8月1日（土） 2009 J1リーグ戦 第20節
横浜FM 3 - 0 京都　（19:04／日産ス／19,354人）
得点者：38' 渡邉千真（横浜FM）、73' 兵藤慎剛（横浜FM）、87' 小宮山尊信（横浜FM）
スカパー！再放送 Ch181 8/3（月）11:00〜（解説：田中孝司、実況：加藤暁、プレーヤー解説：大嶽直人、リポーター：中願寺香織）
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真夏の夜に、横浜F・マリノスがゴールの３連発花火を打ち上げた。
１発目は38分。渡邊千真が長谷川アーリアジャスールからのパスをもらう。その際のトラップでボールは流れてしまったが、奪いに迫った京都サンガF.C.の佐藤勇人を上手く体でブロック。そして、シャープな振りの見事な右足ミドルを沈めた。
２発目は、長谷川のキレのあるドリブル突破から。73分、右サイドで長谷川がパスを受け、「２タッチ目がよかった」(長谷川)ため、相手DFの間を縫い、縦へ抜け出す。これで勝負あり。直後にゴール前にパスを送り、フリーの兵藤慎剛が左足でプッシュ。
締めの３発目は87分。長谷川、兵藤とパスが繋がり、最後は小宮山尊信へ。小宮山は来たボールに触れずに一度、スルー。このフェイクでマーカーを外し、敵GKと１対１に。向かって来るGKの頭上を越えるループシュートを決めた。

その３得点すべてに絡んだのが長谷川だ。この日の彼は小椋祥平とのＷボランチで出場。「オグ君がディエゴをケアして、自分は前に出た」と言うように、小椋とバランス良い関係を築く。それで前半から高い位置でボールに絡み、彼の縦への配球から、横浜FMは攻撃のリズムを作る。

逆に、京都は彼に自由を与えすぎてしまった。そのため後手を踏み、狙っていたカウンターの威力も半減。頼みのディエゴ、パウリーニョの個人技も、この日は精度を欠いていた。
そのなかで前半に気を吐いていたのが、左サイドバックの中谷勇介。スピードに乗ったドリブルで、何度かサイドをぶっちぎる。しかしそれも、結果には結びつかない。

後半、攻撃力アップを狙った京都は３バックに変更。渡邊大剛と途中出場の角田誠をサイドに張らせる。また、パウリーニョに代え、豊田陽平を投入。しかし、流れはなかなか好転しない。最後は３トップにしたが、好機をほとんど作れないまま、試合終了を迎えた。

京都は、今季リーグ戦のアウェイで未勝利が続く。この日一番、気がかりだったのは運動量の少なさ。
「横浜FMは水曜日(７月29日)にヤマザキナビスコカップを戦っている。うちの方がもっとやらなきゃいけなかったのに、運動量が少なすぎた。アウェイで勝てないのも、メンタルがそこまでいっていないから」
佐藤は、そう嘆いた。勝利に対する『どん欲さ』。今後は、それを常に体現できるようにならなければいけないだろう。

横浜FMは、ようやくトンネルから脱した。リーグ戦での白星は、第14節の浦和レッズ戦以来となる。今節は中澤佑二を負傷で欠き、松田直樹と栗原勇蔵がセンターバックを組んだ。その栗原は「ボンバー(中澤)が抜けて、みんながいつもより集中していたのがよかった」と、笑顔を見せた。その『みんな』の中には多くの若手が含まれる。今季リーグ戦初先発の金井貢史は左サイドバックを務め、フル出場。長谷川はもちろん、途中出場したボランチ・田代真一なども勝利に貢献。上位進出のためには、彼ら若い力のさらなる飛躍に期待がかかる。

以上

2009.08.02 Reported by 小林智明（インサイド）