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【Jウイイレ2009CC ドリームマッチ J1選抜 vs J2選抜】J1選抜側レポート:J1選抜が後半に3点をたたみ掛けて逆転勝利。昨季の雪辱を果たす。時間の経過と共に差をつけられたJ2選抜は涙を呑む。(09.08.27)

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8月27日(木) Jウイイレ2009CC ドリームマッチ
J1選抜 4 - 2 J2選抜 (20:00/ウイスタ/41,226人)
得点者:12' 大黒 将志(J2選抜)、14' 大黒 将志(J2選抜)、31' 渡邉 千真(J1選抜)、47' 岡崎 慎司(J1選抜)、50' ケネディ(J1選抜)、78' 田中 マルクス闘莉王(J1選抜)
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 発表された両選抜チームの先発メンバーリストに石原直樹(大宮)の名前を見つけ、少しばかり感慨にふけってしまった。昨季はJ2選抜として出場し、2ゴールと大活躍。今季はJ1選抜でどのようなプレーを見せてくれるのか楽しみだった。

 その一方で意外だったのが田中マルクス闘莉王(浦和)が先発を外れた点。守備はもちろん、攻撃面でも計算できる選手なだけに、オズワルド・オリヴェイラ監督(鹿島)がどのような試合展開を意識しているのか、気になった。

 J2選抜に関しては、舩津徹也(富山)、杉山新(甲府)が先発しており、4バックの陣容であることが判明。C大阪でレヴィー・クルピ監督が採用しているフォーメーションとは違う布陣になるが、クルピ監督としては自身の戦術面よりも選手の能力をどう引き出すのかに主眼を置いたようである。大黒将志(東京V)、都倉賢(草津)の2トップも気になるが、やはりポイントになるのは藤田俊哉(熊本)、倉貫一毅(徳島)のボランチコンビであろうと予想する。
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 という事で試合開始。立ち上がりから両選抜チームとも個人能力を生かしたプレーが目立っていた。たとえば開始直後の深井正樹(千葉)や、大黒のドリブル突破である。また、両チームともサイドからの攻撃が多く見られたがそれは中盤に守備能力の高い選手が多く配置されていたからであろう。それはたとえばJ2選抜であれば、前述した藤田、倉貫というサッカーを知り尽くしたコンビであり、J1選抜は宮本恒靖(神戸)と明神智和(G大阪)との世界と渡り合ってきたボランチセットである。

 いぶし銀のバランス感覚を見せるJ2選抜のボランチコンビに対し、J1選抜で出色の働きをみせていたのが明神である。豊富な運動量で常にボールサイドに顔を出し、J2選抜のスピードを止める。タイミングが合えばここに宮本が加わってボールを絡め取っていた。J1選抜の守備は磐石に思えた。

 ここでいきなり余談になるが、出色のできをみせていたのは選手だけではなかった。この試合を吹いた主審が11分3秒付近で見せた身のこなしは見事なものだった。より近い場所でプレーを確認しようとするその心意気と、危機を回避する反射神経は見事。主審がすごいのか、KONAMI製作スタッフの方々がすごいのか、CPUがすごいのかはよくわからないが、ぜひその場面を注視してほしいと思う。

 話を戻す。J1選抜の守備に安定感があったからこそJ2選抜が決めた先制点には驚かされた。前半12分のFKの場面は、正確なキックを持つ米山篤志(栃木)という選手の能力は当然の事ながら、大黒のヘディングシュートも見事なものだった。若干下がりながらのシュートはそう簡単なものではない。さすがに大黒クラスの選手をフリーにしてしまうと失点を覚悟しなければならないという事だろう。ちなみにこの失点の直後に、ポジショニングを確認するJ1選抜の守備陣を映し出した中継スタッフの目の付け所にも感嘆させられた。

 思わぬ失点で気持ちがはやったのか、J1選抜は攻撃的な守備をしてしまう。失点から2分後の前半14分。深井、駒野友一(磐田)が積極的なプレスをかけた事でJ1選抜の右サイドにスペースが生まれると、そこに香川真司(C大阪)の狙い澄ましたパスが出る。走り込んだ大黒は完璧なトラップから流れるようにシュートを完結させ、J2選抜があっさりと2ゴールを先行した。

 立ち上がりに2失点したJ1選抜は、15分に明神からのパスを受けた石原が決定機を迎えたのが最初のチャンスになる。このプレーをきっかけにJ1選抜が態勢を立て直し始めると、圧巻だったのが31分の得点シーンである。

