キックオフ直前、大型ビジョンに映し出される岡山の選手の超クールな画像は、ファジアーノ岡山オフィシャルカメラマンの蜂谷秀人さんらが撮影したものだ。

岡山が劇的な逆転勝利をおさめた第32節・東京V戦直後。「今日の3得点のうち、うまく写真に収まったのは最後の1点かな」と蜂谷さん。これまで岡山がホームで決めた得点は、第29節までで計10点と、非常に控えめ。ゲーム展開によっては、カメラマンは岡山のディフェンス陣を主体に撮影できる位置に移動することもある。

蜂谷さんが、「僕、武田君が好きで。いつもゴールの瞬間を待ちかまえてるんですよ」と教えてくれたのは先月の第27節・鳥栖戦後のこと。その直後、20年来欠かさないツール・ド・フランス撮影のため、フランスへ出発。その留守中、ホームでの第29節・栃木戦で武田英明選手がみごとなループシュートを決めてしまった。「蜂谷さん、フランスに行って、シャッターチャンスを逃しちゃった」！（幸いなことに、J'sGOALには掲載されている。）

蜂谷さんが武田選手に惹かれるのは、"スポーツ選手の香りがあんまりしないところ"なのだとか。ツール・ド・フランスで言えば、教授と呼ばれたローラン・フィニョン選手のように、少し浮いた風貌ながら、そのスポーツで一級のセンスを持っているところ。「武田選手、決められなかった時でも、絶対いいポジションに来てます。それはもう昔のスキラッチみたいに。だから必ずいい写真が撮れると思ってます」。

というわけで、東京V戦に出場できなかった武田選手には、近々ゴールを決めてもらわないと。そして蜂谷さんの目標は、選手がうれしくなるような写真を撮り続けることである。

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2009.08.06 Reported by 尾原千明