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【J1:第11節 山形 vs 新潟】レポート:白熱した好ゲーム。「天地人ダービー」第1戦は新潟の勝利!山形はホームで初黒星を喫する。(09.05.10)

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5月9日(土) 2009 J1リーグ戦 第11節
山形 0 - 1 新潟 (18:04/NDスタ/17,171人)
得点者:60' 矢野貴章(新潟)
スカパー!再放送 Ch185 5/11(月)06:00〜(解説:越智隼人、実況:小出匡志、リポーター:成田ひみこ)
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1万7171人と今季最高の観客を集めたNDスタ。第1戦となる「天地人ダービー」で、ダービー的な雰囲気を創出したのは、両チームのサポーターだった。ゴール裏を中心にバックスタンドやメインスタンドにも詰めかけたオレンジの集団は、山形の地の利を覆そうと大音量の応援を響かせると、山形側も「愛」の文字が入ったコレオグラフィとビッグフラッグでホームの威信を懸けた戦いであることを示した。スタンドの思いは、ピッチ上の選手にも十分に伝わったが、そんな好ゲームを、満月もそっと覗きに来ていた。

それぞれのメンバー構成にも、両監督の狙いと思いがにじむ。

前節で3得点後、3失点して追いつかれた新潟・鈴木淳監督は、「さらに攻撃的にいく」と2列目の一角に前節に続き曹永哲を残し、出場停止から復帰したマルシオ リシャルデスとともに、強力な3トップの後ろからドリブルやスペースへの飛び出しでチャンスをつくる。対する山形は、リーグ戦で7試合続けて先発していた小林亮をベンチに置き、右サイドバックは1対1の守備を買われた宮本卓也がボランチからコンバート。さらに、センターも石井秀典から園田拓也に代えた。そして前線には、2試合離れていたエース古橋達弥が戻ってきた。

先手を取ったのは新潟。ペドロ ジュニオールが左サイドで強引な突破を図り、守備から入った矢野貴章はボール奪取からシンプルなクロスを大島のヘッドめがけて蹴り込んだ。右サイド寄りで大島がくさびを受けた14分のプレーでは、すかさずサポートに入った矢野がダイレクトでクロスを上げ、ファーサイドでペドロ ジュニオールがヘディングを引き出した。オフサイドになったが、3人のコンビネーションの良さを如実に示すプレーだった。大島のポストプレーからのパスのタイミングが少しズレるシーンが何度かあったものの、マルシオ リシャルデスも相手ボランチのアプローチを難なく外して決定機につながるパスを送り、曹も再三左スペースに飛び出してはドリブルで仕掛けた。

圧倒的な攻撃力に押されていた山形も、ディフェンダー4枚とボランチ2枚で新潟の攻撃的な5枚に対応。時折、局面でこの力で抜かれることはあっても慌てずにカバーしながら、相手のスピードやテクニックに順応していった。そして奪ったあとは左サイドバックの石川竜也から一発でサイドを変えるパスが出たり、間でプレーできる宮沢克行もタメをつくりながら、上がってきた味方に絶好のタイミングでボールを渡し自らはさらにゴールへ近づいた。しかし前節ともっとも違ったのは、前線に古橋がいることでシュートチャンスが増えたこと。7分にはキム・ビョンスクのクロスを右足で浮かせて左足ボレー。23分には北村知隆のマイナスのグラウンダーに飛び込んでシュート。跳ね返りをキムが詰めて立て続けのシュートを放ったが、ここはGK北野貴之のセーブに阻まれた。ただ、前節に続きフォワード起用となったキムはボールが足につかないシーンが目立ち、「ちょっと距離が遠くなってしまった。もう少しお互いが味方のポジションを見て修正できれば」(古橋)と2トップの連携も構築できなかった。キムは北村と入れ替わりで右サイドに移ったあと、前半途中に渡辺匠と交代でベンチに退いた。

「前半からうちのほうがボールを支配していたと思うんですけれども、シュートは多く打ってるものの、最後のところがうまくいかずに得点を決めることができませんでした」と新潟・鈴木監督。ただ、「山形の守備が非常に粘り強いので、簡単には点は取れないだろうなということ、それから、勝点3も簡単にはなかなか持って帰れないだろうなというふうに思っていましたので、前半はだいたい予想したようなゲーム」と、新潟が慌てて動くことはなかった。後半立ち上がりに千代反田充が秋葉と入れ替わられてシュートを許す冷や汗のプレーはあったが、徐々に盛り返すと、55分にはマルシオ リシャルデスが、相手ゴールを背負った大島の足元にくさびを入れ、すかさず飛び込んでシュート。こぼれたボールを今度は大島、さらにこぼれたボールを矢野が拾ってシュート。矢野のシュートは浮いて枠をそれたが、その5分後、中央でドリブルを始めたペドロ ジュニオールが、対面する佐藤健太郎をかわして強烈なミドルシュートを打ち込んだ。ボールは山形のディフェンダーに当たり、減速しながらGk清水健太の元へと転がっていく……はずだった。が、そこには矢野がいた。「ペドロがシュートを打つと思っていたので、キーパーのこぼれを狙おうと思っていた」。右サイドから逆サイドに入り、利き足でこぼれ球を狙えるように準備していた矢野の、ストライカーの嗅覚と意識の高さが生んだ先制ゴールだった。

山形がゴールネットを揺らしたのは、その3分後。距離のあるフリーキックで、新潟がつくるラインの裏に落ちる石川のボールを、秋葉が足で合わせたものだが、これはオフサイドと判定され、ゴールならず。71分には宮沢が中央でパスカットし、秋葉が中央で落として古橋がミドルシュートを狙ったが、ボールは枠の左にそれる。スペースがあると見た小林監督は、前節でJ初ゴールを挙げたジャジャを古橋と交代でピッチに送り込む。さらに、残り5分で園田を前線に上げてスクランブル態勢に入った。ロスタイム直前には園田のクロスから宮沢が飛び込み、ロスタイムには宮本が2度、右サイドからクロスを上げたが、同点ゴールは生まれなかった。

終盤まで交代カードを3枚とも温存していた鈴木監督は、81分からロスタイムにかけてカードを切り、時間を使いながら守備固めを進めていく。「終盤はかなり山形も粘り強く来て、クロスからピンチを招きましたけれども、今日は非常に集中力を高く保って粘ってくれた」。ロスタイムに得点を奪われてきた最近2試合、その授業料は高かったが役にたった。4試合ぶりの勝利で、ベクトルは再び上へと向けられた。

山形はJ1昇格以降、いまだに初物づくしが続いている。この試合では、J1初の連敗と、ホーム初の敗戦を喫することになった。開幕から続いていた勢いも治まり、チームは新しい壁にぶつかっているところだが、小林監督は「こういうところをどうやってしのいでいくかというところも、J1の苦しさだったり、おもしろさだと思うので、顔を上げて次の広島戦に向かっていきたい」と悲観してはいない。そもそも、全力でぶつかりながら、課題を修正し、成長していくチームをめざしていたはず。その初心さえ忘れなければ、結果だってついてくる。

以上

2009.05.10 Reported by 佐藤円
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