 ピッチ中央付近で明神がボールをキープすると大津祐樹(柏)、宮本とつなぎ前線の石原へ。石原はこのボールを一度ためると、シンプルに左前方のスペースへパス。ここにジウトン(新潟)が走り込んで来るのである。J1選抜は大津が中央へと絞る動きを多用する事で左サイドにスペースを作っていたが、それを利用した形でジウトンが左サイドを突破したのである。

 ボールをコントロールしたジウトンは無駄な動作を見せず、簡単に中央へクロス。ファーサイドに走り込んだ渡邉千真(横浜FM)がこれをゴールへ押し込みJ1選抜が1点を返す。少なくとも2-0で前半を終えたかったJ2選抜にしてみれば手痛い失点となり、前半はJ2選抜の1点のリードで終える事となった。
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 J2選抜のクルピ監督は、サイドに偏重していた攻撃にアクセントをつけるべく後半から香川をピッチ中央へとコンバートし、途中交代出場のハーフナー・マイク(鳥栖)とタテの関係でコンビを組ませる作戦に出る。後半の戦いを見ればこのポジションチェンジは成功したと言っていい。J2選抜の攻撃パターンは確実に増え、J1選抜を脅かす事となった。

 J2選抜の交代采配は効果的ではあったが、しかしそれ以上に結果を残したのが、J1選抜の交代選手だった。オリヴェイラ監督は岡崎慎司(清水)、ケネディ(名古屋)の日豪代表ストライカーに加え、石川直宏(F東京)を3トップの右ワイドで起用。さらに観客を驚かせたのが闘莉王を攻撃的中盤に据えた采配だった。もちろん所属チームでも試されているポジションであり、前日練習でも攻撃陣に混じっていたという事もあるのだが、それにしても、点を奪い取るんだ、というJ1選抜の強い気持ちがでた采配だった。

 そうした交代采配が奏功したのか、後半開始直後からJ2選抜を押し込んだJ1選抜は後半開始早々の47分に岡崎が同点ゴールをマーク。試合を振り出しに戻す。

 リードを取り戻したいJ2選抜も49分にハーフナーが強引に持ち込んでシュートを放つが、わずかにゴール左へ。肝を冷やしたJ1選抜はその1分後に逆転ゴールを手にする。ケネディから岡崎へと出たボールは一旦はクリアされるが、これを後半から出場の中村憲剛(川崎F)がフォローしケネディへ。ケネディはこれを落ち着いて流し込んだ。

 後半開始直後の2失点についてはいくつかの理由が考えられるが、その一つの可能性としてボランチセットの交代を指摘しておきたい。もちろん後半から出場の八角剛史(横浜FC)、橋本卓(岐阜)のコンビの問題ではなく、慣れるための時間が必要だったという点である。今回の試合のシステム上、仕方のない事なのだが、だからこそJ2選抜は立ち上がりの時間帯をしのぎたかった。

 追う立場になったJ2選抜は前述の通り香川を中心として攻撃を仕掛けるが、後半からアンカーにポジションを代えた明神を中心としたJ1選抜の守備はなかなか破る事ができない。

 そうした展開の中、焦りの見えるJ2選抜が肩を落としたのが78分の場面である。左サイドからのクロスが抜けたところを駒野がそつなくフォロー。マーカーを振り切って中央のケネディへパス。そのケネディからのパスを受けた中村がフォローする闘莉王へラストパス。難しいボールではあったが、闘莉王はこれをダイレクトで蹴り込み、J1選抜が点差を2点に広げる。オリヴェイラ監督の交代采配がずばり決まった瞬間であり、また闘莉王をCBで起用しなくても問題のないJ1選抜の選手層の厚さがもたらしたゴールであったと言えるだろう。何しろJ1選抜は、後半からJOMOカップMVPで韓国代表の李正秀、代表入り間近とも言われる岩政大樹の2選手がCBに入っていたのである。

 得点差を広げたJ1選抜は持ち前の技術を生かしたポゼッションサッカーを展開。J2選抜を翻弄しながら試合を進める。まずは1点を返したかったJ2選抜だったが、結局試合はそのまま終了。後半に3ゴールを畳み掛けたJ1選抜が昨季の雪辱を果たす勝利を手にする事となった。




 なお、大会MVPとして2アシストの中村憲剛が選出されている。ちなみに筆者個人としては、審判の細かいテクニックや、見事なカメラワークを実現したKONAMI制作スタッフの方々に特別賞を上げたい気分である。

以上

2009.08.27 Reported by 江藤高志
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