4月29日（水）J2 第11節 札幌 vs 愛媛（16:00KICK OFF/札幌）
スカパー！生中継 Ch183 15:50〜（解説：平川弘、実況：永井公彦、プレーヤー解説：大森健作、リポーター：岡本博憲）
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早い人であれば先週末から始まっているという大型連休。この「昭和の日」に行なわれるJ2第11節では札幌ドームで札幌と愛媛が対戦する。

ホームの札幌はいよいよチームが狙い通りの形になりつつある印象だ。シーズン序盤はなかなか結果が伴わず勝利から５試合遠ざかったタイミングもあったが、敵地で戦った８節の草津戦を２−１のスコアでモノにすると、９節はそれまで無敗だったＣ大阪に４−１で大勝。そして前節は退場者が出て数的不利になったものの試合後に石崎信弘監督が「すごかった」と評したクライトンの得点を含めた大きな活躍もあり、敵地で粘り強く勝点３を獲得し３連勝を果たしている。

シーズン開幕前、石崎監督は「ホームではお客さんを楽しませられるような内容のいいゲームをして、アウェイでは多少内容が乏しくなってしまっても粘り強く勝点を取りたい」と話していたが、この３連勝はまさにそういった形で成し遂げたもの。プレーの内容についてはまだまだ向上させなければならない箇所がいくつもあるが、輪郭の部分では狙い通りの形に近づいていると言っていいだろう。そしてこの試合はホームゲーム。西嶋弘之と上里一将という主軸２選手が出場停止となるが、勢いに乗って４連勝を達成したいところだ。メンバー構成の部分に石崎監督は頭を悩ませているが、そういった状況で結果を出してこそ、チームはさらに成長できるはずだ。

一方、アウェイの愛媛は札幌とは対照的な流れにあると言えるかもしれない。開幕から３連勝というスタートダッシュを切ったものの、その後はなかなか決定機を決めきれずに結果を出せず、そしてそのことがチーム全体からリズムを奪っている印象だ。前節は徳島とのダービーだったため、そこで結果を出せば流れを変えられそうなタイミングだったのだが、早い時間帯に失点をしてしまうという悪癖がここでも出てしまい敗戦。札幌とは逆に３連敗となってしまっている。しかし望月一仁監督は「ある程度攻守のつながりは出てきたと思う。それを続けていきたい」と前を向く。そう、愛媛での指導が長くいくつもの苦境を経験している望月監督である。そして、そうした経験があってこそ現在の愛媛がある。やはり大事なのは勇気を持って継続していくことなのだろう。序盤は好成績を出していたのだから、チームにはしっかりとしたポテンシャルがあるのは間違いない。メンタル面でもプレーでも粘りを発揮し、流れを一変させたいところだ。

注目点のひとつは両チームのフォーメーションか。愛媛は序盤から４−４−２で戦ってきたが、前節は４−３−３で戦った。一方の札幌は前節、退場者が出たこともあって試合途中に４バックから３バックに変更。この試合でも左サイドバックの西嶋弘之が出場停止となるため３バックでのスタートという選択肢もあるが、愛媛が３トップで挑んできた場合には３バックでは戦えないだろうから、相手の出方をしっかりと見極める必要がある。この辺りの探り合いは試合序盤の焦点になるかもしれない。

いずれにせよ、この試合が両チームの今後を占う重要な一戦であることは間違いない。主軸を欠くなかでも勢いを維持する力を札幌は持っているのか。そして愛媛はこの苦しいリズムを乗り越え、敵地で粘り強く戦うタフさを持っているのか。試される場面だろう。連休中のファンを、きっと熱くさせてくれるはずだ。

以上

2009.04.28 Reported by 斉藤宏則