8月5日（水）J2 第32節 徳島 vs 富山（19:00KICK OFF/鳴門大塚）
スカパー！生中継 Ch174 18:50〜（解説：西村昭宏、実況：寺西裕一、リポーター：藤原美佳）
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怒涛の6ゴールで前節の四国ダービーを制した徳島。特別な一戦にこれ以上ない勝ち方をし、その勝利によって連勝も果たしたチームは今節に繋がる大きな勢いを手にしたと言えよう。さらにその戦いでの徳島はバリエーション豊かな攻撃を披露した。中央突破あり、サイドからの崩しあり、素早いカウンターあり。多くの時間において数的優位な状況（前半で愛媛に2人の退場者）であったとは言え、チームが確実に高まっている組織としての力量をしっかり示したのは間違いない。
そしてその攻撃好調の徳島は今節ホームに富山を迎える。

富山は前節、やや調子を落としているものの強豪に変わりない湘南に1-0と競り勝った。それによりこちらも連勝を飾り、調子の良さを感じさせている。しかも富山はストロングポイントである堅い守備がこれまで以上に熟成されてきた雰囲気。「（前回）0-5で負けたとは思えないほど、こっちの方がハードワーク出来ていた」と楚輪博監督もその変化には手応えを感じている様子だったが、前記の湘南戦からの印象としてその粘り強さにはいっそうの進歩が見えたと言えるだろう。

となれば今節のこの一戦、『徳島の攻撃vs富山の守備』という戦いの構図になることが大いに予想される。そこで徳島が富山の堅守を破るポイントを考えたなら、それは素早くDFライン裏のスペースを突くシンプルな攻撃ではないだろうか。
なぜなら、富山の最近の戦いを振り返ると、傾向として手数をかけない相手の攻めにゴールを割られている。中盤を省略したようなロングボールに守備陣が裏を取られて失点しているのだが、これはやはりチーム全体の守備への対応がやや遅れている証拠。ボールを失った時の選手たちの切り替えと後方組織のリスクマネジメントを欠いている結果と言って間違いないであろう。それだけに徳島としては奪ったボールを出来るだけ早く前へ繋ぎたい。その上で羽地登志晃をはじめ柿谷曜一朗、徳重隆明ら前線の選手たちがいつも以上にスペースでボールを受けるための飛び出しを狙えばきっと好機を切り開くことができるだろう。加えて、そうした裏への仕掛けは富山のDFラインを押し下げる2次効果も生み出すはず。そうなれば今度は必然的に空いてくるバイタルエリアを使った攻撃も有効性を帯びてくるに違いない。

またこの一戦では1つの個の戦いも見所となる。それは徳島の左サイド・藤田泰成と富山の右サイド・朝日大輔の争い。両チームの取るシステムがおそらく異なることからマッチアップにはならないだろうが、とは言え近い同サイドに位置する彼らのどちらがイニシアチブを握ってプレーするかは大きな焦点と言えるだろう。特に徳島の藤田は前節のゲームで前後の位置関係にあった柿谷とのイメージに若干のズレを生じさせていたことから、その部分の改善が注目される。彼がチームの攻撃における強烈なピースである柿谷をストレスなく働かせられれば徳島がもう一段シフトアップした迫力をまとえるのは間違いないのだから。

徳島にとって今節は再びクラブ史上初の3連勝に挑む戦い。ただ四国ダービーに大勝した勢いは確かに大きいが、それも気の緩みとは背合わせだけに、選手たちには、だからこその引き締めが求められる。トレーニングに励む姿を見る限りではその心配は無用のようだが、いずれにしてもチームは改めてハードワークを徹底する姿勢で臨むべきだ。
果たして徳島は四国ダービーでの歓喜に続き、またホームスタジアムに笑顔を届けられるか！？

以上

2009.08.04 Reported by 松下英樹