるだけではない。他チームの結果(当然、敗戦予想だが・・・)までを願っている始末である。
これも、サッカーを楽しむ方法であることは間違いない。
繰り返しにはなるが、選手・スタッフには申し訳ないが、勝手に盛り上がらせていただくことをお許しいただきたい。
これも、追う者の強みであるから・・・。
勝利には勝点3、引き分けには勝点1の数字バランスの冥利に、今更ながら感心している次第である。
サッカーの魅力は尽きることがない。
以上
2009.09.24 Reported by サカクラゲン
J’s GOALニュース
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