9月19日(土)J2 第40節 鳥栖 vs 富山(19:00KICK OFF/ベアスタ)
スカパー!生中継 Ch183 18:50〜(解説:サカクラゲン、実況:南鉄平、リポーター:ヨンヘ)
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あと僅かなところで手が届く・・・このもどかしさは如何ともし難い。かといって、待っていても相手が降りてくるわけではない。自動昇格となる3位までの勝点差は、前節を終えて11差もある。いやっ、11差しかない。負けても減らない勝点は、勝利するしかその差を縮める方法はない。今節、ベストアメニティスタジアムに迎える富山には、今季の鳥栖は勝っていない。ここは、スッキリと勝って対戦戦績を勝ち越すことと、上位が獲得した勝点に近づくことが求められる。とはいえ、富山に勝つことは容易ではない。今季加入したチームの中では、最高位で健闘しているだけでなく、戦績も五分(13勝13分13敗)で10位につけている。さほど、得点力(37得点/15位)を持っているわけではないが、さりとて失点(40失点/3位タイ)も多くはない。この順位につけている要因は、奪った先制点を堅い守備で大事に守りながら戦っているからといえる。その証拠に先制すれば、9勝2分と負けていない。この『先制すれば負けない』強さを持っているのは、現在のJリーグディビジョン2にはあと1チームいる。それが、富山を迎え撃つ鳥栖である。
その鳥栖は、前節に勝点を上積みすることができなかった。前節(第39節熊本戦)までは、3戦連続得点を挙げていたトジンを先発させて、キックオフ直後からパワーを持って戦った。しかし、熊本の中盤とセンターバックに『ボールの出どころと入りどころ』を上手く抑えられては、3戦連続得点のパワーを発揮することができなかった。チームのミスも重なり、DF裏に飛び出すパワーを持ったFW廣瀬浩二を温存したままで、1−2と敗れてしまった。今節は、堅い富山DFを崩すためには、タテとヨコの揺さぶりをかけるしかないだろう。左サイドMFの島田裕介は相変わらずの好調さを維持している。ホベルトの加入は、中盤に新たな展開をもたらした。これにより、MF高地系治がサイドに出たり、前線に飛び出したりと攻撃オプションが増えている。第2クール以降に攻撃を後方から支えた両サイドDF柳沢将之と日高拓磨も健在である。FWハーフナーマイクを軸に、現在のJ2の中では最も抑えにくい攻撃陣を要していると言ってもいい。「先に失点したらアカン」と岸野靖之監督は、DF陣に奮起を促す。今節は、センターバックに出場停止明けで渡邉将基が戻ってくる。出場停止だった2試合の無念さをプレーと気持ちで返して欲しい。
対する富山はセンターバック濱野勇気が出場停止となり、堤健吾と金明輝のコンビが予想される。前節、岐阜相手に2失点しているだけに気合も十分に入っていることだろう。高さのあるセンターバックだけに、高さ以外の揺さぶりで鳥栖は攻撃したいところ。FWも、どの組み合わせを持ってくるのか、楚輪博監督の手腕に注目が集まる。前回の対戦では、石田英之と永富裕也のコンビだったが、直近の試合では姜鉉守と桜井正人、長谷川満、木本敬介と、各人のコンディションと相手のウィークポイントを見て起用しているだけに予想がしづらい。そして、特筆しておきたい選手がいる。DFの舩津徹也である。彼のDFとは思えない運動量は半端なものではない。初戦となった第16節(富山県総合運動公園陸上競技場)での対決では出場する機会を得なかったが、2回目の対戦となった第23節(ベアスタ)での活躍は忘れることができない。彼の運動量に島田が守備に追われて、70分に途中交代を余儀なくされた。富山の攻撃を活性化させるだけでなく、鳥栖のストロングポイントを潰してしまった運動量は、きっとベアスタに駆けつけたお互いのサポーターを歓声と悲鳴に包み込むことだろう。今節も、好勝負が期待される一戦であることに間違いはない。
どんな試合でも、負けることは許されない。
しかし、勝負である以上、勝ちか負けかのどちらかの結果がつきまとう。
アスリートは、勝利を得るためにあらゆる手段を考え、それを行使するためだけに日頃からの鍛錬を怠ることはない。
サポーターやファンは贔屓チームの勝利だけを願い、得てして日ごろの努力を見落としてしまいがちである。
どうしても、試合中の一挙手一投足(いや、サッカーの場合は『一挙足一蹴足』かな?)を見ていると、そのプレー一つ一つに惹き込まれてしまう。
選手たちには申し訳ないが、その狭い視野を許してもらいたい。
それだからこそ、スタンドから大きな声で選手たちを鼓舞できることも事実なのだから・・・。
サッカーは、ピッチとスタンドが一体になれるスポーツである。
以上
2009.09.18 Reported by サカクラゲン
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