4月25日（土）J1 第7節 山形 vs 鹿島（14:00KICK OFF/山形）
スカパー！生中継 Ch182 13:50〜（解説：越智隼人、実況：小出匡志、リポーター：成田ひみこ）
☆顔写真クイズ｜勝敗予想ゲーム
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ＮＤソフトスタジアム山形は、史上初めてホーム側全席が前売り段階で完売し、唯一埋まっていないアウェイゴール裏も残席わずかとなっている。Ｊリーグ王者・鹿島が来襲する４月25日（土）を、山形は３勝１分２敗の５位で迎える。得失点差で並ぶ両者の差は、順位で逆転可能な勝点３差。さまざまな追い風を味方につけ、山形が肉迫を狙う。

山形は前節・Ｇ大阪戦から中７日。首位に立つ鹿島を、休養も準備も十分の状態で待ち受ける。Ｇ大阪戦では前半から攻め込まれたが、しのぎながらしだいに順応し、前半ロスタイムには狙っていたコーナーキックからキムビョンスクがゴールを決めて先制した。最高の形で試合を折り返したが、後半は２枚代えでシステムも変えたＧ大阪への対応が遅れ、遠藤保仁を中心とする圧倒的な攻撃力の前に逆転を許した。リードは守りきれず悔しい敗戦となったが、勝点を取り逃がした代わりに、今後へ向けての課題はさらに明確になった。それは全力でぶつかったからこそ得られる、貴重な課題だ。

今節を皮切りに15日間で５試合。ゴールデンウィーク期間中に迎える今年初めての本格的な連戦は、Ｊ１初参戦で健闘を続ける山形にとって今後の行方を占う大きな試金石となる。ハードワークが大きな比重を占めるスタイルだけに不安視する見方もあるが、小林伸二監督は「へばった人は代えるし、チームとして回さなくちゃいけない。うちだけじゃなく、どこのチームも頑張らないと勝てないでしょう。だいぶボールが持てるのでやれるのではないかなあと思っています」と乗りきる意欲を示す。今節をいい形で終えることが最高の推進力になることは間違いない。

これから連戦を迎える山形に対し、鹿島はすでに20日間７連戦に突入している。前節・横浜FM戦ではミスマッチするシステムのなかでの壮絶な切り換え合戦の末、スコアレスドロー。今季初めて無得点に終わったが、22日のＡＣＬ、シンガポール・アームド・フォーシズＦＣ戦では、その憂さを晴らすような30本のシュートで５−０と快勝した。山形戦を中２日で迎えることは大きなハンディとなるが、ＳＡＦ戦では想定し得るベストな形でゲームを進めることができた。Ｊリーグ第３節から横浜FM戦まで不動のメンバーで戦ってきたが、この試合ではシステムを４−３−３に変え、人の入れ替えも行なった。新井場徹、大岩　剛などこれまで出場機会が少なかった選手にチャンスが与えられ、パクチュホのボランチ起用も試した一方、早い時間帯の大量リードで早めの選手交代が可能となり、選手の疲労を最小限にくい止めることもできた。

山形戦は小笠原満男を警告累積で欠き、代表選も含めフル稼働する内田篤人のコンディションも心配されるが、ＳＡＦ戦で出場停止だった青木剛が戦線に復帰する。また、19日のサテライトリーグ・FC東京戦で中田浩二がボランチで先発フル出場して２得点を挙げ、いよいよトップ復帰の公算も高まっている。今シーズンは連戦のなかでも無類の勝負強さを発揮し勝点を積み上げてきたが、この山形戦でも勝者のメンタリティを強烈に見せつけ、王者の余韻を残してＮＤスタを後にしたいところだ。

日程的なハンディを抱えた鹿島とはいえ、その牙城を崩すのは容易なことではない。攻守の切り換えも早いだけに、山形は奪った直後のプレーに細心の注意を払いたい。自陣でのミスは即失点を意味することになる。サイドチェンジも含めてプレスをかいくぐることができれば、最大の狙い目である攻撃的な両サイドバックの裏を突くチャンスも出てくるだろう。「鹿島から過去に取ったゴールは憶えています……いいゴールでしたねえ（笑）」そう振り返るのは、リーグ戦で鹿島から２得点を挙げているＦＷ古橋達弥。「裏に飛び出して、というシーンが多かったように思います。動き回ってボールを引き出して、そこで起点がつくれればチャンスはできてくると思います」。動き直しを厭わないその献身的なプレーそのものが、鹿島のディフェンスライン攻略法だ。

そして、このゲームを誰よりも心待ちにしている選手がいる。「メンバーはほとんどみんな知ってるので楽しみです」と話す石川竜也は、02年から５シーズン鹿島の一員としてプレーし、今回自らの貢献でＪ１昇格を遂げた山形の主力として古巣との初対戦を迎える。「結果を出すことは大事ですけど、自分たちの今までやってきた戦い方をしっかり出して、その結果をしっかり受け止めてまた次にステップしていきたい」。チャレンジャー精神は今シーズン最大の武器。言葉でいい尽くせないことは、90分間のひたむきなプレーに込められている。

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2009.04.24 Reported by 佐藤円