5月10日（日）J1 第11節 鹿島 vs 清水（15:00KICK OFF/鹿島）
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鹿島は消化試合数が１つ少ないなか、首位浦和に勝点３差の２位。昨年は、ACLの予選リーグと併行するこの時期で苦しんだだけに（第６節浦和戦に敗れて以降、７戦連続未勝利）、チームは更なる成長を見せている。特に変わったのが選手層。大迫勇也、パク・チュホの加入により、ほとんどのポジションで選手を入れ替えながら戦うことが出来るようになった。あとは現在リハビリ中のダニーロが２列目に、そしてベンチ入りをして少しずつ出場時間を延ばしていくであろう中田浩二がボランチに入るようになれば、FWからCBまで、どのポジションにも３人の選手が揃うことになる。３連覇を目指す鹿島にとって、相対するのが相手チームだけでなく過密な日程も加わってくるだけに、チームの幅が広くなったことは大きなプラスだ。

しかし、これまで鹿島は清水を相手にすると対戦成績が良くない。リーグ通算では１７勝１９敗。「苦手意識はない」（本山雅志）と、選手からは特別な感情は見られないが、川崎フロンターレとともに鹿島が通算成績で負け越しているチームだ。昨年は、リーグ戦では１勝１敗の五分だったが、ナビスコ杯、天皇杯も含めると５戦して清水の３勝１分け１敗。２つのカップ戦では、次のラウンドに駒を進めたのはいずれも清水だった。

ただ、その清水は第５節の川崎F戦以降、勝利から遠のいている。前節も千葉に０−２とリードを許しながら、次々と攻撃的な選手を送り込み、終了間際の枝村匠馬のゴールで辛くも引き分けに持ち込んだ。チーム状態は決して良いとは言えない。対して、鹿島は公式戦３連勝中（Jリーグ２勝、ACL１勝）と好調を維持する。普通に考えれば、鹿島の優勢が予想されるが、こうした状況下のとき、鹿島戦を新たなモチベーションにして戦うのが清水の長谷川健太監督だ。引くときは引く、攻めるときは攻める。能力の高い若手選手たちに割り切った試合をさせることで、結果を出し、再びチームの気運を高めていく。昨季もそれで苦杯をなめているだけに、調子が出ていないときの清水ほど怖いチームはない。

ただ、選手たちも、そうした清水に警戒心を持っていた。
「どうにかしようという選手がいるから気を付けていきたい」
曽ヶ端準は、スタメンがしばしば変わっている相手チームの状況を聞かれると、だからこそ気を付ける必要があると話した。前戦に能力の高い選手が揃う清水だけに、試合終了まで注意を怠ることはできない。

気になる試合の先発は、両チームとも前の試合と同じメンバーであることが大方の予想だ。ただ、鹿島は岩政大樹が復帰する可能性もある。まだ、別メニューで調整中だが、出場は可能な状態まで回復したようだ。本人も「あとは監督次第」と話す。サイドからのクロスを武器とする清水なだけに、CBに岩政の高さが戻ってくることは、鹿島にとって朗報だ。

GWも終わり、選手にとっては厳しい連戦もこれが最後。明日の鹿島はひさびさの快晴に恵まれる予報なだけに、好ゲームを期待したい。

以上

2009.05.09 Reported by 田中滋