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【J2:第14節 水戸 vs 湘南】レポート:坂本紘司のハットトリックという歴史的シーンで湘南が大勝、首位をがっちりキープ。水戸は「荒田不在」の現実を突きつけられた。(09.05.10)

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5月9日(土) 2009 J2リーグ戦 第14節
水戸 1 - 5 湘南 (13:04/笠松/2,329人)
得点者:3' 坂本紘司(湘南)、11' 保崎淳(水戸)、39' 坂本紘司(湘南)、65' 坂本紘司(湘南)、75' トゥット(湘南)、89' アジエル(湘南)
スカパー!再放送 Ch183 5/11(月)21:30〜(解説:前田秀樹、実況:関根信宏、リポーター:高木聖佳)
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湘南・アジエルのドリブル突破からのシュートが決まった直後に鳴り響いた試合終了のホイッスル。それを聞いた水戸の選手たちはピッチに倒れこんだ。1‐5の大敗。「荒田不在」という現実を突きつけられた敗戦となった。

水戸は攻めた。序盤から高崎寛之をターゲットにして、ロングボールを蹴りこみ、湘南陣内へと押し込んだ。「前半は今までで一番ひどかった」(反町康治監督)湘南は運動量が乏しく、中盤でミスを連発。それに対し、運動量で勝った水戸はロングボールのセカンドボールを拾い、スピーディーな攻撃を展開。3分にカウンターから失点を喫すものの、11分にサイドを崩してから最後は保崎淳がミドルシュートを叩き込み、同点に。勢いに乗った水戸のペースのまま時間は流れた。

だが、そこから「荒田不在」という現実を知ることとなる。「パスを回しながらも最後までやりきれなかった」とキム・テヨンは振り返る。前線の高崎がポストプレーでボールをおさめるものの、荒田智之のように裏に抜け出る選手はおらず、高崎へのサポートの動きは高崎より後ろからのもので、「ペナルティエリアに入れなかった」(木山隆之監督)。また、強引にまでゴールに向かおうとした荒田のような姿勢がチームから見られず、シュートのほとんどがミドルシュート。湘南の守備を崩すことができないまま、なんとか状況を打開しようと、水戸は攻撃に人数をかけるため、逆に守備が手薄な状況に。その隙を湘南にうまく突かれ、39分に湘南がカウンターから得たFKで坂本紘司に直接シュートを決められ、勝ち越しを許してしまう。

リードを許したことでさらに攻守のバランスを逸すことに。「点を取りに行くなら、もっとリスクマネジメントをしないと」と鈴木和裕が嘆いたように、水戸はリスクマネジメントしないまま攻撃に出てしまい、湘南の鋭いカウンターの餌食となった。65分にサイドを崩され、坂本にこの日3点目となるゴールを決められると、75分にはトゥットに、89分にはアジエルに個人技からゴールを許し、水戸は完敗を喫した。

「(荒田不在の影響は)否めない」と木山監督は語る。荒田がいれば、攻撃に人数をかけずとも荒田と高崎のコンビで相手の守備を崩し、ゴールに持っていく力強さがあった。自然と攻守のバランスが保てるようになっていたのだ。だが、荒田がいないことで相手の守備を崩すために攻撃に人数をかける必要性が出てきた。その際にいかにバランスを取るのかという課題が浮き彫りとなってしまった。

ただ、あくまで私感だが、荒田不在は水戸にとってけがの功名になるのではないかと期待している。「荒田のスペースを見つけて引き出す動きを利用して攻撃を組み立ててきた」と木山監督が言うように、これまで水戸は荒田の個の力を利用して攻撃を作ってきた。しかし、荒田が不在となった今、チームとして相手の守備を崩すことが求められている。「我々は小さいクラブで補強をしたくても、その資金もない」と木山監督は言うが、そういうクラブ事情だからこそ、なおさらチームとして攻撃の形を作ることが必要だろう。それができるようになれば、8月末、荒田が戻ってきたとき、さらに水戸はパワーアップするに違いない。少し時間がかかるかもしれないが、水戸は「チーム」としての戦い方を整理していく必要がある。それをこの一戦は教えてくれたのではないだろうか。もっともっと強いチームになるために、私感でも何でもなく、荒田不在をけがの功名にしなくてはいけないのだ。

 湘南にとっては磐石の勝利であった。厳しい連戦の最終戦ということで動きが重い中で前半に勝ち越し。水戸に押される展開が続きながらも焦らず安定した守備を持続させた。そこに水戸との差があったと言えるだろう。守備の安定があるからこそ、アジエルやトゥットの個人の技も冴えた。そして、田村雄三の出場停止の穴を埋めた永田亮太をはじめ、ハットトリックを決めた坂本など90分通して死力を尽くしたからこそ、得た勝利。「こうした暑い中で水戸が相手というより、自分たちの中に相手がいるという話をしました。連戦で逃げれば逃げられる。その中で自分に打ち勝つ。そうした内なるエネルギーというのが後半に垣間見れたのはよかった。それが大きな収穫」と反町監督は振り返った。

ゴールデンウィーク5連戦で4勝1敗。「悪くない成績」と反町監督は満足げな表情を見せた。それは、田原豊、アジエルの退場、そして田村雄三の出場停止など「いろいろあった中でチームとしての総合力が上がってきた証明」(反町監督)でもある。5位の水戸を一蹴して、がっちりと首位をキープ。この強さは本物だ。

以上

2009.05.10 Reported by 佐藤拓也
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