6月20日（土）J1 第14節 大宮 vs 京都（18:00KICK OFF/ＮＡＣＫ）
スカパー！生中継 Ch182 17:50〜（解説：田中孝司、実況：倉敷保雄、リポーター：三須亜希子）
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リーグ戦が中断している間のヤマザキナビスコカップ3連戦は、大宮にとっては悪夢のような3戦だった。広島に0-7で敗れたところから始まり、続く横浜ＦＭ戦では1-3、予選リーグラストマッチとなったさいたまダービーは2-6。どれも大差で敗れているだけでなく、広島戦、横浜ＦＭ戦では20本を越えるシュートを浴びている。浦和戦では被シュート数こそ10本台に落ちたが相変わらずの失点数だった。大敗が続いたことからサッカーそのものの見直しを始め、カウンター一本やりだった攻撃に選択肢としてポゼッションを加えるようになり練習を始めた。

今季の大宮にとってひとつの転換期となる連敗だったはずだ。ピッチ外に目を移しても、この6月には色々なことがあった。主将を務めていた小林慶行が柏に期限付き移籍。現在15位の大宮にとって最終的にライバルとなる可能性のある17位柏への移籍はショックでもあった。また今週は、クラブ史上初めてファン・サポーターに対してクラブの現状を説明する、説明会が実施された。ただ、どれもこれも、今後のリーグ戦での上位進出、目標である5位以内を達成するためのクスリとなったと、後から振り返ることができればと願うほかはない。

大宮にとって仕切りなおしの一戦となるのが、この第14節京都戦。続出した負傷者も続々復帰の兆しを見せておりこれまでと違った試合を見せてくれるはずだ。今週のトレーニングではこれまでとは違い、4−3−3の布陣を試しており、この布陣で試合に臨むことが濃厚。4−3−3のシステムはヤマザキナビスコカップ浦和戦の終盤で試しており、この時間帯に得点をしたことがあるなど手ごたえがある。また、京都の攻撃の核となるディエゴを封じるための策でもある。右サイドバックには塚本泰史、左サイドバックには波戸康広が入り、ボランチは片岡洋介と金澤慎、橋本早十。1トップは藤田祥史がつとめ、その下に石原直樹と土岐田洸平が入ることになりそう。「はまればすごくいいんじゃないかな？相手がどうこうでなくて自分たちの特徴がでると思う」と話すのは石原。サイドの大きなスペースでは彼のスピードが生きることになりそうだ。

迎え打つ相手は京都。大宮と似ているといってもいい、カウンターを主体とする攻撃スタイル。張外龍監督が「前線のスピードがある」と警戒を寄せるのはディエゴ、パウリーニョ、柳沢敦だ。「柳沢の動き出し、ディエゴのパスだしを警戒したい。4−3−3は彼らに誰がつくかを明確にするシステム」と話すのはセンターバックの冨田大介だ。センターバックだけでなく、京都の攻撃を食い止めるために鍵なりそうなのが片岡だ。ボランチの位置で、ポゼッションに参加しつつも監督に与えられた役割は「ディエゴを見る」ということ。攻守に片岡の負担は大きそうだが彼の働きが試合を左右することになりそうだ。また京都は李正秀ら本来のメンバーがそろってリーグ戦再開を迎える。2連敗したヤマザキナビスコカップはあまり参考にならないだろう。

両チームともに、ヤマザキナビスコカップの決勝トーナメント進出はない。それだけにリーグ戦にかける思いは強いはずだ。8月の中断までの7戦は、上位進出なるかそれとも下位で苦しい戦いを強いられるか分け目となる大切な7戦。その初戦を落とせないのはどちらにとっても同じだ。

以上