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【J2日記】甲府:「48‐FORTY EIGHT‐勝っても負けても笑顔で帰るのが阿部バス。甲府応援・プライベートバスツアーレポート」-PART2-(09.06.30)

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(C)松尾潤

★「48‐FORTY EIGHT‐」PART1はこちら

ヴァンフォーレ甲府応援バス(阿部バス)は山都交通という会社のバス(サロンカー)が使われていて、シートピッチが広くてかなりゆったりしている。深夜の中央高速の車窓を見ながら気持ちよくウトウトしているといつの間にか寝てしまい、目が覚めたときには愛知県内を走っていた。バスは名神高速から阪神高速を経由して神戸淡路鳴門自動車道を通って四国に上陸する予定。爽やかな朝をボーっと感じていると、阿部おじさんが「山梨といえば、よっちゃんイカ」と言って「よっちゃんイカ」を配り始めた。そして、後ろからは「プシュ、プシュ、プシュ」と例の連射音が聞こえてくる。モーニングビールの始まり。5〜6時間前に散々飲んだのに、どうやったら朝から飲めるのか分からないが、飲める人は飲めるようだ。後ろからは「イカ臭〜い」と大人(女性)の声が楽しそうに聞こえてくる。バスの中にある食料はアルコール飲料と酒のツマミしかないので、宴会をするかしかないのだ。因みに、「よっちゃんイカ」はよく聞く商品名だが、本社は山梨にあるそうだ。本社が山梨と聞くと、甲府のユニフォームスポンサーになってもらい、「よっちゃん」のキャラクターが甲府のユニフォームに付くとインパクトがあっていいのになぁ〜と思ってしまう。

バスの中では阿部おじさんと初めてゆっくり話をすることが出来た。小瀬ではGK・阿部謙作のユニフォームを着て応援する姿が有名で、それゆえに「阿部おじさん」と呼ばれている人だ。職業はファイヤーマンで、昔はレスキュー隊にいて、今は救急救命士。だから阿部バスは心強いのだ。今回は参加していなかったが、阿部おじさんのお母さんにも小瀬や練習場でよく会う。葡萄やアイスクリームや飴など会う度に何かくれる名物お母さんで、選手もお母さんから何かしらもらったことがあると思う。親子で熱烈な甲府サポーター。阿部おじさんに阿部を応援するようになった理由を聞くと、「阿部が甲府に来た2003年から応援している。その前のGKはトンネルとかしていた(笑)。みんなフィールドプレーヤーを応援することが多いからGKを応援することにした。目立ちがり屋だから(笑)」と独特の答え。

元々はトラキチ(阪神ファン)だった阿部おじさんがサッカーを最初に見に行くきっかけは、高校時代の恩師がJリーグのレフェリーになったことで「レフェリーの応援」に行ったことが理由。オリジナリティのある理由だ。でも、最初のころは半ば強引に連れて行かれた部分もあってゴール裏で酒を飲んで寝ていたそうだが、甲府のJ1元年の2006年に清水の熱く洗練された応援を見て、それに刺激を受けてからは阿部カラーの黄色のユニフォームを着て応援するようになったそうだ。「少しでも地元が盛り上がれば」という気持ちが強いから応援するし、盛り上げるための労を厭わない。阿部バスもそのひとつ。

阿部バスのスタートは2007年からで、07年は5回、08年は14回のアウェイ応援バスを出している。山梨に5台しかないサロンカーのうち、4台を持つ山都交通の運転手さんに阿部おじさんの親戚がいて、割引料金でツアーを組むことが出来ている(阿部おじさんはボランティアでツアーを企画している)。愛媛のような遠距離になると運転手さんを2人確保しないといけないし、あくまでもプライベートのツアーなので阿部バスはいつも1台。バスの定員を超えるような希望者があればクラブが出すオフィシャルバスツアーにお客さんを紹介するそうだ。

バスが大阪に近づくとゴールデンウィークの渋滞にはまった。することがないから外を見ていると、横を通る車の助手席の人はほぼ100%の確率で阿部バスを見上げる。その理由は、何のバスかよく分からない写真が窓にデカデカと貼ってあるからだ。安間貴義監督の写真には「安間塾」、隣の窓に貼ってある阿部の写真には「阿部、YES!」って書いてある。甲府の監督や選手のことを知らない人が見れば、「安間塾という英語か何かの塾のバスで、阿部というイケイケの講師がいる」というふうに誤解されてしまうかもしれない。なかには「わたしたちは応援します。ヴァンフォーレ甲府」という文字を見て、選手が乗っているバスかと思って「お〜」っていう表情で窓の中の顔を見る人もいる。しかし、すぐに笑いながら運転席に向かって「横のバス見てみろよ」ってな感じで話しかけるか、何も見なかったかのように視線を前に戻す。

渋滞でみんなが退屈し始めたころ、阿部おじさんは2005年の入れ替え戦(対柏)の第1戦のビデオを流し始めた。最初はウトウトしながら見ていたのだが、甲府が先制されると何故か眠気が吹っ飛んだ。勝つことは分かっているけれど、久しぶりに見ると新鮮な感じがするし、記憶がズレているところが少なくないから結構面白い。この頃の甲府のカウンターは結構速い。バスの中も、段々盛り上がってきた。後ろからは「なんか停電しそぅ〜」、「この試合の印象はいつ点が入ったかじゃなくて、停電(笑)」なんて声が楽しそうに聞こえてくる。そうやっているうちにアライール(現・愛媛)のクロスをバレー(現・アル・アハリ・ドバイ)が折り返して倉貫一毅(現・徳島)が同点ゴールを決めた。長谷川太郎(現・ニューウェーブ北九州)が押し込んだようにも見えたが倉貫のゴール。結果を知っているから同点に追いついたことよりも、石原克哉(今でも甲府)がパーマ頭だったことや、柏に矢野貴章(現・新潟)がいたことが新鮮だった。

バスは神戸市内に入り、ボチボチのスピードで三宮駅周辺に差し掛かる。ここで、ビデオではクライマックスの時間が来る。後半にバレーのゴール(48分)で逆転した甲府は遂にロスタイムを迎えた。アナウンサーは「このあとの甲府の時間の使い方が注目」と言う。笑ってしまうが、確かに注目だ。ロスタイムに入って1分、柏の選手が甲府のペナルティエリアの近くで倒されたときに画面が真っ暗になり、バスの中は「うわぁ〜、消えた〜(笑)」と大騒ぎ。アナウンサーも「凄い試合になってきました」と困っている。35分間も停電で中断していたとは…。そして、5分の長いロスタイムを耐えて甲府が2−1で柏に勝利。バスは淡路サービスエリアにめでたく着いたが、まだまだ愛媛は遠い。

以上 〜「48‐FORTY EIGHT‐」PART3 につづく〜

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2009.06.30 Reported by 松尾潤
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