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【J1:第26節 磐田 vs 京都】レポート:前へ前へというテーマを見事にやり通した磐田が、10試合ぶりの無失点で快勝。大きなミスが出た京都は、自分たちのリズムをつかみきれず。(09.09.20)

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9月19日(土) 2009 J1リーグ戦 第26節
磐田 3 - 0 京都 (15:03/ヤマハ/13,860人)
得点者:41' イグノ(磐田)、55' 前田遼一(磐田)、89' 西紀寛(磐田)
スカパー!再放送 Ch181 9/21(月)19:30〜(解説:桑原隆、実況:大石岳志、リポーター:荒木麻里子)
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「声を絶やさず、足を止めず、最後まで戦おう」。これはハーフタイムでの柳下監督のコメント。この試合における磐田の戦う姿勢は、まさにこの言葉に象徴されるものだった。

磐田のスタメンは、腰痛の茶野隆行がセンターバックに復帰し、山本脩斗が昨年患った血栓症の再発の疑いがあるということで急きょ検査入院し、代わりに村井慎二が先発。それ以外は、前節・大分戦と同じ形。京都のほうも、出場停止の水本裕貴の代わりにルーキーの染谷悠太をセンターバックとして起用し、柳沢敦が1トップとして先発した他は、前節・F東京戦と同じメンバー。どちらも、やるべきことに変わりはないというスタンスで試合に入った。
ただし、磐田のほうは3連敗中の反省を生かして、練習の段階から「前からアグレッシブに」というキーワードを掲げており、今回はその言葉通りのスタートを切った。キックオフ直後からチーム全体として前への意識を強め、高い位置からプレッシャーをかけ、攻撃でも前へ前へとボールを運ぶ意識を徹底。運動量という意味でも、90分を考えてセーブすることなく、立ち上がりからエンジン全開で入っていった。
それによって磐田は、まずは受け身になることなく、自分たちのリズムを作ることに成功する。攻撃では、シンプルに前線にボールを入れる形が多く、それほど華麗にゲームを作っていたわけではなかった。だが、切れが戻ってきたイ グノや前田遼一の強さを生かしてボールを収め、そこへのサポートも最近の試合と比べて早かったこともあって、ボールを簡単に失うことなく攻撃が継続する。

守備でも、京都に何もさせないというほどの完成されたプレッシングではなかったが、休むことなく積極的にボールにアプローチしていった。一方、京都のほうは、磐田のプレッシャーに慌てることなくしっかりとボールをつなぎ、前半の途中からは磐田がプレスに行っても奪いきれずにつながれるシーンも目立つようになった。だが、それでもめげずに前からプレッシャーをかけ続け、DFラインを上げて3ラインをコンパクトに保ち続けられたことが、磐田が自分たちのサッカーを90分間続けられた大きなポイントとなった。

「つながれてはいたけど、決定機になる前で止められていたので、このままで行こうと話し合っていた。そこで下がってしまうと、相手にボールをキープされてきつくなるので、(守備の)ブロックを前めで保ちながらということは意識していた。みんながそういう共通理解を持ってやれていたので、今日は高い位置を保ちながらできたと思う」
そう振り返ったのは、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた岡田隆。彼自身も前後左右に非常に精力的に動いて危ない場面をつぶし、攻撃では相手に囲まれても簡単にボールを失うことなく、シンプルに確実にボールをつなぐという作業を90分間休むことなくやり続けた。個人としてはかなり疲れただろうが、それがチーム全体の体力の消耗を軽減することに大きく貢献したのは間違いない。

前半は、磐田が圧倒したという試合展開ではなかったが、シュート数は磐田が4本に対して、京都は1本だけ。28分の柳沢敦のシュート以外はチャンスらしいチャンスを京都に与えることなく、磐田のペースでゲームは進んでいた。
そんな中での41分、試合を大きく動かすミスが発生する。磐田のボランチ・山本康裕がゴール前にループパスを送ったが、前田は完全にオフサイド・ポジションにいてプレーに関与しない意志を見せる。これに油断した染谷がボールを見送ると、その背後にするすると村井慎二が飛び出してシュート。ここはGK水谷雄一に止められたものの、こぼれ球に鋭く詰めたイ グノが押しこんで、磐田がどうしても欲しかった先制点を奪うことに成功した。
京都に加入後はセンターバックとしての出場経験が少ない染谷の起用が、結果として勝敗に大きく影響する形となったが、それはまさに結果論。ただ、磐田が自信と勢いをつかむという意味では、本当に大きな1点だった。

後半は、京都が左MFの角田誠に代えて、186cmのFW金成勇を投入して反撃に出るが、前半45分で手応えをつかんでいた磐田から流れを奪い返すことはできない。そして、10分には右サイドバック・駒野友一の強烈な左足ミドルシュートのこぼれ球を、前田が押しこんで2点目をゲット。これで磐田のほうは精神的なゆとりも増した。
その後は、京都がリスクを冒した攻撃で押しこむ場面も増えてきたが、磐田守備陣が集中を切らすことなく対応してつけいるスキを与えない。やがて、前半から飛ばした磐田よりも先に、京都のほうに疲れが目立ち始め、磐田がカウンターからチャンスを作る場面が多くなっていった。
また、後半の磐田は、押しこまれた中でも奪った後はしっかりとボールをつなぎ、押し返してラインを上げることができていた点も、この試合での大きな収穫。今季は、リードしていても終盤は守るだけで精一杯という展開になることが多かったが、その気配はほとんど感じられなかった。

そんな中でも、京都は何とか2、3度決定機を作ったが、それも決めきれない。逆に磐田は、アディショナルタイムでのカウンターから西紀寛が鮮やかなシュートを決め、3-0としたところでタイムアップ。GK川口能活が金との接触で右スネを痛め、43分に負傷交代したのは心配な材料だが、リーグ戦では通算2試合目の出場となる八田直樹が落ち着いたプレーを見せ、守備陣も最後まで集中を切らすことなく、10試合ぶりの無失点というオマケもついた完勝劇だった。

試合後、磐田の選手の多くが、3連敗している中でサポーターが非常に熱い声援を送り続けてくれたことに感謝の言葉を述べた。たしかに、この日のヤマハスタジアムは、試合前から非常に熱い雰囲気が作られていた。それに応えて選手たちが闘志あふれる試合への入り方を見せ、自分たちのリズムを作っていって、結果にも結びつく。そうした好循環を、残り8試合でどれだけ多く見せられるか。そこは今後の磐田に対して、大いに期待したいところだ。

以上
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