本当に、長く、苦しい日々が続いた愛媛の第2クール。第1クールこそ3連勝で締めくくり、勝率5割で乗り切った愛媛でしたが、第2クールは連敗スタート。その後は6月20日に福岡を下して以降、11試合勝利から遠ざかってしまいました…。もちろん、これはクラブワースト記録。この苦闘の中には、四国ダービー・徳島戦での0−6という大敗や、ベンチメンバー14人の熊本戦など想像を絶する過酷なゲームもありました。
選手やスタッフやもちろん、サポーターや私自身もこれほど1勝の重みを感じた時はなかったのではないでしょうか。結果的には第2クールの最終節、アウェイ・栃木戦で長いトンネルを抜け、続く草津戦では福岡戦以来およそ2ヶ月ぶりとなるホームでの勝利へと辿り着きました。しかしその栃木戦では河原和寿選手、そして草津戦では佐田聡太郎選手のシュートがタイムアップ直前にバーを叩き、背筋が凍る思いもしました。どちらも試合終了の笛が鳴るまで気の抜けない接戦となりましたが、選手たちが90分間を通じて泥臭くピッチの上で体を張り続け、望月一仁監督やコーチ、スタッフらとともにひとつになって闘い抜いたからこそ、もたらされた勝利でした。
今季、愛媛のチームスローガンは『E-Spirit 〜EHIME ひとつになって闘う〜』。この連勝は文字通り、チームがひとつになってつかんだ勝利だと言えるでしょう。しかしチームが窮地に立たされた時、ひとつになって闘ったのはサポーターも同じでした。鳴門大塚での敗戦を機に、8月14日に開催されたクラブ初の「サポーターズミーティング」には約130人のサポーターが出席。亀井文雄社長や佐伯真道GMらクラブ関係者と意見を交わしました。するとピッチの外でも、ひとつになって闘う空気が沸き起こってきたのです。サポーターズミーティングと前後して、サポーターからも次々とアクションが起こりました。
まず、連敗を脱する直前のアウェイ・仙台戦では「PV BeerParty09」が行われ、オレンジの服を身にまとったサポーターも、そして普段スタジアムに足を運んだことがない人たちも、ビアガーデン形式のパブリックビューイングを通じて遠く仙台で闘う選手たちにエールを送りました。さらに続く草津戦では、ラッピングバスで学生をホームゲームに招待する企画や、スタジアムで金魚すくいを行う企画など、何とかしてチームを盛り上げようとするアクションがサポーターの側から巻き起こったのです。
苦しみ抜いたからこそ、愛媛FCに関わる全ての人たちがこの状況を打開しようと行動を起こし、そして手にした勝点3。振り返れば、愛媛にとってはチームとサポーターの距離が一気に縮まり、『ひとつになって闘う』環境が整っていった第2クールでもありました。現時点でまだまだ戦況は楽観視できませんが、困難の時を越え、愛媛に「反撃の第3クール」が訪れる下地ができあがったことは間違いなさそうです。
以上
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2009.08.25 Reported by 近藤義博
J’s GOALニュース
一覧へ【J2日記】愛媛:ひとつになって闘う。(09.08.25)
(C)近藤義博
草津戦での「金魚すくい」コーナーのワンシーン。「夏の終わりに子どもたちや家族、カップルにスタジアムでの楽しい思い出を作ってもらいたい」というサポーターの想いは、愛媛の人だけでなく草津の子どもにとっての思い出にもなった。運営するサポーターにとっては試合を観ることができない状況も生じるが、1人でも多くの人スタジアムに足を運んで欲しいと願う一心で実現した。
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