9月6日(日)ヤマザキナビスコカップ F東京 vs 清水(18:00KICK OFF/味スタ)
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「勝つしかないから非常にシンプル。難しく考えずに思いきりやるだけ」(本田拓也)。それは、清水の全員に共通する考え方だ。得失点差や引き分けのことを考える必要は一切なく、1点差でも良いから勝てば決勝進出。受け身にならずに、いつも通り自分たちのサッカーに徹するという意味では、清水にとってやりやすい状況ではある。
水曜日の第1戦( /jsgoal_archive/result/2009/0902/20090020060120090902_detail.html )では、前半1-2でリードされ、岩下敬輔の退場で10人になってから、枝村匠馬のゴールで2-2に追いついてドロー。ホームゲームの結果としては残念なものだったが、それでも第2戦で勝ちさえすればOKという条件に持ちこむことができたことは、本当に大きかった。また2点目のシーンで、急きょ出場したDF平岡康裕が見せた果敢な攻撃参加は、チームに大きな勇気を与えた。
したがって、その後のチームの雰囲気はまったく悪くなっていない。第2戦に向けて気持ちを切り替え、選手たちは冷静にコンディションを整えている。第1戦ではチーム全体に疲労の色が見えたが、金曜日に行なった非公開練習の紅白戦では、「(選手たちの)動きは悪くなかった」と長谷川健太監督も評価。F東京に対する戦い方も、十分にイメージできているため、選手たちの表情にも焦りは一切感じられない。
ただ、心配なのは、岩下が出場停止となったDFラインをどう組むかという部分。発熱で第1戦を欠場した青山直晃は練習に復帰したが、再び体調を崩す可能性がないわけではない。腰に痛みを抱えながら強行出場した児玉新も、少しリバウンドが出て金曜の紅白戦は回避。本来ならば、この2人でセンターバックを組みたいところだが、彼らの状態を見ながら「当日の朝になるまでわからない」(長谷川監督)という状況だ。
それでも、平岡は十分に計算が立ち、最悪の場合は左サイドバックの太田宏介がセンターバックを務めることができ(その場合、左サイドバックには高木純平が濃厚)、戦術理解度という意味でも不安はない。
しかし、F東京の平山相太、カボレ、石川直宏といった個の力を抑えるためには、DF陣も個の強さを発揮しなければならない。いつもはイエローカードの少ない清水が、今年のF東京戦では2人の退場者を出しており、PKも2回与えている。「それだけ(F東京の)前線にフィジカルや個の強さがあるということ」と長谷川監督も認めるが、ここは守備陣にとって意地や頑張りの見せどころとなる。
攻撃に関しては、藤本淳吾のFW起用が継続される可能性が高く、何かアクシデントがなければ顔ぶれは水曜と変わらないだろう。第1戦では、藤本の動き出しとパスの出し手とのタイミングが合わない場面があったが、それもある程度改善されてくるだろう。藤本本人も「もっと裏をとりたいというのもあるし、できるだけDFラインとボランチの間でボールを受けて、前を向いて仕掛けることもしたい。もし流れが悪かったら、サイドに開いて自分が起点になって、みんなを押し上げるようなこともやらないといけない」と課題を明確にしている。
ヨンセンが素晴らしいポストプレーを続けていることもあり、藤本や枝村がそこにうまく絡む形を多くすることができれば、チャンスは作れるはずだ。今季はF東京に勝てていないが(1分2敗)、点が取るのが難しい相手という印象はとくにない。
もちろん、勝つしかないといっても、立ち上がりから必要以上に無理して点を取りにいく必要はない。これまでアウェイで勝ってきた試合と同様、しっかりとした守備をベースに、失点を抑える中で先制点を奪って、自分たちのペースに持ちこむという戦い方をするだけだ。とくに今回は、先制点が本当に重要になる。F東京は「乗らせてしまうとガンガン来るチーム」(市川大祐)でもあり、絶対に先制点を与えてはいけない相手。今季の3度の対戦では、すべて前半のうちに先制されてF東京ペースで試合を運ばれている。今度こそ、その流れを断ち切らなければいけない。
「内容も大事だけど、激しい戦いになるのは間違いないし、本当に結果にこだわって戦いたい」(兵働昭弘)。疲労がかなりたまっていることは間違いないだろうが、11月3日の国立での雪辱に向けて、ここは本当に頑張りどころ。チームの底力を発揮しなければ戦いとなる。
以上
2009.09.05 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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