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【AFCチャンピオンズリーグ 川崎F vs 名古屋】川崎F側プレビュー:油断を排し、まずはホームで先勝へ。なんとしても、準々決勝の壁を乗り越えたい。(09.09.22)

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9月23日(水)AFCチャンピオンズリーグ 川崎F vs 名古屋(15:00KICK OFF/国立)
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ことさら過去を振り返っても仕方ないとは思うのだが、それでも川崎FにとってACLの準々決勝は忘れられない記憶と共にある。

初出場した07年のACLで、川崎FはJリーグ勢として決勝トーナメントへ初進出。クラブとしてのACLの目標をグループリーグ突破に定めていた事もあり、選手、スタッフ、サポーターは「はつのり」での目標達成に大いに沸く事となる。結果論になるのだが、グループリーグ突破に達成感を見出した事が、決勝トーナメント初戦となる準々決勝のセパハン戦に多少なりとも影響を及ぼしてしまった。もちろん、当時の川崎Fがアジアでの立ち位置を正確に把握できていなかったという事もあり、グループリーグ突破という目標は身の丈に合った現実的なものだった。ただ、ここ2シーズンのACLはJリーグ勢が連覇しており、2度目の挑戦となる川崎Fの目標は当然のごとく優勝に定められている。

07年当時とは状況が違いすぎるが、ACLでの優勝を目指す川崎Fにとって、再びめぐってきた今季のACLでの準々決勝は、ある意味乗り越えなければならない壁なのである。そうした状況で対戦するのが名古屋だという点で川崎Fの選手たちは難しさを感じている。

川崎Fと名古屋との対戦を振り返ると、05年の等々力での第6節の敗戦を最後に、最近は6勝3分けと負けがない。そうした過去の実績を基に「やりやすいのでは?」との質問が選手には繰り返されている。そしてそうした油断につながる予断こそが、勝負ではもっとも怖いという事も選手たちは知っている。名古屋との相性の良さについて尋ねられた鄭大世は「名古屋は苦手ではないですが、得意というわけでもない。今回の試合がどうなるかわかりませんし」と口にしつつ「(相性のよさは)リセットして行きます。油断ほど難しい敵はいないので」と気持ちを引締め直していた。

川崎Fは試合2日前の月曜日に国立競技場で練習を行っており、名古屋対策を視野に入れた実践的なメニューをこなしているようである。戦術的な部分に関しては非公開となっており、どのようなメンバー編成になるのかは、まったくわからないという状況である。そうした中、明るい話題をあげるとすれば、菊地光将が計算できそうだという点である。前節の浦和戦ではわずかに23分の出場にとどまったが、ケガからの復帰戦だという事を感じさせない動きを見せており、月曜日の段階でもリバウンドはなかったという。このACLを皮切りに、週末にはG大阪とのリーグ戦。さらに来週行われる名古屋とのACL準々決勝第2戦(30日@名古屋市瑞穂陸上競技場)が控えている事を念頭において、起用法が探られることになるとは思うが、いずれにしても菊地の復帰に目途がついたのは朗報だろう。ここに強豪の鹿島、浦和との2連戦で先発出場し、及第点の働きを見せた薗田淳の存在を考えれば、関塚隆監督が持つカードが豊富にあるのは間違いない。

その一方で気がかりなのが、守備意識の高い相手をどう崩すのか、という課題が解決し切れていないという点である。名古屋のスカウティング担当者が浦和戦を見ていれば、川崎Fの攻撃力を殺す手段を見出すという作業はそれほど難しい事ではないだろう。浦和が実行した作戦を名古屋が採用するのかという部分は未知数ではあるが、浦和が川崎Fを破った試合が、名古屋に戦術的なヒントを与えているのは間違いない。さらにいうと、今回はアウェイマッチである。無理に点を取らずとも、最低限引き分けに持ち込みさえすれば、名古屋は有利なホームゲームでの巻き返しが可能となる。

浦和が提示した川崎Fの攻撃陣対策は、名古屋にとっては大宮戦で露呈した課題を修正するヒントでもある。そしてそれはホーム&アウェイによるトーナメントで戦われるACLでの、アウェイチームの戦いのセオリーともいえるものである。

名古屋がアウェイゴールという魅力的なアドバンテージを狙うのか。それともスコアレスドローも辞さない戦いでくるのかはわからない。ただ、いずれにしても川崎Fとしてみればホームでの第1戦で勝利し、有利な立場で第2戦に臨みたい。「2つやって2つとも勝てれば一番いい」と中村憲剛は話していたが、そうした楽な展開に持ち込めるのかどうか。壁を乗り越えるためにも、この第1戦では勝利がほしいところである。

以上



2009.09.22 Reported by 江藤高志
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