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【J2:第41節 東京V vs C大阪】レポート:先制し、攻め方の意思統一ができなかった東京Vに、C大阪がわずか4分間で3発の完勝。(09.09.24)

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9月23日(水) 2009 J2リーグ戦 第41節
東京V 2 - 4 C大阪 (16:03/味スタ/7,023人)
得点者:14' 河野広貴(東京V)、49' 藤本康太(C大阪)、52' 香川真司(C大阪)、53' 酒本憲幸(C大阪)、78' 藤本康太(C大阪)、84' 土屋征夫(東京V)
スカパー!再放送 Ch185 9/24(木)15:00〜(解説:武田修宏、実況:寺島淳司、リポーター:田中毅/桝太一)
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首位と9位の差。一言で言ってしまえばそれまでだが、それでも、その差はやはり大きかった。中位から抜け出せない東京Vは、優勝&J1昇格争いのトップに立つC大阪との力差を痛感せざるを得ない、完敗試合となってしまった。

とはいえ、前半は東京Vの「理想通りだった」(富澤清太郎)。試合前、大黒将志が「ポイントは、うちのボランチが香川(真司)、乾(貴士)のパスワークにしっかりついていけるか」と話していたが、3試合ぶりに復帰した服部年宏、柴崎晃誠の両ボランチの対応は見事で、前半は香川・乾のホットラインをことごとく寸断した。

さらに、攻撃面でも、狙い通りの形から先制ゴールが生まれた。高木琢也監督は大黒、林陵平の2トップをスターターに選択したが、そこに「ボールを回すばかりではなく、もっとシンプルに縦に速いパスで攻撃を」という意図は明確に表れていた。前半14分、服部の中盤からのパスを大黒が頭で折り返し、中央で林が体を当てて相手DFをブロックして作ったスペースに河野広貴が走りこんでの得点。「ボールを奪ったら素早く前へ」「クロスなどに対して、シュートを打てる位置に必ず誰か入る」「MF選手の積極的なシュート」など、前節の敗戦によって改めて意識を高めた部分が反映されての1点だったのではないだろうか。また、常に「シュートを打て。点、取って来い!」と、高木監督や柴田峡コーチらからアドバイスを受け続けながらも、なかなか結果が出せずに苦しんでいた河野が9試合ぶりに結果を残したという意味では、河野自身はもちろん、チームにとっても価値があったに違いない。

だが、最近の課題の1つとなっていた『先制点』を奪い、積極的なプレス、ハードワークを続けて良い雰囲気のまま前半を終えたが、ハーフタイムを機に流れは一変してしまう。「もう何試合も見ている」と、土屋征夫が表情を強張らせたように、今季何度も散見されてきた「後半の入り方が悪い」という傾向に再び陥った。その原因として、試合後の東京V選手たちの口からは「中途半端になった」「意識統一ができなかった」と、同じ言葉が並んだ。「前からボールを奪いに行くのか。ゆっくりとボールを落ち着かせながら、チャンスが来たところで追加点を取りに行くのか。その意識が選手間ではっきりしなかった」(柴崎晃誠)。そこに、後半開始直後からC大阪の猛攻は効いた。

後半4分、パスをカットされインターセプトを受ける。カイオのスルーパスに藤本康太が走りこんで同点とされると、同7分に香川、8分には酒本憲幸と、わずか4分間で同点、逆転、追加点と畳み掛けられてしまった。「あり得ない・・・」試合後、先制弾を決めた河野も、力なくつぶやくしかなかった。C大阪はこの時間帯、3本のシュートで3得点を奪っており、このあたりの決定力の高さこそ、首位の貫禄と言えるのではないだろうか。

その後、藤本がもう1点を追加し、後半だけで4得点の大勝という結果となるが、後半の猛攻について藤本は「自分たちが戦い方を変えたというよりは、相手の運動量が落ちたと思います。前半開始からずっと、香川、乾のあのスピードに全力で対応して、あれだけ走らされたら、誰でも絶対に落ちますよね。実際、前半の最後から、徐々に僕たちもボールがキープできるようになっていたので、後半は自分たちのサッカーを続けるだけでした」と話し、J2屈指ともいえる香川・乾の攻撃力の高さを強調した。

チーム全体についても、レヴィー・クルピ監督は「今日先発した選手だけではなく、ベンチの選手、あるいは今回はメンバーを外れてしまった選手も含めて、今、チームにいる選手が本当に気持ちを一つにして最高の準備をしている。その結果が試合になって表れたと思う。勝者のチームにふさわしい姿勢が少しずつチームに見えてきた」と、大きく評価している。

余談だが、この試合前、昨季東京Vに在籍し、昨季限りで現役を退いた元日本代表・福西崇史さんの引退セレモニーが開かれた。その際、C大阪側のゴール裏にいるC大阪サポーターからも、大きな、大きな「フクニシ!!」コールが送られ、福西さんがそちら側に歩いて行き、声援に応えるという一幕があった。選手・監督・スタッフはもちろんだが、こうした、日本サッカー界への功労者をしっかりとリスペクトするサポーターの姿勢もまた、現在のC大阪というチームの雰囲気の良さを作り上げている重要な一員なのではないかと思う。

そういう意味でも、C大阪にとっては、悲願達成が着実に近づきつつあることを証明できたゲームとなったのではないだろうか。

「特に若い選手は、(香川ら)技術の高い選手とやって勉強したはず。J1にはもっと上手い選手がたくさんいる。その舞台を目指すんだから、向上心を高く持って、今日の試合で落ち込むだけではなく、そこから学んで、もっともっと勉強して欲しい」土屋の深い言葉を、若手選手には真摯に受け止めて、しっかりと未来へつなげて欲しいと願う。

以上

2009.09.24 Reported by 上岡真里江
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